結婚式で着る礼服はスーツと何が違う?男性ゲストの服装マナー完全ガイド【立場別】
2026.05.26

この記事の所要時間:約13分
結婚式をはじめとする冠婚葬祭の場で着用する礼服。そもそも礼服とは、どのような服装を指すのかご存じでしょうか?
「とりあえずブラックのビジネススーツで問題ない」と思われがちですが、礼服とビジネススーツは本来別のものです。
この記事では、礼服とビジネススーツの違いをはじめ、親族・上司・友人といった立場別の選び方や、結婚式にふさわしいコーディネートのポイントをわかりやすく解説します。
正しい知識を身につけ、マナーに配慮した服装で結婚式に参列しましょう。
1. 礼服とは?

礼服とは、結婚式や葬儀、式典などの冠婚葬祭や公式行事で着用される、格式の高い衣服の総称です。
スーツの一種ではありますが、着用シーンが改まった場に限定されることから、「フォーマルスーツ」とも呼ばれます。
普段の仕事で着用するビジネススーツとは異なり、礼服は場に対する敬意や配慮を表すための装いとして位置づけられています。
そのため、色味やデザイン、着こなしには一定のマナーが求められ、私的な好みだけで選ぶものではありません。冠婚葬祭という特別な場にふさわしい服装として、礼服は大人の身だしなみのひとつといえるでしょう。
2. ビジネススーツとの違い

礼服とビジネススーツの違いは、主に色合いと生地の質感にあります。
礼服は冠婚葬祭など正式な場で着用するため、漆黒に近い深いブラックが特徴で、光の反射を抑えたマットな質感の生地が使われるのが一般的です。
一方、ビジネススーツは礼服に比べて黒の色合いが浅く、同じブラックでも照明の当たり方によってはグレーがかって見えることがあります。
さらに、通気性やストレッチ性など機能性を重視した生地が多く、軽さややわらかさのある質感のため、ややカジュアルな印象になりがちです。
見た目が似ていても、フォーマル性には明確な差があるため、ビジネススーツを礼服として兼用するのはおすすめできません。
3. 礼服の主な種類と特徴
礼服は格式ごとに、正礼装・準礼装・略礼装の3種類に分かれています。
それぞれ着用すべき場面が異なるため、大人のマナーとして礼服のルールを押さえておきましょう。

3-1.正礼装(モーニングコート・タキシード)
正礼装は、礼服のなかでも最も格式が高い服装です。
男性の場合、モーニングコートとタキシードが該当します。
★モーニングコート
最も格式の高い昼間に着用する正礼服です。ジャケットの形が特徴で、前の裾が斜めに大きくカットされ、後ろが長く伸びたデザインになっています。
基本スタイルは、
- ブラックの上着
- 共布またはグレーのベスト
- グレーの縦縞のスラックス(コールズボン)
を組み合わせた装いです。
★タキシード
本来は夜に着用する準礼服です。しかし、最近は正・準礼装を兼ねることが多くなってきており、昼間にも着用されるケースが増えています。
蝶ネクタイとカマーバンド(腹部に巻く装飾用の帯)を合わせるスタイルが特徴で、色はホワイトとブラックでまとめるのが基本スタイルです。
3-2.準礼装(ディレクターズスーツ・ブラックスーツ)
準礼装は、正礼装に次ぐ格式の装いで、結婚式で多く見られるスタイルです。
男性の場合、ディレクターズスーツやブラックスーツが該当します。
★ディレクターズスーツ
昼間に着用する準礼装で、正礼装であるモーニングコートよりも格式が一段下の装いです。
基本スタイルは、
- ブラックの上着
- シルバーやグレーのベスト
- グレーの縦縞のスラックス(コールズボン)
を組み合わせた装いです。
★ブラックスーツ
冠婚葬祭で一般的に着用される昼夜兼用の準礼服です。ホテルや高級レストランなど、格式高い会場にゲストとして招待された場合に着用します。
3-3.略礼装(ダークスーツ)
略礼装は、正礼装・準礼装よりもフォーマル度を抑えた装いです。男性の場合、ダークスーツが当てはまります。
★ダークスーツ
比較的カジュアルな会場や、結婚式に親しい友人や知人として参列する場合に着用します。色はブラックのほか、ダークネイビーやチャコールグレーなど、落ち着いた濃色が基本とされます。
ビジネススーツとの差をつけるためには、
- ハリのある白無地のシャツ
- シルバーやグレーを基調とした光沢を抑えたネクタイ
- 白やシルバーのポケットチーフ
など、フォーマル感のある小物を選び、華やかさを演出するのがポイントです。
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4. 【立場別】結婚式での礼服の選び方

結婚式に参列する際の礼服は、新郎新婦との間柄や自身の立場によって適した装いが異なります。
ここでは、新郎新婦との間柄・立場別に、結婚式にふさわしい服装と着こなしのポイントを解説します。
4-1.同僚・友人・親族など一般ゲスト
同僚や親しい友人、知人として参列する一般ゲストの場合、ブラックスーツやダークスーツを着用するのが基本です。二次会のみ参加するケースは、ビジネススーツなど、ややカジュアルかつ華やかな装いでも問題ありません。
一方、兄弟や叔父などの親族として参列する場合は、ブラックスーツが一般的です。新郎新婦の父親よりも格式が上にならないよう、服装の格を控えめにするのがマナーとされています。

ダークスーツの着こなしポイント
①スーツ
色はブラック・ネイビー・グレーなどのダークカラーが基本です。柄は無地が無難ですが、織柄や目立たないピンストライプやシャドーストライプなら問題ありません。ホワイトやシルバー系の明るすぎる色や、華やかな柄は控えましょう。
パンツの裾はシングル(折り返しのない裾)だと、フォーマルな印象を与えるため、おすすめです。
②シャツ
白無地またはブルーやピンクの淡い色。特に、新郎新婦の親族は主催者側に近い立場のため、白の無地シャツを選ぶと安心です。衿と袖口がホワイトのクレリックシャツだとおしゃれな印象になります。
③ネクタイ
シルバーやグレーをベースとした落ち着いたカラーが基本です。ストライプ柄が一般的ですが、新郎新婦との間柄や立場、会場の雰囲気によっては、小紋柄やドット柄なども問題ありません。
④ポケットチーフ
麻またはシルクの白無地が一般的です。折り方はスリーピークス(3つ山ができるようにたたんだ折り方)が基本です。
⑤アクセサリー
シャツの袖口にカフリンクスを使用すると、華やかさをプラスできます。真珠や白蝶貝に代表されるホワイトの石がフォーマルな場にふさわしいでしょう。
ネクタイピンはシルバー系が基本です。ネクタイが乱れないよう、マナーとしてしっかり留めておきましょう。
⑥ベルト
無地でシンプルなデザインのものを選びましょう。大きく目立つバックルや、クロコ・ヘビ柄などのデザインはフォーマルな場には不向きなので、避けるのが無難です。
細すぎず太すぎず、適度な幅のものを選ぶとスマートで好印象です。
⑦シューズ
ブラックの革靴でシンプルなデザインのものを選びましょう。フォーマル度の高いストレートチップかプレーントゥがおすすめです。
靴下はブラックで合わせましょう。ホワイトや柄物はふさわしくありません。
4-2.上司・恩師など主賓ゲスト
上司や主賓として参列する場合は、スピーチや挨拶を任されることも多いため、式典の格に合うきちんとした印象の装いが求められます。
ディレクターズスーツやブラックスーツといった、正統派の礼服を選ぶのが一般的です。

ブラックスーツの着こなしポイント
① 礼服(ブラックスーツ)
冠婚葬祭全般に対応できる略礼服。ブラックの色の濃さが特徴です。
年代別に着こなしを変えることは、年齢にふさわしい印象や立場を表すために重要です。20・30代前半はシングルブレストでスタイリッシュに、40代以降はダブルブレストだと貫録が出ます。
パンツの裾はフォーマルな着こなしになるシングル(折り返しのない裾)にしましょう。
②シャツ
白無地で、衿型はレギュラーまたはワイドカラーが一般的です。色付きシャツやチェック・ドットなど柄がはっきりと分かるデザイン、光沢や装飾が目立つタイプは避けましょう。
③ネクタイ
光沢のあるシルバーグレーに、無地または控えめなストライプ柄のネクタイは、格式高く華やかに見えます。
④ポケットチーフ
麻またはシルクの白無地が一般的です。折り方はスリーピークス(3つ山ができるようにたたんだ折り方)が基本です。
⑤アクセサリー
シャツの袖口にカフリンクスを使用すると、華やかさをプラスできます。昼間は真珠や白蝶貝に代表されるホワイトの石、夜はオニキスをはじめとするブラックの石がフォーマルな場にふさわしいでしょう。
ネクタイピンはシルバー系が基本です。ネクタイが乱れないよう、マナーとしてしっかり留めておきましょう。
⑥ベルト
無地でシンプルなデザインのものを選びましょう。大きく目立つバックルや、クロコ・ヘビ柄などのデザインはフォーマルな場には不向きなので、避けるのが無難です。
細すぎず太すぎず、適度な幅のものを選ぶとスマートで好印象です。
⑦シューズ
ブラックのストレートチップか、プレーントゥを合わせましょう。
4-3.新郎や両家の父親など主催者側
結婚式の主催側にあたる新郎は、格式を重んじた装いが求められます。一般的には、礼服のなかでも格式が高いモーニングコートやタキシードを着用します。
特に、両家の父親は新郎新婦と同じく来賓をもてなす立場にあるため、格式の高いモーニングコートを着用するのが基本です。
ただし、ガーデンウエディングやレストランウエディングなど比較的カジュアルな結婚式の場合や、両家の間で服装について共通認識が取れている場合に限り、ブラックスーツでも問題ありません。

タキシードの着こなしポイント
①タキシード
上着の衿の形状は、先の尖ったピークドラペルまたは、ショールカラー(へちま衿)の2種類が基本。
どちらもサテンや艶のある素材でできているのが特徴です。
パンツには側章と呼ばれる1本のラインが入ります。フォーマルな着こなしとして、裾はシングル(折り返しのない裾)にしましょう。
②シャツ
首に沿って立ち、衿先だけが小さく折り返されている白無地のウイングカラーシャツを着用します。
袖口部分を折り返せるダブルカフスで、胸元にプリーツが入ると、よりフォーマル度が上がり、ドレッシーな装いとなります。
③ ネクタイ
ブラックのシルク素材の蝶タイ(ボウタイ)を着用しましょう。
※ドレスコードでいう「ブラックタイ」はここからきています。
④カマーバンド
腰に巻きつける装飾用の帯のことです。ブラックを選ぶとより格式高く見えます。巻く際はヒダを上向きに着用しましょう。
なお、現在ではカマーバンドは省略しても問題ないため、好みに合わせて選べます。
⑤ポケットチーフ
麻またはシルクの白無地が基本ですが、グレーや、蝶タイの色に合わせても問題ありません。折り方はスリーピークス(3つ山ができるようにたたんだ折り方)が基本です。
⑥アクセサリー
シャツの袖口に、手元を飾るオニキス・黒蝶貝など黒い石のもののカフリンクスを付けるとさりげないおしゃれさを演出できます。
⑦サスペンダー
タキシードのパンツにベルトループはありません。ラインを崩さないようにサスペンダーを使用します。正式にはブラックですが、カラーのカマーバンドを使用する場合は色を合わせても問題ありません。
⑧シューズ
ブラックのエナメル素材のオペラパンプスまたはストレートチップが適しています。靴下はブラックで合わせましょう。ホワイトや色柄物は好ましくありません。
5. 【アンケートで見る】結婚式の服装
実際に結婚式に参加する方の服装は、どのような装いが多いのでしょうか?リアルな声を集めてみました。アンケートの回答結果をぜひ参考にしてください。
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,392 名(全国)
調査対象条件:10 代~50 代の男女(無回答含む)
データ集計期間:2022年4月29日~5月5日
5-1.男性ゲストの服装はスーツ・礼服が多い

「結婚式に参列する際の服装について最も近いものをお知らせください」という問いでは、スーツが31.1%と最も高く、次いで礼服が25.8%、スーツ(ベスト付き)が24.8%という結果になりました。ブラックやネイビー、グレーといったダークスーツでの参加者が多いようです。ベスト付きのスリーピーススーツも人気です。
5-2.礼服・スーツに合わせるアイテムはネクタイがダントツ

「結婚式に参列する際の服装に組み合わせるものを教えてください」という問いでは、約9割の方がネクタイと回答しました。蝶ネクタイやバロックタイなど、さまざまなおしゃれを楽しんでいるようです。
5-3.ワンポイントアイテムにはポケットチーフを選ぶ方が8割

「参列時のワンポイントアイテムとして取り入れたいものを教えてください(※あてはまるものをいくつでもお選びください)」という問いでは、ポケットチーフが最も高く、次いでカフリンクス、タイピンという結果になりました。華やかな場にふさわしいアクセサリーを選んで出席される方も多いようです。
5-4.ネクタイ・シャツは新たに買い足す方が3割以上

「結婚式に参列される際、買い足すものがありましたら教えてください(※あてはまるものをいくつでもお選びください)」という問いでは、ネクタイとシャツが多く挙げられました。
シャツには汚れやシミが付いていたり、ネクタイには傷みが出ていたりする場合があります。早めに確認しておきましょう。
5-5.参加する立場によって、参列時の服装を変える方が半数以上

「結婚式を挙げる新郎新婦との関係または立場によって、参列する際の服装を変えますか」という問いでは、52.8%の方が、新郎新婦との関係または立場によって参列時の服装を変えると回答しました。
次項では、結婚式にふさわしくないコーディネートを解説します。
6. 結婚式にふさわしくないNGコーディネート5選
最後に、結婚式の参加時に控えたほうがよいコーディネート例を5つご紹介します。マナーに沿う服装で参加できるよう、NGポイントをしっかり押さえましょう。
6-1.ホワイトのスーツ

新郎新婦と重複する、あるいは目立ってしまうホワイトのスーツは、結婚式では着用を控えるのがマナーです。また、見方によってはホワイトに見える明るめのピンクやグレーなども、結婚式の服装としてふさわしくないとされています。
当日は主役の新郎新婦を引き立てられるよう、ブラックやダークカラーのスーツを選ぶと安心です。
6-2.ブラックのネクタイやアニマル柄のアイテム

結婚式では、ブラックのネクタイやアニマル柄のアイテムは避けるのが望ましいとされています。ブラックのネクタイは、お葬式を連想させやすいためです。
また、ヒョウ柄やゼブラ柄などのアニマル柄は、カジュアルな印象が強くお祝いの場にふさわしくありません。殺生を想起させる点からも控えるのが無難でしょう。
結婚式では、場にふさわしい明るく華やかな色味を意識し、弔事やカジュアルさを連想させるアイテムは避けることが大切です。
6-3.着こなしがカジュアルすぎるビジネススーツ

結婚式に招待されたゲストは、普段より華やかな服装で参列するのがマナーです。ビジネススーツでの参列はNGではありませんが、仕事中と同じ格好のまま参列するのは控えましょう。
ビジネススーツを着用する際は、ネクタイやポケットチーフなどの小物を取り入れ、華やかさを添えるのがおすすめです。
6-4.くるぶしが見える丈の靴下

靴下の色はブラックが好ましく、丈は足首が隠れるくらいの長さが理想です。くるぶしが見えるスニーカーソックスや華やかすぎる柄物の靴下は着用を控えましょう。
6-5.デザインが華やかすぎる革靴

男性のフォーマルな足元は革靴が基本ですが、華やかすぎるデザインはは結婚式には適しません。装飾性が高いウィングチップや、カジュアルなタッセルは控えましょう。
結婚式には、格式の高い内羽根式ストレートチップか、冠婚葬祭でも着用できるプレーントゥのひも靴がおすすめです。
7. 結婚式の礼服はマナーに合わせて正しく着こなそう
結婚式で着用する礼服は、ビジネススーツとは異なり、色合いや生地などにフォーマル性の違いがあります。
また、新郎新婦との関係性や参列する立場によって、ふさわしい服装も変わります。礼服の格式やコーディネートのマナーを正しく理解したうえで、装いを選びましょう。
本記事を参考に、結婚式にふさわしい装いで、特別な一日をお過ごしください。





