
就活の専門家が教える
面接の極意 [オンライン編]
オンラインでの採用活動が主流となり、みなさんの先輩の就活では、最終選考の面接までオンラインのみで実施したというケースも大手企業を中心に見られました。
就活アドバイザーとして学生の指導に当たっている才木弓加さんによると、オンライン就活によって遠方からのエントリーのハードルが下がり、多くの学生が応募してきたことから、2023年卒は臨機応変に対面とオンラインを使いながら選考が行われるでしょう。
また、オンライン面接は対面とは違って、限られた情報しか伝わりません。学生の皆さんを理解するためには、対面での面接よりも回数が多くなるケースもあります。内定に大きく関わってくるオンライン面接、万全な状態で臨むための極意を教えてもらいました。
プロが教えるオンライン面接の極意


面接官の本音がここに!?アンケート&アドバイス


企業の面接官を対象に実施した調査からも、オンライン面接と対面での面接で「見ているところに違いがある」と答えた企業が約8割を占めました。ここからは、実際の面接官がオンライン面接でどんなところに着目したのか、みなさんへのアドバイスと合わせてご紹介します。




- 学生の本分をしっかり果たせたかどうか
- オンライン面接では、質問の内容をガラリと変えた企業も少なくなかったようです。対面の面接では、志望動機や学生時代に力を入れていたエピソードなどの質問に時間を割かれていたと思いますが……?
「2022年卒のオンライン面接でも、中学時代にまでさかのぼって、人柄を深く掘り下げる質問が多い傾向にありました。この変化は、得られる情報が少ないなかで、学生自身をより深く理解しようとする企業側の姿勢の表れだと思われます。また、学業の成績や授業で学んだことを聞かれるケースも増えました。学生を客観的に判断するために、学生の本分である学業にどれだけ力を注いできたか、学生時代の生活はどうだったかが見られています。」
就活において評価されるポイントは、前述のとおり人間性。成績の良し悪しが直接選考に影響することはありませんから、成績に自信がないからといって消極的になる必要はありませんが、大切なのは“自己分析”と才木さんは強調します。
「例えば、美術史や人類学を専攻していた学生は、自分の専門分野が実社会と直接的に結びつきにくいと考えているかもしれません。しかし、企業側が知りたいのは、みなさんがそれぞれの専門分野からどんな学びを得て、その経験を社会でどのように生かすことができるのかを自己分析できているかどうかです。面接で説得力のある受け答えができるように、自分の専門分野についてしっかりと復習をしておきましょう。」
最終面接までオンラインのみで実施した企業のなかには、“考える力”を試す質問を最後に出すところもあったようです。
「『10分間で当社の新商品を企画し、プレゼンしてください』など、短い時間でどれだけ論理的に考えて落とし込めるかを試す企業も見られました。繰り返しになりますが、オンライン面接は対面よりも判断材料が少なくなるもの。自然と見極めが厳しくなるからこそ、最後まで気を抜かずに臨みましょう。」

監修:就職アドバイザー 才木弓加さん
大学の就職対策セミナーの講師を務めるかたわら、自ら「才木塾」を主宰し、多くの学生を内定に導いている、就職情報サイトの監修や就職にまつわる著書も多数。
https://saikiseminar1.wixsite.com/navi