退職を申し出る際に必要になる「退職願」や「退職届」。
「絶対出さなきゃダメ?」
「何をどう書いたらいいの!?」
と迷いますよね。そこでこの記事では、
・「退職願」「退職届」の違いと出すタイミング
・ 書類の正しい書き方~渡し方
などを分かりやすく解説していきます!
目次
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1. 退職を決意したら確認すべきこと
円満に退職するためには、事前準備が大切。
✓「退職願」「退職届」の違い
✓ いつ・誰に提出すべきなのか
順を追って確認していきましょう!
1-1. 「退職願」「退職届」の違い
退職願と退職届、同じものと思っている方も多いのでは?
実は、それぞれ提出する目的が異なります。
◆ 退職願:退職を決意したのち、会社に退職を願い出る書類。
◆ 退職届:退職確定後、労働契約の解除手続きのために届け出る書類。
退職願は必ずしも必要ではなく、口頭でのみ伝えることも可能です。
ただし、書面で提出した方が意思の固さが伝わりますよ。
✓「辞表」は役員や公務員が対象
辞表(辞職願)は、役員が役職を離れる場合や、公務員が辞める際に退職届として提出する書類です。そのため、一般企業の一般社員が辞表を書くことはまずありません。
1-2. いつ、誰に出すのが正解?退職までの流れ
退職願と退職届は提出の目的が違うので、出すタイミングも異なります。
退職希望日を決め、退職願を作成 |
▼ |
直属の上司に申し出て、退職願を渡す |
▼ |
退職が承認されたら、正式な退職日を決める |
▼ |
会社の規定に従って退職届を提出する |
▼ |
退職 |
退職願は、退職希望日の1~2か月前に直属の上司に提出としている企業が一般的です。
退職届は退職確定後に提出しますが、上司あるいは人事部など、会社ごとに提出先が異なります。
フォーマットが指定されている場合もあるので、就業規則を必ず確認してくださいね。
2. 退職願・退職届の書き方~渡し方
ここからは、退職願・退職届の書き方から提出の仕方までを徹底解説します。
1. 用意するもの
2. 正しい書き方
3. 完璧な折り方・封筒への入れ方
4. 失礼のない渡し方
知りたい項目を選んでチェックしてくださいね。
2-1. 用意するもの

① 白い便箋
…B5が一般的だがA4も可。罫線はあってもなくてもよい。
② 白い封筒
…郵便番号枠のない無地。茶色はNG。
便箋がB5⇒長形4号、A4⇒長形3号
③ 黒のボールペン
…水性・油性どちらも可。消えるボールペンはNG。
まずは、上記に従って便箋や封筒を用意しましょう。
間違えた場合も修正ペンは使用NGですので、便箋は数枚用意しておくのがおすすめです。
2-2. 退職願・退職届の正しい書き方

① 「退職願」または「退職届」と書く
② 「私儀(わたくしぎ)」もしくは「私事」と書く
③ 自己都合退職の場合は、「一身上の都合」と書く
★CHECK!「Q3. 会社都合で辞める場合、退職届は必要ない?」
④ 退職願⇒退職希望日
退職届⇒退職日
※西暦・元号どちらでも可。会社の公式書類に使用しているものに合わせるのが◎
⑤ 退職願⇒「お願い申し上げます」など打診の旨
退職届⇒「退職いたします」と事実を報告
⑥ 退職願・退職届ともに提出する日付を記入
⑦ 宛名より下の位置に所属と名前を記入し、名前の下に捺印
⑧ 組織の最高執行責任者の役職と名前を書く。敬称は殿
※自分の名前よりも上にくるように書くこと。
退職願・退職届ともに基本的には手書きで、丁寧に書くようにしましょう。
字を書くのが苦手…という方は、「Q1. 退職願・退職届は手書きじゃなきゃダメ?」も参考にしてくださいね。
また、縦書きが一般的ですが、会社から横書きの指定があった場合は、それに従ってください。
縦書きの場合と、記載内容は変わりません。
ただし、「届出年月日」「宛名」「所属と氏名」を本文より前に書くので注意してくださいね。

① 「退職願」または「退職届」と書く
② 退職願・退職届ともに提出する日付を記入
③ 組織の最高執行責任者の役職と名前を書く。敬称は殿
※自分の名前よりも上にくるように書くこと。
④ 宛名より下の位置に所属と名前を記入し、名前の下に捺印
⑤ 「私儀(わたくしぎ)」もしくは「私事」と書く
⑥ 自己都合退職の場合は、「一身上の都合」と書く
⑦ 退職願⇒退職希望日
退職届⇒退職日
※西暦・元号どちらでも可。会社の公式書類に使用しているものに合わせるのが◎
⑧ 退職願⇒「お願い申し上げます」など打診の旨
退職届⇒「退職いたします」と事実を報告
⑨ 「以上」で締める
2-3. 完璧な折り方・封筒への入れ方
封筒の書き方

表:中央よりやや上寄りに「退職願」/「退職届」と書く
裏:左下に自分の所属部署、フルネームを書く(行頭はずらす)
折り方~封筒への入れ方

① 書き出し(★)が右上に来るように置く
② 下から上に3分の1折る
③ 残りを上から下に折り重ねる

④ 便箋の右上(★)が封筒の裏面上部にくるように入れる
⑤ 封入口にのりをし、「〆」と書いて封じる
※手渡しの場合はのりをしなくてもよい
せっかく作成した書類が汚れたり折れたりしないよう、提出するまではクリアファイルに入れ、丁寧に保管しましょう。
2-4. 失礼のない渡し方
書類の準備が出来たら、退職の意向とともに会社に提出しましょう。
まもなく辞める会社であっても、社会人として誠意ある対応をするのが大切です。
▶ 退職願
人目に触れない場所で直属の上司に手渡しします。
「今後についてご相談したいことがあるのですが」などと声をかけ、時間を作ってもらうのがスムーズです。
これまでの感謝や、引継ぎをしっかりと行う旨も伝えましょう。
▶ 退職届
人事部に提出するのが一般的ですが、企業によって異なるため就業規則を確認しましょう。
「給料が低い」「嫌な人がいる」などの不満をダイレクトに伝えると、角が立ってしまいます。
本音を言うことは悪いことではありませんが、円満退職を望むのであれば、建前としてポジティブな理由を伝えるのがおすすめですよ。
円満退職に繋がる理由例
【仕事内容編】
・他の仕事にチャレンジしたい
・これまでの経験を活かしてより専門性を高めたい
・夢を実現させたい
【個人的な事情編】
・結婚に際して転居が決定した
・実は体調が優れず、静養したい
・家業を手伝う
3. 退職願・退職届に関するお悩みQ&A
ここでは、退職願・退職届に関するさまざまな疑問にお答えします。
Q1. 退職願・退職届は手書きじゃなきゃダメ?
A. パソコンで作成しても大丈夫ですが、手書きがおすすめです。
書き方や提出方法を会社から指示された場合は、それに従いましょう。
どちらでも良い場合、退職の意思が伝わりやすい手書きがおすすめですよ。
▼PC作成テンプレートはこちらがおすすめ
『doda「退職願」「退職届」のテンプレート・見本』
※クリックで別サイトに移動します
手書きの字に自信がない方は…
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Q2. 会社から必要ないと言われたら出さなくていい?
A. 退職届は提出しておくのがベターです。
退職願は出さなくても大丈夫ですが、 後々トラブルになる可能性がないとは言えないので、退職届は念のため出しておきましょう。
その際、話が食い違わないようコピーを手元に残しておくのをおすすめします。
Q3. 会社都合で辞める場合、退職届は必要ない?
A. 会社の意向によります。
退職願は必要ありませんが、退職届は労働契約の解除を届け出る書類のため、理由に関わらず提出を求められることが多いです。
会社都合で退職する場合に提出が必要かどうかは、会社に確認しましょう。
「一身上の都合」と書くと、会社都合にも関わらず自己都合として処理され、退職後に受給する失業保険の金額や期間などが変わる場合があります。
「事業縮小のため」「早期退職のため」など、会社都合であることがわかる理由を書くようにしましょう。
Q4. 一度提出した退職届を撤回することは可能?
A. 原則、撤回できません。
退職が確定してから提出する退職届は、撤回不可能です。
退職願は、人事部にて受理されていない段階であれば撤回できる可能性もありますが、基本的には難しいです。
いずれにせよ、一度辞めるとした発言を覆すことは心証が悪いため、おすすめしません。
退職の意思が固まってから提出するようにしましょう。
Q5. 上司が退職交渉に応じてくれない場合は?
A. さらに上の上司に交渉しましょう。
直属の上司から引き止めにあうなどして退職交渉が進まない場合は、さらに上の上司に「直属の上司に退職の意向を伝えたが取り合ってもらえない」旨を伝えましょう。
それでも上手くいかない場合は、人事部に相談することをおすすめします。
Q6. 退職願・退職届を直接渡せない場合は?
A. 上司に相談の上、郵送しましょう。
怪我や病気など、やむを得ない理由で直接書類を渡すことが難しい場合、郵送での提出が認められることもあります。
ただし、事前に上司への相談が必要です。
手渡しの際とマナーが異なりますので、以下を参考にしてくださいね。
▼郵送用封筒の選び方
退職願・退職届の封筒とは別に、一回り大きい封筒に入れて郵送します。
色は白で郵便番号枠があるものを選びましょう
退職願・退職届の封筒 | 郵送用の封筒 | |
---|---|---|
長形4号(90×205 mm) | ⇒ | 長形3号(120×235 mm) |
長形3号(120×235 mm) | ⇒ | 角形5号(190×240 mm) |
▼郵送用封筒の書き方

表:郵送先の住所、部署名、宛名(個人名)を書く
左下には赤字で「親展」と書く
裏:自身の住所、フルネームを書く
のりで封をしたのち、「〆」マークを書く
▼添え状を同封する

郵送で書類を送付する際は、添え状を添付するのがビジネスマナー。
退職願・退職届を送付する旨と、会社への感謝の言葉をつづりましょう。
▼封筒への入れ方

退職願または退職届の上に添え状が来るようにして、郵送用封筒に入れましょう。
これにより、万が一封筒が透けても中身がバレにくくなりますよ。
4. まとめ
退職届と退職願の正しい書き方~渡し方について解説しました。
✓ 退職願:これから退職交渉を行う際に提出する
✓ 退職届:退職が確定している場合に提出する
✓ B5またはA4の便箋に、黒のボールペンで記入する
最後までマナーを守って、スムーズで円満な退職を目指しましょう!