気温が低い日にスーツを着て外に出ると、冷たい風にさらされて手足がかじかんだり、体が芯から冷えたりしてしまいます。通勤や外回りはもちろん、冬の就活でも「寒さに耐えながらスーツを着るのがつらい」と感じる方もいるでしょう。
スーツが寒いときは、整ったシルエットを保ちながらの防寒対策や、体温調整がしやすい着こなしを意識することが大切です。
この記事では、スーツが寒いときに有効な防寒対策や、寒さ対策をする際に注意したいポイントなどを詳しく解説します。寒いときにおすすめの防寒アイテムも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 薄手で機能性の高いインナーを選ぶことで、スーツのシルエットを崩さずに防寒ができる
- コートやマフラー、手袋などはスーツに合うシンプルなデザインや落ち着いたカラーを選ぶ
- 脱ぎ着しやすいアウターやカーディガンを活用すると屋内外の温度差に対応しやすい
スーツが寒いときに有効な9つの防寒対策
スーツが寒いときの防寒対策は、冬用のスーツに切り替えることから、インナーやベスト、ニットなどを重ねる方法、防寒具を取り入れる方法までさまざまです。その日の気温に応じて取り入れたり、組み合わせたりすることで、寒さを和らげることができるでしょう。
ここでは、おすすめの防寒対策を9つ紹介します。
- 冬用のスーツに切り替える
- 保温性の高いインナーを取り入れる
- ベストやインナーダウンを重ねる
- カーディガンやニットを重ねる
- 冬用の靴下・ストッキングで足元を守る
- 機能性スパッツやタイツを履く
- スーツに合うコートを着る
- マフラーや手袋などの防寒具を活用する
- カイロでピンポイントにあたためる
冬用のスーツに切り替える


スーツは春夏用と秋冬用で生地が異なります。冬用はウールの割合が高く、厚みがあるため保温性に優れていることが特徴です。総裏の裏地仕様なら冷たい外気を防ぎつつ、動きやすさを保てます。フランネル生地のスーツは、季節感を取り入れながら上品な着こなしができるでしょう。
スーツを選ぶ際は、ジャケットやパンツのシルエットが崩れないよう、自分の体型に合ったサイズを選ぶことが大切です。色はブラック・ネイビー・グレーといったベーシックカラーを選ぶと、落ち着いた雰囲気を演出できます。
オールシーズン用のスーツでも、インナーやアウターを工夫すれば冬でも着用できますが、寒さが気になる場合や、冬にスーツを着る機会が多い方は、冬用スーツを1着持っておくことをおすすめします。
保温性の高いインナーを取り入れる
薄手のシャツやブラウスだけでは冷えやすいため、なかに着るインナーを保温性の高いものにするのが効果的です。
ヒートテックや吸湿発熱素材は、汗を吸収して発熱し、肌を乾いた状態に保ちながらあたたかさを持続できます。薄手のタイプを選べば、シャツやブラウスに響かず、すっきりとした着こなしができるでしょう。
ベストやインナーダウンを重ねる


ベストやインナーダウンを重ねると、冷気を遮りながら体をあたためられます。特に、薄手のインナーダウンは膨らみにくく、見た目もすっきりするのでおすすめです。通常のインナーよりも脱ぎ着がしやすく、屋内外の気温差にも柔軟に対応できるでしょう。
ただし、派手な色のベストやアウトドア感の強いインナーダウンは、カジュアル寄りに見えることがあるため、TPOにあわせて着用するのがおすすめです。スーツとあわせる場合は、無地でブラックやネイビーといった落ち着いた色のシンプルなデザインのものを選ぶと馴染みやすいでしょう。

企業説明会や面接などの就活では、企業のWebサイトや採用ページの写真などで、許容範囲を確認しておくと安心です。
着こなしポイント
- 膨らみにくい薄手タイプを選ぶ
- ブラック・ネイビーなど、スーツに馴染む色を選ぶ
- ジャケットを閉じてもゴワつかない厚みを意識する
- 衿なしベストなら首元がすっきり見える
カーディガンやニットを重ねる
スーツの下に薄手のカーディガンやニットを重ねると、見た目を大きく変えずにしっかりと防寒できます。ニット素材は保温性が高く、体をあたためて冷えを防いでくれるのが特徴です。
メンズスタイルでは、Vネックのニットやカーディガンを選ぶとネクタイがきれいに見えます。色はブラック・グレー・ネイビーなどの落ち着いたトーンを選ぶと、スーツとの一体感が出て、自然な着こなしができるでしょう。
ただし、ビジネスシーンではカーディガンやニットが雰囲気にあわない場合があります。業界や企業によっては控えたほうがよい場合もあるため、面接本番では避けるか、事前に服装指定を確認しておくと安心です。
着こなしポイント
- Vネックを選ぶと首元やネクタイが見えてバランスが整いやすい
- 色はブラック、グレー、ネイビーなどベーシックカラーがスーツに馴染む
- ハイゲージ(編み目が細かい)を選ぶとジャケットに響かず、すっきり着こなせる
- 丈が長すぎないものを選び、ジャケットの裾から出ないようにする
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冬用の靴下・ストッキングで足元を守る
足元の冷えは全身に影響するため、冬用の靴下やストッキングなどであたためることも大切です。
厚手の靴下でも、ブラックやネイビーなどスーツに馴染む色を選べば自然にコーディネートできます。ウール混や吸湿発熱タイプのものなら、あたたかさを保ちつつ、長時間の移動や立ち仕事でも快適に過ごせます。
また、ストッキングをはく場合は、通常の薄手タイプではなく、裏起毛や発熱素材などの厚手タイプを選ぶのがおすすめです。見た目は通常のストッキングに近いまま、防寒性を高められます。

ストッキングは必須ではなく、靴下やフットカバーを選んでも問題ありません。
機能性スパッツやタイツを履く
下半身の冷えは集中力の低下につながるため、保温性のあるスパッツやタイツを取り入れるのも効果的です。薄手で伸縮性のあるタイプならシルエットを崩さず、動きやすさも保てます。股上が高く、お腹まわりまでカバーできるものであれば、より広い範囲を防寒できるでしょう。
見えない範囲であれば、スパッツやタイツをシルエットにほとんど響かないため、すっきりとした着こなしで防寒できます。スカートスタイルでは、スカートに隠れる丈のスパッツを選ぶのがおすすめです。
スーツに合うコートを着る

冬の外出にはコートが欠かせません。スーツには、トレンチコート・ステンカラーコート・チェスターコートなど、シンプルなデザインのコートがあいやすく、ビジネスシーンでもよく使われています。特に、ブラックやネイビー、グレー、ベージュといった落ち着いた色のコートは、スーツに馴染みやすいでしょう。
防寒を重視するなら、防風性や撥水性を備えた、丈が長めのコートが便利です。風を通さず広範囲を防寒できます。撥水性があれば、天候が悪い日でも快適に過ごせるでしょう。
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マフラーや手袋などの防寒具を活用する
首元や手先は特に冷えやすいため、マフラーや手袋を取り入れて体感温度を上げられ、移動中も快適に過ごせます。
マフラーはシンプルな無地のデザインを選ぶとスーツに馴染みやすいでしょう。手袋は革や合成皮革、ハイゲージのニット素材を選ぶと、ビジネスシーンにあいやすくおすすめです。
カイロでピンポイントにあたためる
貼るタイプのカイロは、腰やお腹、背中など冷えやすい部分を集中的にあたためられる便利なアイテムです。外から見えずに使えるため、長時間の外出時にも効果を発揮します。持ち運び用の小型カイロをポケットに入れておけば、急な冷え込みにも対応しやすいでしょう。
就活の筆記試験などで、手がかじかむのを防ぐのにも役立ちます。
【気温別】スーツ寒さ対策
仕事や就活でスーツを着るときは、天気予報を確認し、気温にあわせた寒さ対策を意識しておくと快適に過ごせます。ここでは、気温ごとに取り入れやすい防寒の工夫を紹介します。

15度前後の少し肌寒い日は、薄手のインナーに加えてカーディガンなど軽めのアウターを取り入れると安心です。手先が冷えやすい10度前後では、コートを羽織ると快適に過ごせます。マフラーや手袋をあわせれば、移動中も寒さを防ぎやすいでしょう。
5度前後では、防寒性のあるコートにベストやインナーダウンを組み合わせると効果的です。0度前後の場合は、ここまで紹介した防寒対策に加えて、足元まで含めてしっかり防寒することを意識してみましょう。
スーツの寒さ対策をするときの注意点
スーツの寒さ対策をする際に気をつけたいポイントがあります。
重ね着はシルエットを崩さないようにする
スーツはフォーマルな装いであり、整ったシルエットを保つことが大切です。厚手のニットや大きめのインナーダウンをなかに着込むと、肩まわりや胸元が膨らみ、窮屈に見えてしまうことがあります。
防寒アイテムを着込む際は、薄手でフィット感のあるものを選ぶのがおすすめです。例えば、軽量インナーダウンやハイゲージのカーディガンなら、保温性を確保しつつ外観もすっきり保てます。サイズ感を意識し、スーツを基準にあわせると自然な重ね着ができるでしょう。
屋内外の温度差に対応できるようにする
冬は外気温が低くても、電車内やオフィス、面接会場は暖房が効いているため、厚着をしすぎると汗をかいてしまうことがあります。汗が冷えると逆に体を冷やし、快適さも損なわれてしまいます。
スーツの防寒対策では「脱ぎ着のしやすさ」を意識することが大切です。コートやカーディガンなど、調整しやすいアイテムを取り入れると、温度差がある日もスムーズに対応できます。
雨や雪への備えもしておく
冬の冷えは気温だけでなく、雨や雪による濡れからも強まります。スーツは防水性・速乾性が低いため、濡れた布地に不快さを感じたり、体温を奪われて体調を崩したりするかもしれません。
撥水加工のあるコートや、防水スプレーをかけたシューズを準備しておくと、水が染み込むのを防げます。特に、雪の多い地域や天候が崩れやすいときは、滑り止め付きのシューズが便利です。
雨や雪で靴下が濡れてしまったときに備えて、替えの靴下を持参しておくのもおすすめです。足元を乾いた状態に保つことは、体温維持だけでなく、快適さや清潔感を保つことにもつながります。
室内では防寒具を外す
ビジネスシーンでは、建物に入る前にコートやマフラー、手袋などの防寒具を外しておきましょう。理由は、屋外で付着した汚れを建物内に持ち込まないことや、着脱でホコリが舞わないようにするためといわれています。
面接会場や企業を訪問するときは、建物に入る前にコートを脱いで腕にかけ、マフラーや手袋はポケットやバッグに収納します。着席したらコートを三つ折り程度に小さくたたみ、椅子の横に置いたバッグの上に置きましょう。

コートや防寒具を脱いで、整った身だしなみで挨拶をすると、清潔感や誠実さが伝わりやすくなるでしょう。
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寒暖差に注意!スーツを着ているときの暖房対策
冬は外の寒さに備えて厚着をしがちですが、電車やオフィス、面接会場など室内は暖房が効いていて暑く感じることもあります。暑さで汗をかくと、その後の外出で汗冷えを起こし、体調を崩す原因になりかねません。
そのため、「体温を調整できる着こなし」を意識することが大切です。コートやカーディガン、ベストなどは暑くなったらすぐに脱げるため、体温をコントロールしやすくなります。特に汗をかきやすい人は、インナーよりもアウターでの調整を重視すると快適に過ごせるでしょう。
小物を活用した防寒対策も有効です。マフラーや手袋は着脱がしやすいため、移動時と室内で使い分けられます。
さらに、汗をかいたときにすぐリフレッシュできるよう、替えのハンカチやフェイスシートを携帯しておくのもおすすめです。こうしたアイテムがあると、長時間の説明会や面接でも快適さを保ちやすくなるでしょう。
よくある質問
就活でスーツが寒いとき、どうすればいいですか?
就活では、清潔さを意識しながら寒さ対策を取り入れることが大切です。スーツに合うブラックやネイビー、ブラウンなどのコートを着用し、移動中はマフラーや手袋を活用するとあたたかさを保てます。薄手のインナーや冬用の靴下を取り入れるのもおすすめです。
「スーツが寒いときに有効な9つの防寒対策」でも詳しく解説しています。
スーツが寒いとき、どんな上着・アウターを着ればいいですか?
ビジネスや就活に向いているのは、チェスターコートやステンカラーコートなどシンプルなデザインです。色はブラック・ネイビー・グレー・ベージュがスーツに馴染みやすいです。丈はジャケットより長めを選ぶとバランスよく着こなせるでしょう。
スーツが寒いとき、どんなインナーを着ればいいですか?
薄手で保温性のある機能性インナーがおすすめです。ヒートテックや吸湿発熱素材は体温を保ちやすく、快適に過ごせます。薄手のものを選べば、スーツやシャツのラインを崩さず自然に着こなせるでしょう。
スーツをあたたかく着こなす方法は?
コートやマフラーに加えて、ベストや薄手のインナーダウン、カーディガンを重ねるのがおすすめです。さらに、厚手の靴下やスパッツで下半身をあたためたり、腰や背中にカイロを取り入れたりすると、よりあたたかさを感じられるでしょう。

