スーツやビジネスカジュアルなどでは、ネクタイを着用することがあります。ネクタイの結び方は多数存在しますが、就活などのビジネスシーンで2~3種類になるでしょう。複数のネクタイの結び方を覚えるのもよいですが、まずはベーシックかつビジネスシーンで活用する「プレーンノット」をマスターするのがおすすめです。
この記事では、ネクタイの結び方を図解つきで紹介しています。
この記事でわかること
- ビジネスシーン、フォーマルなシーン、結婚式などで使えるネクタイの結び方
- ネクタイの種類・選び方も覚えておけば、自分に合うネクタイがわかる
- ネクタイの色で、自分が相手に与えたい印象を変えることもできる
監修者からのコメント

就職活動でスーツを着てネクタイ結ぶことになったとき「きちんと結べているかな?」と気になることはありませんか?ビジネスシーンでネクタイをする機会は以前より減ってきましたが、就活や冠婚葬祭など大事な場面で着用の機会があります。ネクタイ姿に自信を持てるよう、結び方を確認していきましょう。
目次[表示]
ネクタイを結ぶ前に
各部位の名称
各部位の名称

ネクタイの結び方をチェックする前に、部位などの名称を知っておくことで、結び方をマスターしやすくなります!

ネクタイの各部の名称
1ノット
ネクタイの結び目
2ディンプル
ネクタイの結び目のくぼみ
3大剣(たいけん)
ネクタイの太い方の先端(剣先)
4小剣(しょうけん)
ネクタイの細い方の先端(剣先)
結び目のくぼみである「ディンプル」を作ることで、ネクタイの光沢が強調され、高級感や華やかさがアップします。

就活などのビジネスシーンではディンプルを作りますが、葬儀では派手な印象を避けるために、ディンプルを作らないように結びます。
初心者も安心!
ネクタイの結び方
ネクタイの結び方
ネクタイの結び方にはたくさんの種類があります。ここでは、初心者でも結びやすく、就活などのビジネスシーンにマッチする結び方を5つ紹介します。
ネクタイの結び方を選ぶときは、シーンや体型、シャツの襟の形などを考慮しながら選んでみましょう。

プレーンノット
簡単で基本的な結び方

プレーンノットは、ネクタイの結び方のなかではスタンダードなもので、簡単に結ぶことができます。手順はシンプルですので、初心者でもすぐにマスターできるでしょう。就活、ビジネスシーン、カジュアルなどさまざまなシーンで利用できる結び方です。
プレーンノットの場合、ネクタイを結ぶ前に、大剣のほうを長くとっておきましょう!

プレーンノットの結び方
大剣が上に、小剣が下になるようクロスさせる

大剣を小剣の周りで一周させる

後ろから前に大剣を通し、上から輪の中に通して下げる


結び目付近に入ったくぼみを三角形に整え、小剣を引きながら結び目を首元へ上げ、形を整える


こんなシーン・人におすすめ
- 就活
- 成人式
- 入学式
- 新社会人
- 高校生
- 葬儀
- ネクタイを結び慣れていない方

監修者からのコメント

基本の結び方をマスターできれば、身だしなみに自信が持てるようになりますね。何度か練習するうちに、ネクタイを最初に首にかける時のベストな位置やきれいに結べるこつが見つかると思います。結び終えたら鏡を見てバランスを確認してみましょう。
セミウィンザーノット
ビジネスシーンに適した
スマートな結び方

セミウィンザーノットは、就活などのビジネスシーンなどで利用できる結び方です。結び目がプレーンノットよりも大きく、ウィンザーノットよりもやや小さいことが特徴です。
セミウィンザーノットの結び方
大剣を小剣の上にクロスさせ、できた輪の下から上へ大剣を通す

大剣を外側から、小剣の前を横切らせる形で反対側へ


大剣を輪の上から下へ引き通す

結び目付近に入ったくぼみを三角形に整え、小剣を引きながら結び目を首元へ上げ、形を整える

こんなシーン・人におすすめ
- 就活
- 社会人
- 成人式
- 入学式

ダブルノット
フォーマルなシーンにおすすめ

ダブルノットは、結び目にやや厚みがあり、しっかりとした印象になることが特徴です。就活だけではなく、入社式のほか、式典や会食といった華やかでフォーマルなシーンにもマッチする結び方です。
ダブルノットの結び方
小剣を短めにとる

大剣を上に小剣を下になるようにクロスさせ、そのまま小剣の周りを一周する

さらに大剣を小剣の周りでもう一周させる


二周した輪の下から上へ大剣を通す

結び目付近に入ったくぼみを三角形に整え、小剣を引きながら結び目を首元へ上げ、形を整える

こんなシーン・人におすすめ
- 社会人
- 成人式
- 入学式

ウィンザーノット
がっちり体型の方におすすめ

ウィンザーノットは、就活をはじめフォーマルなシーンに向いている結び方です。例えば、入学式や卒業式、結婚式、入社式などでよく用いられます。ウィンザーノットは結び目がやや大きくなること、そのほかの結び方と比較して、輪に通す回数が多く華やかになることが特徴です。
結び目が少し大きくなるため、がっちり体型の方にマッチしやすい結び方といえるでしょう。
ウィンザーノットの結び方
小剣を短めにとる

大剣を上に小剣を下になるようにクロスさせ、そのまま小剣の周りを一周する

さらに大剣を小剣の周りでもう一周させる

二周した輪の下から上へ大剣を通す


結び目付近に入ったくぼみを三角形に整え、小剣を引きながら結び目を首元へ上げ、形を整える

結び目付近に入ったくぼみを三角形に整え、小剣を引きながら結び目を首元へ上げ、形を整える

こんなシーン・人におすすめ
- 就活
- 入学式
- 入社式
- 結婚式(参列者)
- がっちり体型の方

スモールノット
小さい結び目が好みの方におすすめ

スモールノットは、その名のとおり結び目が小さいネクタイの結び方です。就活などのビジネスシーン以外にも、カジュアルなシーンの結び方としても活躍します。細身の体型の方や結び目を小さくしたい方にマッチしやすいでしょう。
スモールノットの結び方
大剣の下に小剣をクロスさせる

小剣を180度ねじる

大剣の上から小剣を回し、内側から輪の中に小剣を通す


二周した輪の下から上へ大剣を通す

スモールノットは、大剣ではなく小剣を巻くことがほかの結び方と異なる点です。

こんなシーン・人におすすめ
- 就活
- 入学式
- 細身の体型の方


結婚式、パーティーといったシーンでは、華やかさを意識してネクタイを結ぶことがあります。難易度は少し高い結び方ですが、衣装にマッチする結び方でおしゃれに仕上げてみましょう。
クロスノット
結び目が交差する結び方

クロスノットとは、結び目が交差する(クロス)ネクタイの結び方です。結婚式やパーティーといった、華やかなシーンに活躍します。
- 小剣を長めにとり、大剣の上にクロスさせる
- 小剣を大剣のうらで交差させる
- 小剣を大剣に巻き付ける
- 2・3をもう一度繰り返す
- 小剣を上から首元の輪に通したあと、大剣の後ろに回す
- 小剣を二重の輪に通す
- 小剣を大剣の下にもっていき、形を整える
こんなシーン・人におすすめ
- 結婚式
- 結婚式の二次会
- パーティーなど

トリニティノット
ビジネスシーンに適したスマートな結び方
トリニティノットとは、結び目が3つ重なった結び方です。3つ重なるため結び目が大きく華やかになり、結婚式、パーティーなどに活躍する結び方です。シンプルな柄または無地を選ぶことで、デザインのバランスがよく見えます。
- 小剣を長めにとり、大剣の上にクロスさせる
- 大剣をおさえながら小剣を1周させ、下から首元に通す
- 小剣をもう1周させて、上から下へ首元に通す
- 大剣の上を通って、下から上へ首元に通す
- 4でできた輪に小剣を通す
- 小剣を1周させて、できた輪に小剣を指す
- 小剣を大剣のうらに隠し、形を整える
こんなシーン・人におすすめ
- 結婚式
- 結婚式の二次会
- パーティーなど

ブラインドフォールドノット
結び目が見えない結び方

ブラインドフォールドノットは、結び目が見えないネクタイの結び方です。見た目としては少し変わっていますが、プレーンノットをベースとした比較的難易度が低い結び方といえるでしょう。襟が大きめのシャツにマッチしやすいことが特徴です。
- プレーンノットを作る
- 大剣と小剣を重ねて、首元の輪に通して結び目を隠す
- 長さ、形を整える
こんなシーン・人におすすめ
- 結婚式
- 結婚式の二次会
- パーティーなど

ノンノット
結び目に2本ラインが入る結び方
ノンノットとは、プレーンノットの結び目に2本ラインが入る結び方です。ラインが2本入ることで、華やかな印象になります。結び目を強調するためには、シンプルな柄のネクタイを使うのがおすすめです。
- 小剣を長めにとり、大剣の上にクロスさせる
- 小剣を輪の内側から大剣の上に出し、大剣の裏に通す
- 小剣を大剣のおもてに通す
- 2・3をもう一度行い、小剣を大剣に2回巻き付ける
- 小剣を首元の輪に通す
- 小剣を結び目に通し、小剣を大剣のうらに隠して形を整えて完成
こんなシーン・人におすすめ
- 結婚式の二次会
- パーティーなど

ネクタイの種類・選び方
ネクタイの結び方のほかにも、ネクタイにはどんな種類があり、どれを選べばよいのかも確認しておきましょう。
ネクタイの幅
大剣の幅によって、ネクタイの名称が異なることがあります。

幅でネクタイを選択する場合自分の体型にマッチする商品を選ぶのもおすすめです。
平均的な体型の方 | 7cm~9cm |
細身の体型の方 | 6cm~7cm |
大柄な体型の方 | 9cm |
ネクタイの長さ
ネクタイの長さは、大剣がベルトのバックルにかかっているくらいの長さに調整しましょう。
ちょうどよい長さに調節することで、スタイリッシュな印象になるでしょう。

ネクタイの色
幅でネクタイを選択する場合自分の体型にマッチする商品を選ぶのもおすすめです。
ネクタイの色 | 色によるイメージ |
ネイビー | 信頼感 / 誠実さ / 堅実性 |
ブルー | 知性 / 清潔感 |
レッド / エンジ / ボルドー | 積極性 / 情熱 / 自信 |
グレー | 冷静さ / 知性 / 落ち着き |
イエロー | 信頼感 / 誠実さ / 堅実性 |
ネクタイの結び方に関するよくある質問
Q |
葬式・葬儀のときのネクタイの結び方はどうすればいいですか? |
A |
葬儀の際は、プレーンノットやウィンザーノットといった結び方がおすすめです。 結び方の注意点は、ディンプル(くぼみ)は作らずに結ぶことです。くぼみはネクタイに立体感が出て華やかな印象になるため、葬儀の場ではふさわしくないといわれています。なお、葬儀で使うネクタイは弔事用のブラックのネクタイを着用するのが一般的です。 |
Q |
成人式のネクタイは何を選び、どんな結び方をすればいいですか? |
A |
ビジネスカジュアルの場合、ネクタイの着用はどちらでも問題ありません。ネクタイを着用することで、ビジネスカジュアルでもややフォーマルなスタイルになります。ネクタイの結び方は、プレーンノットやセミウィンザーノットがおすすめです。なお、クールビズの期間で、企業がクールビズを実施している場合は、ビジネスカジュアル、スーツどちらの場合でも、ネクタイなしでもよい場合があります。 |
Q |
ビジネスカジュアルにネクタイは必要ですか? |
A |
ビジネスカジュアルの場合、ネクタイの着用はどちらでも問題ありません。ネクタイを着用することで、ビジネスカジュアルでもややフォーマルなスタイルになります。ネクタイの結び方は、プレーンノットやセミウィンザーノットがおすすめです。なお、クールビズの期間で、企業がクールビズを実施している場合は、ビジネスカジュアル、スーツどちらの場合でも、ネクタイなしでもよい場合があります。 |
監修者情報

監修者:遠藤美穂子さん
新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。
資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士