内定式は10月1日頃に実施されることが多い傾向です。これは経団連(日本経済団体連合会)の指針で「正式な内定日を、卒業・終了年度の10月1日以降とする」となっているためです。
企業によっては、新卒の学生を採用しても内定式を実施しない場合があります。実施しない理由は企業によってさまざまですが、学生にとっては不安を抱える要素のひとつになるかもしれません。
不安な方は、内定式を実施しない理由として考えられることや、その対処法について確認しておきましょう。
この記事でわかること
内定式がない企業の割合
株式会社マイナビが2024年に行った調査「2025年卒大学生活動実態調査(8月)」では、2024年8月末時点で、入社予定先企業から「内定式は実施しないと連絡がきた」と回答した学生は2.1%となっています。
この結果から、約2%と少ないものの内定式がない企業はあるとわかります。
調査期間:2024年8月25日~8月31日
調査対象:マイナビ2025会員のうち2025年3月卒業の全国の大学生、大学院生
有効回答数:2,141名
内定式がないからといって信頼性がないとはいえない
内定式がないと不安になるかもしれませんが、内定式がない企業だからといって信頼性もないとはいえません。企業により理由は異なるため、内定式がないからというだけで不安になる必要はありません。

「内定式をしなければならない」といった決まりはないため、企業によって有無が異なるんです。
内定式の目的
内定式を実施する目的には、次のようなものがあります。
- 入社承諾書などの書類を提出するため
- 入社意志を強めるため
- 内定者をフォローするため など
内定式は、企業が学生に対して正式な内定を通知する式典です。そのため「入社承諾書」を提出することで正式に労働契約が成立します。
企業が内定式を行わない理由
企業が内定式を行わない理由には、次のようなことが考えられます。
コスト削減のため
内定式には、飲食代や遠方からの参加者のための交通費、会場費、人件費がかかる場合があります。
そのため、内定式に参加する学生の数が多いほどコストは大きくなります。コストを削減するために内定式を行わないこともあるでしょう。
入社式を行うため
内定式は学生に内定を正式に通知をする式典で、入社式は企業の一員になることを祝う式典です。
2つの式典を開催するコストを抑えるためや、参加する学生の負担を減らすために、内定式を兼ねて入社式のみを実施することがあると考えられます。
中途採用・通年採用がメインであるため
内定式を実施するのは、新卒の学生を採用する企業に多いでしょう。
新卒で大人数を採用する企業では内定式が実施されることが多いですが、新卒採用以外の中途採用、通年採用をメインとする企業では、まとまった人数の入社がないため、内定式を行わない可能性があります。
内定式がなくても、入社後の研修やOJTが充実していたり、入社後のコミュニケーションが活発だったりと、入社までのフォローが十分な場合もあるでしょう。
新たな働き方を目指しているため
リモートワークやフルフレックスなど、柔軟性を重視した新たな働き方を推進する企業の場合、形式的なイベントの優先度があまり高くないことがあります。
この場合、オンラインで内定者懇親会を行うなど、内定式は実施されないものの、異なるかたちでコミュニケーションをとったり、内定後のフォローをしてくれたりするかもしれません。
内定式がない企業の特徴は?
中小企業や公務員は、内定式を行わない傾向があります。中小企業の場合、企業の慣習として、内定式をこれまで行ってこなかったケースもあるでしょう。
また公務員の場合は、内定式の有無は自治体や機関によって異なります。

式典はなくても、内定者説明会や交流会、フォローなどを行うこともありますよ!
オンラインで内定式を行う企業もある
株式会社マイナビが2023年に行った調査「マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査」によると、9割近い企業が、「内定者全員を同じ会場に集めて内定式を実施する(した)」と回答しています。
一方で、「遠方の学生はWeb参加、近隣の学生のみ会場に集めて実施する(実施した)」企業は1.0%、「Webのみで実施する(した)」企業は3.4%、「対面とWebの両方を用意し、学生が選べるようにして実施する(した)」企業は1.0%となっており、約5%の企業が、オンラインでの参加を視野に入れています。
内定を獲得した企業と自宅の距離が離れていると、参加が難しい方もいるはずです。そのため、オンライン内定式のほうが、利便性が高いといえるでしょう。
調査期間:2023年9月6日~2023年10月5日
回答数:2,381社
内定式がないと不安に感じる理由と対処法
内定式がないとなぜ不安に感じるのでしょうか。不安に感じている理由別の対処法も見ていきましょう。
入社前の仲間作りができない
内定式は、その企業の内定者同士が初めて集まる機会です。内定式のあとに懇親会などを行う企業もあり、その場で同期の仲間ができる可能性があります。
内定式がないことで、仲間との関係性の構築ができなかったり、情報交換ができなかったりするかもしれません。これにより、「これから一緒に頑張る」という意識がないまま入社するのは不安と思う人もいるでしょう。
内定式以外で入社前に仲間作りをする手段としては、内定者フォローなど今後のイベントで交流を深める、通話アプリのグループ機能やSNSでつながるといった方法があります。
社内の雰囲気がわからない
内定式には社長や役員、さまざまな社員が参加します。
また、数カ月後に一緒に働く仲間がどんな雰囲気の人たちかも知ることができます。同期や社員と直接触れ合い、職場の空気感を知ることで、入社への不安が解消され、安心感を覚える人も多いでしょう。
しかし、内定式がないと一緒に働く仲間がどんな人か、社長などの役員はどんな人かが入社式までわからないままになるかもしれません。
対処法としては、今後イベントがある場合にはぜひ参加してみましょう。入社式までに来社したり、交流したりする機会がない場合は、企業のSNSなどを確認し、情報収集を継続しておくことがおすすめです。
「内定式に時間・費用をかけない企業」という不安がある
内定式を行わない理由が「コストカット」という企業もあるでしょう。
学生としては内定式を楽しみにしており、実施することが前提だと思っているかもしれません。期待があるなかで、コストカットのために内定式を行わないと聞くと、「内定者に対してコストをカットしているのではないか」「入社が歓迎されていないのか」と不安に思うケースもあるでしょう。
コストカットのために内定式を実施しないことは事実かも知れませんが、内定式以外の方法で内定者をフォローする、内定者同士が交流するイベントを設ける、福利厚生の面で充実させて社員の満足度を向上させるという可能性もあります。そのため、内定式がないことを過度に不安に感じる必要はありません。
内定式を行わない意図がわからない
友人が内定を獲得した企業では内定式を行っているのに、自分が内定を獲得した企業ではなぜか内定式が実施されないのでは不安に感じる人もいるはずです。
内定式が実施されない理由は、企業から学生へ伝えられることはなく、意図がわからないままになることもあるでしょう。
「企業が内定式を行わない理由」で解説したとおり、内定式がない理由は企業によりさまざまです。あまり深く考えず、入社に向けてできる準備をして気持ちを切り替えることがおすすめです。
内定式がなくても入社までにできることを整理しよう
内定式を実施する企業が多いものの、さまざまな理由で実施しない企業もあります。
内定式はなくても、説明会や懇親会などのイベントがあったり企業がフォローしてくれたりする可能性はあります。もし今後イベントが開催される場合は、予定を考慮しつつ積極的に参加してみましょう。
また、入社までに不安なことがあるときは、企業の採用担当者にメールや電話などで確認することも可能です。内定式がない場合でも、入社までにスキルを高めるなど、今できる準備をしておくことがおすすめです。
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内定者懇親会の内容や参加するメリットは?気をつけたい服装やマナーも解説
内定者懇親会は、内定者同士や企業の社員と交流できるイベントです。この記事では、内定者懇親会の目的や内容、参加するメリットや服装などを詳しく解説します。内定者懇親会を有意義にするためにやっておきたい準備も解説するので、ぜひ参考にしてください。
よくある質問
企業が内定式を行わない理由はなんですか?
内定式を行わない理由には、おもに次のようなことが考えられます。
・コスト削減のため
・入社式を行うため
・中途採用・通年採用がメインであるため
・新たな働き方を目指しているため
ただし、企業側が内定式を実施しない理由は伝えられないことが多く、実際の理由は企業によって異なるでしょう。詳しくは「企業が内定式を行わない理由」で紹介しています。
内定式がないと不安です。どうすればいいですか?
不安や疑問があるときは、採用担当者にメールや電話で聞いてみましょう。
また、入社に向けた準備を進めることで、不安がやわらぐ可能性もあります。内定を獲得した企業のプレスリリースや公式SNSアカウントを見るなどして、情報を収集するのもよいかもしれません。そのほかにも、スキルアップのために勉強をすることもおすすめです。
内定式がなくても、今後懇親会や説明会などイベントが実施される場合はあります。その際はぜひ参加してみましょう。
公務員は内定式がないというのは本当ですか?
公務員の場合、内定式が実施されるかは自治体や機関によって異なります。