業界・企業研究

カジュアルエブリデーとはどんな制度?学生のための服装ガイド・コーデ例【就活】

カジュアルエブリデー_アイキャッチ

企業の採用サイトや説明会案内で見かける「カジュアルエブリデー」という言葉。服装に自由があるとされていても、就活中となると何を着ればいいのか迷ってしまう学生も多いでしょう。

本記事では、カジュアルエブリデーがどんな制度なのか、企業が導入する理由や背景をわかりやすく解説。カジュアルエブリデーに対応したコーディネート例も紹介します。

「自由=何でもOK」ではないからこそ、服装選びのコツを押さえて準備をしていきましょう。

この記事でわかること

  • カジュアルエブリデーとは、毎日の勤務時に私服で出社できる制度
  • 英カジュアルエブリデーに対応した服装例
  • カジュアルエブリデーでもラフすぎる服装は避けることが重要

監修者からのコメント

監修者
遠藤 美穂子さん

企業研究をしていて「カジュアルエブリデー」という言葉を目にしたことはありませんか?毎日カジュアルな服装でいい、という企業を訪問するときに、自分はどんな服を着ていったらよいのか迷う人もいるでしょう。失礼がなく、場の雰囲気にもあう服装とはどのようなものか、この記事で見ていきましょう。

カジュアルエブリデーとは:自分らしさを大切にする私服勤務制度

カジュアルエブリデーとは、毎日の勤務時に私服(カジュアルな服装)で出社できる制度です。

これまで主流だったスーツやネクタイといった誰もが同じような服装から、より自由で働きやすいスタイルへと移行する企業が増えてきています。服装規定を見直し、自分らしくリラックスして働ける環境を整えることで、社員の快適さや生産性の向上を図るのが狙いです。

この考え方は、もともと米国の「カジュアルフライデー(フライデーカジュアル)」が起源とされ、金曜日だけ私服を認める文化からスタートしました。それが時代とともに発展し、今では「カジュアルエブリデー」として、毎日私服を着用するスタイルを取り入れる企業が増えつつあります。

とはいえ「なんでも自由」というわけではなく、企業によってある程度の服装規程を設けられていることがあるのも特徴です。自由と節度のバランスをとりながら、社員一人ひとりが快適かつ生産的に働けるように工夫されています。

企業がカジュアルエブリデーを導入する理由

企業がこの制度を取り入れる背景はさまざまですが、一般的な理由は次のとおりです。

  • 個性の尊重と働きやすさの両立
  • 社員の満足度向上とコミュニケーション活性化
  • 環境負荷の低減(空調などのエネルギー節約の視点)

共通しているのは「働きやすい環境づくり」を重視している点。スーツやネクタイに縛られず、自分に合った服装で過ごせることで、社員がリラックスしやすくなり、集中力や業務効率の向上が期待されています。また、服装の自由度が高くなると、会話のきっかけが生まれたり、職場の雰囲気がやわらかくなったりと、社内コミュニケーションが活性化する効果も見込まれています。

また、環境への配慮を目的にしている企業もあります。スーツ勤務は、季節によっては空調をたくさん使用することになり、エネルギー消費が増える要因になります。私服勤務を許可することで、温度調整しやすくなり、結果的にエネルギー使用量の削減にもつながるという考えです。

カジュアルエブリデーとビジネスカジュアルの違い

カジュアルエブリデーとビジネスカジュアルは、どちらもスーツよりカジュアルな服装という点で同じと捉えられがちですが、内容は異なります。

ビジネスカジュアルは、ビジネスの場にふさわしい、スーツより少しカジュアルな「服装」を指します。例えば、ポロシャツにチノパンをあわせたり、シャツにフルレングスパンツをあわせたりと、清潔感を保ちつつも堅苦しすぎない点が特徴です。

▼ビジネスカジュアルの服装例

メンズスタイルのビジネスカジュアル
レディーススタイルのビジネスカジュアル

一方、カジュアルエブリデーは企業が社員に対して毎日私服での出社を認めている「制度」のことです。ビジネスカジュアルでは一般的に避けられるTシャツやジーンズなども受け入れている企業もあり、服装の自由度が高い勤務方針といえます。

なお、カジュアルエブリデーを採用している企業でも「ビジネスカジュアル程度の服装を推奨する」としている場合もあります。自由度が高いからこそ、企業ごとの考え方や期待されるTPOを事前に確認しておくことが大切です。

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メンズスタイルのビジネスカジュアルでは、服の色やデザインのほか、着こなし、清潔感、サイズ感なども重要です。服装選びのポイントを把握することで、企業の雰囲気にあわせたコーディネートや、季節ごとに何を着ればよいのかも把握しやすくなります。

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レディーススタイルのビジネスカジュアルでは、色・デザインだけではなく、着こなし方や清潔感、適度なサイズ感といったことも意識してみましょう。季節、企業の雰囲気にあわせたコーディネートを考えられるようになれば、自信をもって就活に臨めます。

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監修

カジュアルエブリデーは、スーツ以外の服装も働く際の選択肢とする、自由度が高い制度です。企業の風土や取引先との関係、TPOを考慮しつつ、その日の予定に合わせた服装を選ぶことが求められます。お互いが楽しく気持ちよく働けるような装いを考えていきましょう。

カジュアルエブリデーを取り入れている業界

カジュアルエブリデーは、次のようなさまざまな業界で導入が進んでいます。

  • IT業界
  • スタートアップ
  • 外資系企業
  • 金融業界
  • コンサルティング・監査業界
  •  食品・製造業 など

近年では、コンサルティングや金融といった、信用や信頼を特に重視する業界でも「多様性を尊重したい」「柔軟な働き方を推進したい」という企業文化が見られるようになってきています。服装の自由化は、単に働きやすさだけでなく、「社員一人ひとりが自分らしく働ける職場環境をどう作るか」という企業の姿勢にもつながっています。

人事

就活の際には、制度の背景や企業の考え方にも注目してみると、企業選びの参考になるでしょう。

完全に私服でOK?カジュアルエブリデーの服装で注意したいポイント

カジュアルエブリデーを導入している企業では私服が許可されているものの、学生がその企業を訪問する際においては、どんな服装でもいいとは限りません。例えば、説明会やオフィス見学、社員との面談といった場では、服装が第一印象に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。特に気をつけたいのは、次のような過度にラフな服装です。

ビジネスシーンで避けたい、過度にラフな服装

  • 派手な柄や色の服装
  • 露出の多い服装
  • サンダル

カジュアルエブリデーを実施している企業でも、過度にラフな服装は服装規程に合わないとする場合もあるので、ビジネスシーンでは控えるほうが安心です。

人事

カジュアルエブリデーでも、TPO(時・場所・場合)を意識した装いが求められる点を理解しておきましょう。

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インターンで着る私服は「ビジネスカジュアル」がおすすめです。ビジネスカジュアルとは、ビジネスの場にふさわしい、スーツより少しカジュアルな服装を指します。私服といっても普段着やラフなスタイルではない企業もあります。色やデザインに注目して選びましょう。

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カジュアルエブリデーに対応した服装例

ここでは、清潔感ときちんと感を意識した、カジュアルエブリデーの服装例を紹介します。

▼服装例

メンズスタイルのカジュアルエブリデー

メンズスタイルで代表的なのは、シンプルな無地のTシャツにスラックスをあわせ、足元はホワイトやブラックなどのシンプルなスニーカーや革靴とするコーディネートです。色味を抑えたTシャツと細身のパンツを選べば、カジュアルでありながら清潔感を保つことができます。きちんと感を出したいときは、シャツにチノパン、ローファーを合わせるスタイルもおすすめです。

レディーススタイルのカジュアルエブリデー

レディーススタイルの場合は、シンプルなパンツやスカートにブラウスやTシャツをあわせるスタイルがよく見受けられます。フラットシューズやローファー、パンプスなどをあわせれば、動きやすさと上品さを両立できます。カーディガンやジャケットを加えれば、フォーマル度がアップしたスタイルになります。

人事

服装の自由度がある分、自分で判断する力も求められますが、清潔感のある私服を意識することが重要です。

実際の働く社員の服装チェック方法

カジュアルエブリデーを導入している企業でも、どこまで私服が許容されているかは企業によって異なります。TシャツやスニーカーがOKな場合もあれば、一定のきちんと感を求める企業もあります。次の方法で実際に働く社員の服装をチェックしてみましょう。

企業の公式サイトやブログを確認する

採用ページや社内ブログには、オフィス内で働く社員の写真や「私服スナップ」などが掲載されていることがあります。どの程度の服装が受け入れられているか、実例からイメージしやすくなります。

説明会やインターンでの観察

説明会やインターンにて実際に社員と対面する場面があれば、そのときの服装を見てみましょう。ジャケットを着ているか、Tシャツやデニムといったラフな服装をしている方はいるかなど、リアルな勤務時のスタイルを知るチャンスです。

事前に企業に確認してみる

迷いがある場合は、採用担当者にメールで服装について尋ねてみるのもひとつの手です。「〇〇のような服装で参加してもよろしいでしょうか?」と具体的に聞くと、的確なアドバイスがもらえる可能性があります。

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企業訪問・説明会で迷ったら?服装の選び方

カジュアルエブリデーの企業を訪問する際、「私服でいいと書いてあるけど、どれくらいカジュアルでいいんだろう」と悩む学生も多いでしょう。ここでは、迷ったときに参考にしたい服装の基準や選び方をご紹介します。

初回訪問時はフォーマル寄りの服装を意識する

初めて企業を訪問する場面では、その企業の文化や雰囲気がまだわからないことも多いです。そんなときは、シンプルできれいめの私服を基準にした服装を選ぶと安心です。シワや汚れがないかも確認してみましょう。

具体的には、次のようなスタイルがおすすめです。

  • シャツ+スラックス+スニーカー
  • ポロシャツ+チノパンまたはクロップドパンツ+スニーカー
  • ブラウス+膝下丈のスカート+フラットシューズ
人事

スーツほどかっちりしていなくても、「きちんと感」と「清潔感」が伝わる服装を意識するのがポイントです。

それでも迷ったら事前に問い合わせよう

服装について不安がある場合は、企業に確認をとってみるのもひとつの方法です。採用担当者にメールで問い合わせれば、対応してくれるでしょう。

メールを送るタイミングは、説明会や訪問予定の1週間〜3日前が目安。担当者が忙しく、すぐに返信ができない可能性もあるため、余裕をもって連絡するのがおすすめです。

メール例文

件名:【質問】○月○日説明会の服装について

○○株式会社
採用ご担当者様

お世話になっております。
◯◯大学 ✕✕学部 △△学科の青山と申します。

○月○日に参加予定の説明会の服装に関して、一点確認させていただきたくご連絡いたしました。
当日は「服装自由」とのご案内をいただいておりますが、ジャケットなしで参加しても問題ないでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

-----------------------
青山 葵(あおやま あおい)
◯◯大学 ✕✕学部 △△学科 3年
メールアドレス:aoyama_aoi@xxxx.com
電話番号:000-0000-0000
-----------------------

よくある質問

カジュアルエブリデーとは何ですか?

カジュアルエブリデーとは、社員が毎日私服で出社できる制度のことです。この制度を導入する企業では、スーツやネクタイを着用する必要はなく、自由な私服での通勤が可能です。働きやすさや個性の尊重を目的に導入しています。

詳しくは「カジュアルエブリデーとは:自分らしさを大切にする私服勤務制度」をチェックしてみてください。

カジュアルエブリデーの企業では、学生も説明会やインターンで「軽装」で大丈夫ですか?

企業によって方針は異なりますが、学生にも「スーツでなくてOK」「軽装で参加してほしい」と案内している企業もあります。どんな服装がよいか迷う場合は、清潔感のあるきれいめのアイテムを選ぶと幅広いシーンに馴染みやすいのでおすすめです。

カジュアルエブリデーではTシャツやデニム、スニーカーはOKですか?

Tシャツやデニム、スニーカーでも問題ないとしている企業もありますが、どんなカジュアルアイテムでもよいとはかぎりません。例えばTシャツやジーンズ、スニーカーが許容されていても、「ダメージ加工のジーンズ」「派手な柄」「露出の多い服装」などは控えるほうが無難です。企業によって服装規程に違いがあるため、訪問前に確認してみましょう。

カジュアルエブリデーとノーネクタイ制度は何が違いますか?

ノーネクタイ制度は、スーツを着ることは前提とし、そのうえでネクタイの着用は任意とする制度です。
カジュアルエブリデーは、スーツそのものを必須とせず、毎日私服で勤務できる制度です。より自由度が高く、社員の働きやすさや多様性の尊重を目的としています。

 

 

監修者情報

監修者

監修者:遠藤 美穂子さん

新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。
現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。

資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

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