筆記試験対策

適性検査GABとは?テスト内容と対策方法・高得点を狙うポイントを解説

GABテスト_アイキャッチ

就活の選考過程において、適性検査を行う企業は一定数存在します。適性検査のひとつに「GAB(ギャブ)」があり、文章問題や数学問題の「知的能力」と、自身の職務上の行動特性を予測するパーソナリティのテストが実施されます。

過去に習ったような出題が行われますが、論理的な思考が必要だったり、限られた時間のなかで問題を解く必要があったりするため、ある程度の対策が必要です。

この記事でわかること

  • GABの知的能力テストでは、言語理解、計数理解といった問題が出題される
  • パーソナリティのテストでは、働くうえで自分がどんなことに特性があるかを把握する
  • 苦手な分野は、解法を把握したあと、練習問題をひたすら解いていくことで理解が進む

適性検査「GAB」とは

GAB(ギャブ)とは、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。正式名称は「Graduate Aptitude Battery(総合適性診断テスト)」で、これらの頭文字をとった呼称をGABといいます。

GABでは、「知的能力」と「パーソナリティ」、2つの側面から総合的な適性を測定します。

GABは新卒応募者の選考だけではなく、中途採用などでも活用される適性検査であり、さまざまな企業が取り入れています。

GABのテスト科目

GABのテスト科目は「知的能力」と「パーソナリティ」の2種類です。

■知的能力

言語理解テスト文章を読んでロジックをどこまで
正しく理解するかを測定
計数理解テスト図表の理解、四則演算・百分率計算を正確に早く行う
効率的な作業手順を案出する能力を測定
英語英文を読み、英語の設問で回答する
英文の理解力の早さ、正確さを測定
※テストセンター形式でのみ実施

パーソナリティのテストでは、「4つの行動に関する記述から、自分に最も近いものと遠いものをひとつずつ選ぶ」という内容で、結果から職務上の行動特性を予測します。

パーソナリティのテストは知的能力テストと異なり、正解がないことが特徴です。自分の特性を測るものであるため、素直に回答していくことがポイントです。

GABとそのほかの適性検査の違い

GAB以外にも、企業の採用活動で実施される適性テストはいくつか存在します。ここではGABと、代表的な適性検査の特徴と違いを見ていきましょう。

玉手箱との違い

玉手箱は、GABと同じ日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。GAB同様に、知的能力とパーソナリティの2つの側面から総合的な適性を測定するテストとなっています。

玉手箱とGABの異なる点は、知的能力のテスト内容です。玉手箱は、言語・計数・英語のテストが各約10分という短時間で、基礎的な能力を測定できることが特徴です。ほかにも、玉手箱の受検形式はWebのみとなっている点も異なります。

GABと比較すると、玉手箱の難易度は迅速さと正確さが求められるテストであり、やや易しいといわれることもあります。なお、パーソナリティのテストの実施方法について大きな違いはがないようです。

CABとの違い

CABは、デジタル人材のポテンシャルを測定するものであり、GABや玉手箱同様、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。

デジタル人材とは

デジタル技術を活用して、業務の効率化や新たな価値づくりを担う人のこと

CABのテストの内容は、四則逆算、法則性、命令表、暗算、パーソナリティで、言語理解に関するテストはなく、IT系向けのテストとなっています。

SPIとの違い

SPI(エスピーアイ)は、言語分野と非言語分野の2種類からなる「能力検査」と「性格検査」の2種類からなる適性検査であり、リクルートマネジメントソリューションズが開発しています。

「言語問題」は語彙と文章読解、「非言語問題」は計算と推論といったように、大きく分類すればCABと同じようなジャンルの出題といえるでしょう。

ただしSPIは基礎レベルの言語、非言語分野が理解できていれば解けるものが多い一方で、GABはより高い論理的思考が必要になるといった点に違いがあります。

適性検査では、コミュニケーション能力や思考力、知識・技能の修得などの能力を測定します。

GABの受検形式

GABには、次の3種類の受検形式があります。

■オンライン形式(Web-GAB)

受検形式パソコン
受検場所自宅など
受検時間80分

■テストセンター形式(C-GAB)

受検形式パソコン
受検場所全国のテストセンター
受検時間45分(能力検査のみ)
※15分間の性格検査は事前受検

■ペーパーテスト形式(GAB)

受検形式紙(マークシート)
受検場所志望企業
受検時間90分

※上記は参考情報であり、実際と異なる場合があります

どの受検形式になるかは、志望する企業によって異なります。

GABの例題

GABでは、次のようなテストが出題されます。

■言語理解の問題例

例文

「多くの企業では、夏休みに学生を雇うことにメリットがあると考えています。常勤のスタッフの多くは、この時期に休暇を取ることを希望します。また、夏季が繁忙期に当たり、追加のスタッフを必要とする企業は少なくありません。夏休みの雇用を通じて学生を引きつけることによって、卒業時に十分な資格を得た新入社員として企業に戻ってくることが期待できます。学生が企業についてより多くのことを学べるようにすることで、常勤で働くことに関心を持たせることができます。企業は、通常の有給休暇または病気休暇の権利を与える必要なしに、固定給を学生に支払います。」

  • A-真(この文は、提示された情報または意見から論理的に導かれる)
  • B-偽(この文は、提示された情報または意見に対して論理的に誤りがある)
  • C-どちらとも言えない((追加情報なしにこの文の真偽を決定できない)

■質問1. 休暇中の常勤スタッフは、その仕事を学生に行わせることができる。
A-真
B-偽
C-どちらとも言えない

※正答は「A」です

■質問2. Students in summer employment are given the same paid holiday benefit as permanent staff.
A-真
B-偽
C-どちらとも言えない

※正答は「B」です

■質問3. 学生は、企業の標準的な懲戒および苦情申し立て手続きに従う。
A-真
B-偽
C-どちらとも言えない

※正答は「C」です

■質問4. 一部の企業では、学生が夏休みのアルバイトを求める時期にちょうど仕事が増える。
A-真
B-偽
C-どちらとも言えない

※正答は「A」です

※上記は参考情報であり、実際と異なる場合があります。

■計数理解の問題例

■新聞の読者数

日刊紙 読者数(百万人) 年度3における
各紙の成人購読者の比率
  年度1 年度2 男性 女性
The Daily Chronicle 3.6 2.9 7 6
Daily News 13.8 9.3 24 18
The Tribune 1.1 1.4 4 3
The Herald 8.5 12.7 30 23
Daily Echo 4.8 4.9 10 12

■質問1. 年度3において女性読者の比率が男性読者よりも高い新聞はどれですか。
A:The Tribune
B:The Herald
C:Daily News
D:Daily Echo
E:The Daily Chronicle

※正答は「D」です

■質問2. 年度1における デイリークロニクル、デイリーエコー および トリビューンの読者数の合計は次のどれですか。
A:10.6
B:8.4
C:9.5
D:12.2
E:7.8

※正答は「C」です

※上記は参考情報であり、実際と異なる場合があります。

GABの対策法

GABにはさまざまな対策方法があります。少しずつでも時間を確保して、対策できるようにしてみましょう。

対策本で勉強と練習問題を繰り返す

GAB対策に関する本、電子書籍は多数発売されています。対策本には、図やイラストを用いてわかりやすく説明してくれているものが多く、「文章問題や数学が苦手」という方にもおすすめです。

問題を解くコツのほか、練習問題も掲載されている本があるので、苦手な部分を理解したうえで練習問題を解くという流れができます。本をひと通り読み、自分の得意不得意を見つけ、練習を繰り返すという対策がおすすめです。

本の場合、空き時間、移動時間などさまざまなシーンで読めることがメリットです。

人事

本を購入する際は、できるだけ発売日が新しい本を選びましょう。

動画で勉強する

YouTubeでは、さまざまなチャンネルがGAB対策の動画を公開しています。問題の解き方のコツを解説している動画もあるため、自分の苦手な部分を対策する手段としておすすめです。

YouTubeの場合、無料で閲覧できることもメリットです。

アプリやWebサイトの練習問題・模擬テストを行う

スマートフォンのアプリや、Webサイトの練習問題や模擬テストを行い、問題を解いていくのに慣れるという練習法もあります。

ある程度問題の解き方を理解したら、練習問題や模擬テストで問題を解くことに慣れていきましょう

GABの場合、玉手箱と似た問題が出るといわれているので、GABだけではなく、玉手箱の練習問題や模擬テストもチェックしてみてください。

GABで高得点を狙うポイント

適性検査は選考の一種であるため、少しでも高得点を狙いたい方は多いはずです。GABで高得点を狙うためには、次のポイントを把握しておきましょう。

1問にかける時間を決めておく

人事

1問にかける時間を決めておくのは、テスト全般に関するポイントです!

GABの所要時間合計が80~90分と決まっています。1問に時間をかけすぎると、後半の問題が解けなくなる可能性があるでしょう。

実際には言語理解◯分、計数理解◯分というように決まっているため、1問あたりにかけられる時間をより意識する必要があります。そのため、1問あたり何秒程度で解かなければならないのかを把握したうえで、練習問題を解いてみましょう。

言語理解:先に設問を確認して文章を読む

言語理解の出題では、文章のあとに設問があります。

上から文章、設問と読むよりも、設問を読んだうえで文章を読む方法を試してみましょう。「文章に対して、どんな設問に回答しなければならないか」を頭に入れたうえで文章を読めば、文章に対する理解が早くなりやすいでしょう。

人事

練習問題で試してみて、自分にあう方法で問題を解いてみてくださいね。

係数理解:数式を覚える

数式、解法を覚えておけば、問題を見たときに「どの方法で問題を解いていけばいいか」が浮かびやすくなります。

数学が苦手な場合、対策本などを読み数式を頭に入れたうえで、練習問題を繰り返すことで、問題ごとの解法が浮かびやすくなるはずです。

パーソナリティテスト:率直に答える

パーソナリティのテストは、言語理解や計数理解のように正解がありません。

自分の人柄について問われるため、「どう回答すれば印象がいいか」といったことは考えず、自分に該当する・しないと思ったものを率直に答えることが大切です。

「この企業にあう回答はどれか」などを考えて本来の自分とは異なるものを選ぼうとすると、回答に統一性が出なくなる可能性があるため、おすすめできません。

よくある質問

GABテストとはどんなものですか?

GAB(ギャブ)とは、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。「知的能力」と「パーソナリティ」の2つの側面から総合的な適性を測定します。

GABの例題は「GABの例題」で紹介しています。

GABテストと玉手箱、SPIの違いを教えてください

GABと玉手箱は、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供する適性検査です。

どちらも知的能力とパーソナリティのテストで、問題内容は似ていますが、玉手箱のほうがテスト時間は短く、難易度は玉手箱がやや易しいといった特徴があります。

SPIは、リクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査で、基礎的な言語問題、非言語問題から出題されます。

SPIと比較すると、GABのほうがより高い論理的思考力が必要になるといわれています。

GABテストの対策方法を教えてください

GABテストの対策法としては、次のようなものがあります。

・対策本で勉強と練習問題を繰り返す
・動画で勉強する
・アプリやWebサイトの練習問題・模擬テストを行う

各対策の詳細は「GABの対策法」で紹介しています。

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