オーダースーツはボタンの種類や選び方を知れば素敵に着こなせる!留め方のマナーも解説

この記事の所要時間:約7分

「オーダースーツを仕立てるのに、ボタンにこだわる必要はあるの?」

そのような疑問を抱えている方がいるかもしれませんが、ボタンはスーツの印象を左右する重要な要素です。

本記事では、スーツで選べるボタンの種類や、スーツの色や柄別のおすすめボタン、ボタンの選び方を解説します。ボタンのマナーにも触れますので、しっかり理解して、よりカッコよくスーツを着こなしましょう。

1. スーツで選びたいボタンの種類5選

ここでは、オーダースーツで選べる主な5つのボタンを紹介します。スーツをオーダーするときの参考にしてみてください。

1-1. 天然素材(ナット)ボタン

ナットボタンは、天然の椰子(ヤシ)の実から作られたボタンです。木目を活かしながら染色できることから、多彩な色合いを楽しめます。そのため、さまざまなスーツに合わせられる、汎用性の高さが魅力です。

また、ナットボタンは天然素材ならではの柔らかい雰囲気が、温かみのある印象を与えてくれます。使い込むほどに色が濃くなり、経年変化を楽しめるのも、さらなる魅力の一つです。

ただし、染色したナットボタンは、濡れたまま放置すると色移りする可能性があります。取り扱いには注意しましょう。

1-2. 貝(シェル)ボタン

シェルボタンは、貝殻を原材料として作られたボタンです。主に高瀬貝が多く使われています。

貝殻ならではの光沢と、特有の質感を持つシェルボタンは、ドレッシーな雰囲気を演出するのに最適です。また、夏用のコットンスーツに使用すると、涼やかで洗練された印象を与えられるでしょう。

天然素材ゆえの独特な美しさが魅力のシェルボタンですが、割れやすい性質が難点です。強い摩擦に弱いため、日々の取り扱いには注意しましょう。

1-3. 水牛ボタン

数あるボタンのなかでも、水牛の角で作られた水牛ボタンは、高級ボタンとして人気です。透明感のある水牛ボタンほど希少価値が高く、価格も高くなる傾向にあります。

水牛ボタンには、角の先端部分を輪切りにしたタツ、角の空洞部分を板状にしてくり抜いたイタと2種類のボタンがあります。タツはタイガーストライプのような筋柄で、イタは刷毛目のような模様が特徴です。

水牛ボタンは、長年使用しても変色しにくい点が魅力です。むしろ使い込むほどに深みのある味わいが出てきます。「よいものを長く使いたい」と考える方には、最適なボタンといえるでしょう。

1-4. プラスチックボタン

オーダースーツで選べるボタンのなかでも、手頃な価格と豊富なデザイン性が魅力なのはプラスチックボタンです。

プラスチックボタンは、色やデザインが豊富なため、幅広い選択肢のなかから好みのものを自由に選べます。また、硬くて丈夫な特性があるため、長期間の使用にも耐えられるのも魅力です。

リーズナブルな点がメリットのプラスチックボタンですが、天然素材のボタンと比較すると、高級感や重厚感は劣りがちです。スーツによっては、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

プラスチックボタンを選ぶときは、ボタンだけが浮いたように見えないか、全体のバランスを考慮することが大切です。

1-5. 革(レザー)ボタン

レザーボタンは、牛や馬、山羊などの革を使って作られたボタンです。他の素材にはない質感と風合いが特徴で、天然素材ならではのあたたかみと、使い込むほどに増す味わいが魅力といえるでしょう。

季節感とともに、スタイリングに深みを与えてくれるレザーボタンは、特に秋冬シーズンのジャケットやコートなどに多く使われています

ただし、ナットボタンと同様、水に触れるような場面では劣化しやすいため、注意が必要です。

2. オーダースーツを仕立てるときのボタンの選び方4選

ここでは、実際にオーダーする際、どのようにボタンを選べばよいのかを解説します。

2-1. スーツ着用のシチュエーションに合わせる

ビジネスシーンではTPOに合わせて履く

ボタンを選ぶ際は、どのような着用シーンで必要なのかをあらためて考えることが必要です。

例えば、ビジネスの場で着用するスーツには、信頼感と品格を印象付ける水牛ボタンが最適でしょう。水牛ボタンは、高級感があり、プロフェッショナルな雰囲気を演出してくれます。

一方、カジュアルなシーンやパーティーなどでは、より遊び心のあるデザインや素材のボタンを選ぶのも1つの方法です。シェルボタンやナットボタンなど、独特の風合いを持つボタンがスーツのアクセントになるでしょう。

2-2. スーツとの相性を考える

着用シーンに合わせたボタンを選ぶことも重要ですが、スーツ自体との相性も考えなければなりません。これに気を付けないと、ちぐはぐなスタイルになってしまい、おしゃれな着こなしとは程遠くなってしまいます。

スーツの色や柄に最適なボタンを、下記の表にまとめました。

スーツの色スーツの柄ボタンにおすすめの色や種類
ネイビー無地ダークな色。落ち着いた大人の雰囲気を演出できる。
チェック柄明るいベージュ系。こなれ感がアップする。
グレー無地ダークブラウン。適度なカジュアル感を演出できる。
ストライプ光沢のあるシェルボタン。高級感を演出できる。
ブラック無地水牛ボタンのブラック。明るめの色は浮いて見えるので
避けたほうがよい。
ストライプ水牛ボタンのダークブラウン。重厚感がより際立つ。

これらを参考に、カッコよく着こなせる最適なボタンを選びましょう。

2-3. 小物アイテムの色と合わせる

ネイビースーツに合う革靴・シューズ

ボタンを選ぶ際は、小物アイテムとの調和を考慮することが大切です。これにより、統一感のある洗練されたスタイリングを演出できます。

迷ったときは、ベルトやシューズなどの革小物の色に合わせてボタンを選ぶのがおすすめです。必然的にブラウンやブラックとなりますが、同系色のボタンを選べばまず間違いありません。

革小物以外の色にこだわりたい場合は、スーツの色味を考慮してボタンを選ぶのが賢明です。例えば、ネイビーのスーツにはブルー系のボタンを、グレーのスーツにはシルバー系のボタンを合わせるなど、スーツの色味に近いボタンを選ぶことで、全体の調和を保てます。

トータルコーディネートを意識したボタンで、オーダースーツをおしゃれに着こなしましょう。

2-4. スタイルに合わせてボタンの数を変える

ボタンを選ぶ際は、スタイルに合わせてボタンの数を変えることも重要なポイントです。ボタンの数によって、印象ががらりと変わります。

シングルスーツの場合、ビジネスシーンでは2つまたは3つボタンが定番となっています。2つボタンは胸元のVゾーンが深くなるため、縦のラインが強調され、スタイリッシュな着こなしになります。一方、3つボタンは胸元のVゾーンが狭くなるため、より誠実で真面目な雰囲気を演出できます。

ダブルスーツの場合、4つボタンは胸元に深いVゾーンを作り出し、シャープですっきりした印象を与えるのに最適です。一方、6つボタンは、胸元のVゾーンが狭くなり、クラシックスタイルならではの、きちんとした雰囲気を演出できます。

ボタンの数は少ないほどスッキリとスタイリッシュに、多くなるほど誠実で信頼感のあるスタイルに、と覚えておくとよいでしょう。

3. オーダースーツを仕立てる前に|ボタンのマナーを知ろう

ここでは、ボタンのマナーを詳しく解説します。ボタンのマナーを理解して、オーダースーツをカッコよく着こなしましょう。

3-1. 一番下のボタンは留めない(アンボタンマナー)

スーツを着用する際、一般的に一番下のボタンは留めません。これをアンボタンマナーといいます。

ジャケットは、座ったり立ったりする動作を繰り返すことで、生地に負担がかかり、耐久性が徐々に低下します。アンボタンマナーを守ることで、生地やボタンの劣化を防げます。

アンボタンマナーをしっかり身につけ、カッコよくスーツを着こなしましょう。

3-2. 座るときはすべてのボタンを外すのがマナー

ネイビージャケットはどう着こなす?

スーツを着用する際、座るときにはすべてのボタンを外すのがマナーとされています。なぜなら、ボタンを閉めたまま座ると、ジャケットにシワが発生し、窮屈な印象を与えてしまうからです。

ただし、目上の方がボタンを外していない場合や、就職面接では、ボタンは外さないほうが無難でしょう。

ボタンマナーを知っておけば、オーダースーツを自信を持って着こなすことができます。ぜひ実践して、大人としての洗練された印象を与えましょう。

4. まとめ

本記事では、オーダースーツで選べるボタンの種類や、失敗しないボタンの選び方などを解説してきました。

ボタンの種類は数多くありますが、シチュエーションやスタイルに合わせて選ぶことが重要です。迷ったときは、小物の色と合わせてブラウンやブラックを選べば、まず失敗はしないでしょう。

こだわりのボタンで特別なスーツをオーダーしたい方は、洋服の青山で展開するオーダースーツブランド「Quality Order SHITATE(クオリティーオーダー・シタテ)」に相談してみましょう。ボタンの選び方に迷ったときも、プロのスタッフが親切にアドバイスしてくれます。オーダースーツ初心者でも、理想の1着を手に入れられます。

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