面接の冒頭や中盤で、「趣味は何ですか?」と質問されることがあります。趣味を答えるときは特別なことを話す必要はなく、日常で続けている行動や習慣を素直に伝えることが大切です。本記事では、就活の面接で趣味を聞かれる理由や答え方のポイント、内容別の回答例文、避けたほうがいい内容をまとめました。参考にしながら、自分らしい答え方を準備してみてください。
この記事でわかること
- 人柄や価値観を知ったり、面接を和やかに進めたりするために趣味が質問されることがある
- 趣味を答えるときは、きっかけ・エピソード・頻度を簡潔に伝えると会話の展開がしやすい
- 趣味が思い浮かばない場合は、日常の小さな習慣や行動を趣味として述べるとよい
面接で趣味を聞かれる理由
趣味に関する質問は、志望動機や自己PRだけでは見えにくい部分を知るための補足的な質問です。企業によって趣味を聞く意図はさまざまですが、一般的な理由は次のとおりです。
人柄や価値観を知るため
面接官は、趣味という日常的なテーマを通じて人柄を探ろうとしています。趣味は素の性格が表れやすく、「旅行」と答えれば行動力や好奇心が、「読書」であれば学びを大切にする姿勢が感じられます。

学生がどんなことに喜びや関心を抱いているかを知るヒントにしています。
面接を和やかに進めるため
面接はどうしても緊張しがちですが、趣味の話題は答えやすく、リラックスしやすい質問です。面接官はあえて冒頭や中盤で趣味を聞き、コミュニケーションがしやすい雰囲気にしようとしている場合があります。緊張したままでは学生の人柄が見えにくいため、趣味の話を通じて自然体で話せるように配慮しているのでしょう。
仕事への向き合い方や姿勢を知るため
趣味への取り組み方から、その学生が仕事にどう向き合うかも見えてきます。
例えば、長年続けている趣味があれば継続力や忍耐力が伝わり、スポーツやサークル活動のように仲間と取り組む趣味なら協調性やコミュニケーション能力が伝わるでしょう。さらに、資格取得や楽器演奏などの趣味であれば、主体的に学ぶ姿勢や継続する習慣を示すことができます。

もちろん趣味の答えだけで合否が決まることはなく、あくまで面接全体の情報が大切です。無理に自分の趣味を取り繕うことなく、素直に伝えるように意識してみましょう。
【一覧】面接で回答できる趣味の例
面接で趣味を聞かれたときに回答できる例を、ジャンル別にまとめました。
自分が何気なく続けている行動や習慣も趣味として伝えられます。思い当たるものがないか、チェックしてみてください。
| ジャンル | 趣味の例 |
|---|---|
| スポーツ・体を動かす趣味 | ・スポーツ ・ランニング ・ウォーキング、散歩 ・ヨガ ・ジム通い ・筋トレ ・水泳 ・ダンス |
| 文化・知的な趣味 | ・読書 ・映画鑑賞 ・音楽鑑賞 ・美術館めぐり ・博物館めぐり ・囲碁・将棋 ・語学学習 ・歴史探訪 |
| クリエイティブな趣味 | ・料理 ・お菓子作り ・写真撮影 ・イラスト制作 ・デザイン ・動画編集 ・手芸 ・編み物 ・楽器演奏 ・作曲 ・絵を描く ・創作(小説・詩など) ・ブログ・日記を書く ・SNSでの発信 |
| 旅行・アウトドアの趣味 | ・国内旅行 ・海外旅行 ・ドライブ ・ハイキング ・登山 ・キャンプ ・サイクリング ・釣り ・スポーツ観戦 ・サウナ ・スキーやスノーボード |
| ライフスタイル系の趣味 | ・カフェめぐり ・料理店・スイーツめぐり ・インテリアや雑貨集め ・観葉植物 ・ガーデニング ・整理整頓や掃除 ・コーヒーやお茶を楽しむ |
| 学び・スキルアップ系の趣味 | ・プログラミング ・資格の勉強 ・語学の勉強 |
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就活で特技を聞かれた際に「特技が見つからない」「趣味はあるけど特技がない」と悩む方もいるでしょう。そこで今回は、就活における特技の答え方や書き方、見つけ方などを解説します。特技一覧や例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
面接で趣味を聞かれたときの答え方
就活の面接で趣味を聞かれたときは、ただ「○○です」と答えるだけでは、その後の会話が続きにくいことがあります。次のポイントに沿って回答すると、自分の人柄や価値観を伝えられるようになります。
冒頭で結論を述べる
面接で趣味を答える際は、まず結論を述べることが大切です。例えば「趣味は読書です」「趣味はランニングで、3年ほど続けています」といった形です。趣味の内容に加えて頻度や期間を一言添えると、具体性が増して伝わりやすくなります。

伝えたい趣味が複数ある場合は2つ程度に絞り、「おもにA、サブでB」と整理すると会話がスムーズです。
趣味を始めたきっかけやエピソードを述べる
「趣味は○○です」だけでは説明が短く終わってしまうこともあるため、簡単なエピソードを添えると会話が広がります。きっかけや工夫、頻度、成果などを一言添えるだけで人柄がより伝わるでしょう。長く話す必要はなく、30秒程度にまとめると自然に説明できます。
例文
- 運動不足を感じてランニングを始め、半年で10km走れるようになりました。
- 一人暮らしをきっかけに料理を始め週末には作り置きをして計画的に食生活を管理しています。
趣味から得た学びや気づきを補足する
無理のない範囲で、趣味を通じて気づいたことや得られた経験を添えるのがおすすめです。具体的な気づきを短く話すことで、趣味が日常生活にどうつながっているかを自然に示せます。
例文
- 料理を通じて、段取りを考えるようになりました。
- 読書を通じて、より多くの文章を短時間で読めるスキルが身につきました。
無理に作らず、等身大の趣味を伝える
面接では、実際にやっていない趣味や大げさなエピソードを答える必要はありません。面接官から「始めたきっかけは?」「最近はいつ取り組みましたか?」と質問されることもあるため、等身大の趣味を伝えることで落ち着いて話せます。
最近あまり趣味に取り組めていない場合は、「頻度は減っていますが、就活が落ち着いたら再開するつもりです」と素直に伝えて問題ありません。大切なのは取り繕うことではなく、普段の生活にある趣味を自然体で話すことです。
面接で答える趣味がない場合はどうする?
「特別な趣味がない」と感じる人も少なくありません。ただし、面接で「特別な趣味はありません」と答えてしまうと、会話が続きにくいことがあります。
ここでは、日常生活のなかにある習慣や過去の取り組みを工夫して答える方法を紹介します。
日常のちょっとした習慣や行動を趣味として伝える
趣味といえるほど大きな活動をしていなくても、毎日のちょっとした習慣や行動を答えれば十分です。例えば、寝る前にスマートフォンで音楽を聴くこと、友人とカフェに立ち寄ること、気分転換に散歩をすることなども趣味として伝えられます。
大切なのは「自分が続けていること」を具体的に伝えることです。面接では、活動の規模よりもそこから感じられる人柄に注目されることが多いため、日常的なことを伝えて問題ありません。
例
- 趣味は散歩で、毎日30分ほど歩いて気分転換をしています。
- 趣味は音楽鑑賞で、夜寝る前にお気に入りのアーティストを聴いています。
過去にやっていたこと・最近始めたことを趣味として伝える
現在継続している趣味が思い浮かばない場合は、過去に取り組んでいた活動を趣味として答えるのも有効です。「今は取り組めていませんが、就活が落ち着いたら再開したいです」と補足すれば自然に伝えられます。
また、最近新しく始めたことを趣味として伝えるのもよい方法です。「友人に勧められて映画を観るようになった」「資格の勉強を始めた」「運動不足解消のためにストレッチを取り入れている」といった習慣も回答になります。
例
- 最近は映画を観ることを習慣にしています。月に2本ほど鑑賞して感想をメモしています。
- 運動不足を感じたので、寝る前にストレッチをするようになりました。
面接で趣味を聞かれたときに避けたほうがいい内容
映画鑑賞や読書、散歩など身近な内容を趣味として答えることができますが、なかには避けたほうがいい内容もあります。ここでは、面接で趣味を聞かれたときに避けたほうがいい内容例を紹介します。
ギャンブルなど浪費や依存を連想する趣味
次のような趣味は浪費や依存のイメージを与える可能性があります。
- パチンコや競馬などのギャンブル
- 過度な買い物
- 課金制ゲーム
- 飲酒
趣味として楽しんでいても、面接官からは「金銭感覚に不安があるのでは」と誤解されることもあるため、答え方には注意が必要です。
ただし、そのジャンルに関連する業界を志望している場合や工夫して表現できる場合は必ずしも避ける必要はありません。大切なのは「健全に楽しんでいること」がわかる伝え方です。
言い換えの例
お酒を飲むのが好きです
友人とお酒を楽しむ時間を大切にしており、交流を通じて人間関係を広げています
毎晩晩酌しています
料理と一緒にお酒を味わうことが好きで、食との相性を考えるのが楽しみになっています
一日中ゲームをしています
ストーリー性のあるゲームを楽しむことで、表現の工夫やデザインへの興味を持つようになりました
「買い物が趣味で、ほしいものはすぐに買ってしまいます」
ファッションやインテリアを見て回ることが好きで、価格やデザインを比較しながら自分に合ったものを選ぶようにしています
政治・宗教に強く関わる趣味
特定の政治活動や宗教活動は思想や信条に深く関わるため、誤解やトラブルのもとになりやすい話題です。厚生労働省のガイドラインでも、政治や宗教などは「本来自由であるべき事項」とされ、質問を避けるように推奨されています。そのため、自分から積極的に趣味として話題に出すのは避けましょう。
また、政治や宗教に限らず「人生観・生活信条」なども就職差別につながるおそれがあるため、採用選考で質問してはいけない内容と定められています。面接官に質問された場合、答えなくても不利になることはありません。
bのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり、面接で尋ねる、作文の題材とするなどによって把握することは、就職差別につながるおそれがあります。
<b.本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握>
公正な採用選考の基本|厚生労働省
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条などに関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
受け身に聞こえる趣味
「ひたすら寝る」「特に何もせずネットを見ている」といった回答は、主体性や活動性が伝わりにくいため、面接で回答する趣味としては避けたほうがいいでしょう。
また、ゲームや動画視聴もそのまま伝えると受け身に感じられる可能性がありますが、工夫を加えて話せば伝わり方を変えることができます。例えば、「仲間と協力してプレイしている」といえば協調性や計画性に結びつき、「観た作品のレビューを書いている」と説明すれば発信力や思考力をアピールできます。

趣味そのものを変える必要はなく、取り組み方や工夫を添えるだけで、自分らしさをより伝えやすくなります。
面接で趣味を回答するときの例文【内容別】
ここでは、面接で趣味を回答するときの例文を内容別で紹介します。趣味を回答する際の参考にしてみてください。
映画鑑賞
例文
趣味は映画鑑賞です。週末に新作を観に行くことが多く、観た作品は簡単に感想をノートにまとめています。さまざまなジャンルに触れることで、自分の視野を広げられるのが魅力だと感じています。
ポイント
- 単に「映画が好き」ではなく、観た後に感想をまとめる工夫を伝えている
- 頻度を具体的に伝えているため、実際に続けていることがわかる
音楽鑑賞
例文
趣味は音楽鑑賞です。通学中や就寝前にお気に入りのアーティストを聴くことが多く、新しいジャンルにも積極的に触れるようにしています。曲を聴きながら気持ちを切り替えたり、リラックスしたりできるのが魅力だと感じています。
ポイント
- 「新しいジャンルに触れる」と加えることで、好奇心や学びに向き合う姿勢を表している
- 単なる娯楽ではなく「気持ちを切り替える」「リラックスする」など、自分にとっての意味を添えている
旅行
例文
趣味は国内旅行です。長期休暇には、歴史的な建物やご当地の料理に触れることを楽しみにしています。旅行の計画を立てる際には、移動手段や観光地の優先順位を考えるので、計画力が鍛えられていると感じています。
ポイント
- 「国内旅行」「歴史的な建物や料理」と具体的に伝えている
- 計画を立てる過程を加えているため、取り組み方がわかる
読書
例文
趣味は読書です。通学時間やあき時間を利用して、月に2冊読むことを続けています。小説からビジネス書まで幅広く読むようにしており、気になった部分はノートに書き留めることで記憶に残るようにしています。
ポイント
- 「月に数冊」など頻度を具体的に伝えている
- ノートにメモする工夫を伝えることで、学びを自分のものにしていることがわかる
散歩
例文
趣味は散歩です。毎日30分ほど近所を歩き、気分を切り替える時間にしています。歩いていると季節の変化や新しいお店の発見があり、日常のなかで小さな楽しみを見つけられることが魅力だと感じています。
ポイント
- 「季節の変化」「新しい発見」など、自分なりの楽しみ方を加えている
- リフレッシュや気分転換につながっていることを伝えている
スポーツ観戦
例文
趣味はスポーツ観戦です。週末にはサッカーの試合をテレビや配信で観ることが多く、気になる選手や戦術を調べるのが楽しみです。仲間と試合について話すことで、自然にコミュニケーションのきっかけになっています。
ポイント
- 選手や戦術を調べることで主体的に関わっている様子を示している
- 仲間との交流につながっている点を補足している
料理・お菓子作り
例文
趣味は料理です。自炊をするなかで、休日にはまとめて作り置きをしたり、新しいレシピに挑戦したりしています。お菓子作りも好きで、出来上がったときの達成感や、家族や友人に食べてもらうことを楽しみにしています。
ポイント
- 「作り置き」「新しいレシピ挑戦」と具体的な習慣を伝えている
- お菓子作りでは「達成感」「食べてもらう喜び」といった身近で現実的な要素を加えている
筋トレ
例文
趣味は筋トレです。週に2〜3回ジムに通い、ベンチプレスやスクワットなど基本的なメニューを継続しています。体力がついたことで普段の生活でも疲れにくくなり、生活習慣の改善にもつながりました。トレーニングを続けるには計画的に時間を確保する必要があるため、スケジュール管理・自己管理ができるようになった点も大きな収穫だと感じています。
ポイント
- 頻度や具体的なメニューを盛り込み、リアリティを出している
- 健康面の効果に加えて「生活習慣の改善」に触れている
ドライブ
例文
趣味はドライブです。休日には車で郊外に出かけ、自然の景色やその土地ならではの食事を楽しむようにしています。目的地を決める際には、距離や時間、立ち寄り先を調べて計画を立てるので、旅の準備そのものも楽しみの一部になっています。
ポイント
- 「自然」「ご当地の食事」など具体的な楽しみ方を入れている
- 計画を立てる過程に触れて、主体的に取り組んでいる様子を示している
カラオケ(歌うこと)
例文
趣味はカラオケです。友人と集まって歌うことが多く、好きな曲を一緒に楽しむことで交流が深まっています。歌うことで気持ちが明るくなり、ストレス発散にもなっているため、日常生活のなかで大切な時間になっています。
ポイント
- 友人と一緒に楽しむ場面を加えることで、交流や人柄が伝わる
- 「気持ちが明るくなる」「ストレス発散」といった効果を添えている
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面接で行われる質問は、ある程度想定できるためどう答えるかを備えておくことは可能です。特に、志望理由や自己PRのような質問の頻度が高く、ほかの学生と差を付けてアピールしたい部分はスムーズかつ具体的に答えられるようにしておきましょう。
よくある質問
面接で趣味を聞かれたらどう答えればいいですか?
.面接で趣味を答えるときは、次の4点を意識してみましょう。
- 冒頭で結論を述べる
- 趣味を始めたきっかけやエピソードを述べる
- 趣味から得た学びや気づきを補足する
- 無理に作らず、等身大の趣味を伝える
詳しくは「面接で趣味を聞かれたときの答え方」で解説しています。
面接で自分の趣味を答えたことが原因で落ちることはありますか?
趣味そのものが原因で面接に落ちることはまずないでしょう。ただし、ギャンブルや過度な浪費につながる趣味を話すと面接官が不安に思う場合があるため、伝え方に注意することが大切です。
面接で趣味はゲームだと答えてもいいですか?
ゲームを趣味として答えても問題ありません。大切なのは、趣味の楽しみ方や趣味から得たことを具体的に話すことです。例えば「仲間と協力してプレイすることで協調性を意識しています」など、自分なりの工夫や経験を加えると、自分らしさが伝わりやすくなります。
面接で趣味を答えるとき、企業や仕事に関係ない内容を話してもいいですか?
趣味の内容は必ずしも仕事に直結している必要はありません。映画鑑賞や音楽を聴くこと、推し活や食べることなど、日常的な楽しみを伝えても問題ありません。面接官は趣味を通じて学生の人柄や価値観を知ろうとしているため、嘘をつかず、普段の生活にあることを素直に話しましょう。
