就活で自分のことを話したり書いたりする際、一人称の選び方は意識したい要素のひとつです。日常生活で使う一人称は人によって異なりますが、ビジネスシーンではフォーマルに捉えられやすい一人称が適しています。
この記事では、就活における一人称の選び方や避けたい一人称を紹介します。面接での企業や面接官の呼び方など、敬語の使い方についても解説していますので、ES(エントリーシート)の作成や面接の前に確認してみてください。
この記事でわかること
- ESや履歴書などの文章では漢字の「私」を使用する
- 面接や電話などの話し言葉では「私(わたし)」もしくは「私(わたくし)」を使用する
- 相手企業は話し言葉では「御社」、書き言葉では「貴社」を使用する
※「私」という一人称はフォーマルに捉えられやすい表現であるとともに、ジェンダーニュートラル(性別に問わず使われる)な表現でもあります。
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就活でよく使われる一人称は「私(わたし)」
就活において、一人称の選び方は印象を左右する重要なポイントです。特にESや面接では、適切な一人称を使うことで、礼儀正しさや社会人としての意識を示せます。
就活の場面で学生が使う一人称は、一般的に「私(わたし)」が適しています。ジェンダー問わず使え、適度なフォーマルさがあるため、ビジネスシーンでも広く受け入れられている表現です。そのため、迷ったときは「私(わたし)」を使うことがおすすめです。
面接では「わたし」「わたくし」はどっちがいい?
「私」の読み方には「わたし」と「わたくし」の2つがありますが、どちらを使っても問題ありません。
「私(わたし)」は、ビジネスシーンにおいて一般的で自然な表現です。性別を問わず使いやすく、どの企業でも違和感なく受け入れられます。一方、「私(わたくし)」は、よりフォーマルな場面で使われる表現で、面接など改まった場面にも適しています。ただし、普段使い慣れていないと、言いにくさを感じたり、不自然になったりすることがあります。
また、「私(わたくし)」は特にフォーマルな表現ですが、「私(わたし)」も十分丁寧な表現とされています。無理に使い分けようとせず、自然に話せるほうを選びましょう。
文面で一人称を使う場合には漢字で「私」と書く
面接で「わたくし」と話す場合でも、書き言葉で「わたくし」とひらがなで書く必要はありません。ESや履歴書、メールなどの文面で一人称を使う場合は、漢字で「私」に統一させましょう。
就活で避けたい一人称
就活では、避けるべき一人称も確認しておきましょう。
就活で避けたい一人称
「あたし」「俺」「自分」「うち」「自分の名前」など
これらの表現はカジュアルな印象が強く、ビジネスの場で使用する一人称として適切ではありません。
企業の面接やESでは、社会人としての意識を示せる「私(わたし)」を使いましょう。

「私」を自然に使えるように、普段から使い慣れておくことがおすすめです。
一人称を言い間違えたときにはどうする?
面接やグループディスカッションで、つい「僕」や「あたし」、「自分」と言ってしまうかもしれませんが、その場合は、落ち着いて訂正すれば問題ありません。
言い間違いを気にしすぎると、話し方がぎこちなくなることがあります。大切なのは、その後も一貫して「私」を使うことです。「失礼いたしました。私は〜」とすぐに訂正し、次の発言から「私」に統一しましょう。

面接官も緊張などから言い間違えることは理解しているので、落ち着いて対応しましょう!
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面接での企業や面接官の呼び方
就活では、一人称だけでなく、面接官や企業の呼び方に悩むこともあるでしょう。ここでも、適切な表現を使うことで、礼儀正しさや社会人としての意識を示せます。
相手企業は「御社」
企業を指す際は「御社」または「貴社」を使用します。それぞれの違いや特徴を確認しておきましょう。
御社(おんしゃ)
面接などの話し言葉で使う表現。
例:御社の企業理念に共感し、応募いたしました。
貴社(きしゃ)
ESや履歴書などの書き言葉で使う表現。
例:貴社の事業内容に魅力を感じています。
このように、面接では「御社」、書類では「貴社」と使い分けます。就活で企業を指す際、「会社」「この会社」といった表現は適さないので注意しましょう。
この会社では、どのような研修がありますか?
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面接官や採用担当者は「〇〇様」と名前で呼ぶ
面接官や採用担当者は、「〇〇様」と名前で呼びましょう。面接の冒頭で相手が自己紹介をすることがあるため、その際に名前を覚えるか、メモを取っておくと安心です。
名刺を受け取った場合は、すぐにしまわずテーブルの上に置き、面接中に確認できるようにしておきましょう。
社長や部長など役職者が面接官の場合、「社長様」「〇〇部長様」のように、役職名に「様」をつけるのは間違った敬語表現です。役職をつけて呼ぶ場合は「〇〇社長」「社長の〇〇様」といった呼び方が適切でしょう。
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メールでの企業や担当者の呼び方
メールやES、履歴書などの書き言葉で企業を表現する際は「貴社」を使用します。
使用例
貴社の企業理念に共感し、応募させていただきました。
貴社の選考についてお伺いしたく、ご連絡いたしました。
メールの宛名や本文で面接官や担当者を指す際は「◯◯様」と書きます。担当者の名前がわからない場合は、「人事部 採用ご担当者様」や「採用担当者様」でも問題ありません。
よくある質問
就活の面接に適した一人称は?
面接では「私(わたし・わたくし)」が適しています。ジェンダー問わず使えて、どの企業でも違和感のない表現です。「私(わたし)」と「私(わたくし)」のどちらを選んでも問題ありません。自然に使いやすいほうを選びましょう。
就活のESに適した一人称は?
ESなどの文面の一人称は「私」が適切です。ひらがなで「わたし」や「わたくし」と表記するのはなく、漢字で書きましょう。
就活で一人称を「僕」「自分」「あたし」といってしまったらどうすればいいですか?
面接で誤って「僕」や「自分」と言ってしまっても、すぐに訂正すれば問題ありません。「失礼いたしました。私は〜」と落ち着いて言い直し、その後は「私」に統一しましょう。
「わたくし」と「わたし」の違いは何ですか?
「私(わたくし)」は、「私(わたし)」よりフォーマルな表現で、おもに改まった場面や公式なスピーチで使われる表現です。面接や説明会など、就活の場面でも適しています。