就活における適性検査とは、採用時に応募者の能力や内面を把握する検査で、選考の一種です。適性検査には、応募者にはどんな職種が適しているのか、企業が求める人物像にマッチしているかなどを確かめる目的があります。
選考であるため、適性検査で落ちてしまう場合もあります。どんな理由で落ちてしまうのか、落ちないためにはどうすればよいのかを把握し、対策を行いましょう。
この記事でわかること
- 適性検査に落ちる理由は、能力検査だけではなく性格検査にあることも考えられる
- 適性検査の種類によって出題形式が異なるので、それぞれの対策をする必要がある
- 落ちたと考えられる理由を把握し、今後の適性検査に向けて対策をすることが重要になる
適性検査で落ちることはある
適性検査は、企業が実施する選考の一種であり、落ちてしまう人もいれば、突破する人もいます。検査結果をどのように参考にするかは企業によって異なるため、「◯点以上であれば受かる」といった目安はないといえるでしょう。
そのため、「自分だけが落ちてしまったのではないか」と不安になる必要はありません。選考であるため、どうしても落ちてしまうことはあります。特に、人気が高い企業の場合は、適性検査で落ちてしまう人も多数存在すると考えられます。
選考では適性検査だけでなく、提出書類などさまざまな要素から総合的に判断される場合もあり、適性検査が理由とは限らないことも知っておくことが大切です。
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就活の適性検査の種類・例題|種類と対策のコツをわかりやすく解説
適性検査には、能力検査と性格検査の両方が実施されることが一般的です。SPIや玉手箱などの種類がありますが、出題傾向や解答方法などが異なります。選考に通過できるよう、企業が実施する適性検査を調べ、対策を進めていきましょう。
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適性検査に落ちる人の割合
適性検査で落ちる人の割合は、20~40%といわれています。なお、企業によって実施する適性検査の種類や選考基準、選考を受ける人の割合などが異なるため、数値は前後する可能性があります。
適性検査は、点数ではなく、偏差値によって合否を判断していると考えられます。7つの評価段階があり、偏差値70以上であれば評価7、偏差値62〜69であれば評価6といったようなものです。
そのため、「自分がどれだけ正答できたか」よりも、「その企業の適性検査を受けた人のなかで、上位何%に入っているか」が重要になる可能性があります。

上位何%を合格の基準とするかは、企業によって異なります。
適性検査で落ちる理由
就活の適性検査で落ちる理由としては、次のようなものが考えられます。
適性検査に落ちた理由は、採用担当者から知らされることはないでしょう。そのため、ここで紹介するのは、適性検査で落ちてしまった理由として考えられるものです。自分に当てはまりそうな理由を見つけ、今後の選考のために参考にしてみましょう。
出題形式に慣れていなかった
適性検査の種類により、出題の方法や解答の仕方が異なります。「文章を読んで解答する問題」ひとつとっても、SPIとGABでは問題の特徴が違います。
「問題例を簡単に確認しただけ」といったように対策が不十分で、適性検査ごとの出題形式を把握していないと、解答に時間がかかるかもしれません。
練習問題を解いたり模擬テストを行ったりすることで、出題形式に慣れることができます。
【能力検査】対策が不十分だった
「対策する時間が足りず、苦手な部分を勉強できなかった」という場合、正答数が少なくなってしまう可能性があります。
例えば、「数学のような非言語問題は得意だが、国語のような言語問題は苦手」という方は、苦手なジャンルでの正答率は低くなるでしょう。
適性検査のなかには、中高生レベルの基礎的な問題が出されるものもあります。そういった適性検査の場合は、対策本を見れば「過去に授業でならったことがある」というものも少なくないでしょう。
比較的簡単な問題でも、数学のような問題の場合は、解法を忘れてしまっていることもあります。対策本を読むなどして問題の解き方を頭に入れておけば、能力検査でスムーズに解答しやすくなります。
【能力検査】未解答が多かった
未解答が多くなる理由としては、「1問に時間をかけすぎた」「わからないものが多かった」といったものです。
未解答の問題には点数がつかないので、適性検査の結果としては落ちてしまうことも考えられます。
【性格検査】企業が求める人物像と離れていた
性格検査には、能力検査のような正解がありません。これは、受検者がどんな性格であり、どんな適性をもっているかを把握するものだからです。
性格検査の場合、「企業が求めている人物像」と「自分の人物像」がかけ離れていると、適性検査に落ちてしまうことがあります。
この場合、企業が求めている人物像とマッチしなかっただけであり、自分自身に問題があったとはいえないでしょう。適性検査を受けた企業にマッチしなかった場合でも、ほかの企業が求めている人物像に当てはまる可能性があるためです。
【性格検査】回答に矛盾が生じていた
性格検査では、質問の表現を変えて似た内容を繰り返し出題することがあります。これは、回答の一貫性を確認することで、検査結果の正確性をより高めるための工夫です。
例えば、Aの質問と、Bの質問が似た内容であり、本来は同じような回答になるはずにもかかわらず、AとBの回答の方向性がまったく違う場合は、答えに矛盾が発生します。
性格検査には能力検査のような正解はありません。しかし、回答に一貫性がないと、人物像を正しく把握しづらくなり、選考に影響を与える可能性があるでしょう。
適性検査に落ちないための対策【能力検査】
能力検査の対策方法には、次のようなものがあります。
練習問題を一通り解いて苦手な問題の傾向を知る
適性検査の種類ごとに、さまざまな対策本が発売されています。しっかりと対策をしたい方は、可能であれば本の購入を検討するのがおすすめです。
適性検査の対策本には、問題の傾向や解説のほか、練習問題が掲載されているものがあります。まずは練習問題を一通り行い、自分の得意不得意を知るところから始めてみましょう。
解説を見なくてもスムーズに正答できるようであれば、その分野で時間をかけて対策する優先順位は低いはずです。一方で、「どういう数式を当てはめればいいかわからなかった」「解くのにかなりの時間を要した」といった部分は自分の苦手分野の可能性が高いでしょう。
不得意な分野を中心に対策を行うことで苦手を潰すことができれば、能力検査の正答率を高められるはずです。
1問あたりにかける時間を決めておく
能力検査で1問あたりの時間をかけすぎると、問題の最後までたどり着けない可能性があります。
適性検査では「◯分で◯問出題」とある程度決まっているため、1問あたりにかけてもよい時間を把握しておきます。時間がかかってしまう部分は苦手な問題なので、ピンポイントで対策しましょう。
また、練習問題や模擬テストを行う際に、時計やタイマーなどを使って、1問あたりにかけていい時間をイメージしておくのもおすすめです。
練習問題をひたすら解いていく
苦手を把握しある程度対策を進めていったあとは、対策本やアプリ、Webサイトなどでひたすら練習問題を解いていきましょう。
苦手な分野で、さまざまな練習問題を解いていけば、解法を思い出しやすくなり少しずつ解答する時間も短くなるはずです。
適性検査に落ちないための対策【性格検査】
性格検査の対策方法としては、自己分析があります。就活の序盤で自己分析をしたことがある方もいるかもしれませんが、今一度自己分析を行い、自分の長所や短所、特徴、強みなどを把握しておきましょう。就活を進めていった今のほうが、より深く自己分析ができるかもしれません。
性格検査では、自分の内面について問われます。特定の状況のときどんな行動をするのか、どんなことが好き・苦手なのかといった質問です。
自己分析を再度行うことで、自分自身がどんな人物かをイメージしやすくなり、スムーズな回答につながるはずです。

性格検査に正解はありませんが、率直に、スムーズに回答するための対策はしておきたいですね。
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適性検査に落ちてしまったときに知っておきたいこと
志望する企業の選考に落ちると、ネガティブになることもあるでしょう。もし適性検査に落ちてしまったとき、次のことを把握しておくことが大切です。
適性検査に落ちた理由を考えすぎない
適性検査の選考で落ちてしまった場合、詳細な理由を伝えられないことが多いでしょう。そのため、そもそも能力検査と性格検査、どちらに理由があるのかもわからないはずです。
「能力検査で間違いが多かったのか」「未解答が多かったからなのか」「人物像がマッチしていなかったのか」もわからないため、落ちた理由を深く考えすぎず、今の自分にできる対策をすることを優先してみましょう。
企業とのミスマッチを前向きに捉える
適性検査の選考で落ちてしまった方のなかには、「能力検査ではスムーズに解答でき、多くを正答できたはずだ」という方もいるかもしれません。能力検査で問題がない場合は、性格検査が理由で落ちてしまったと考えられます。
適性検査が理由で選考に落ちてしまっても、自分自身に問題があるのではなく、あくまでも自分が企業の求める人物像にマッチしなかったからだと捉えることができます。そのため、Aという企業ではマッチしなかったが、BやCといった企業が求める人物像に当てはまる可能性があります。
選考に落ちてしまうと、自分を否定された気持ちになることもあるかもしれませんが、「就職前にミスマッチを防げた」と前向きに捉えることも可能です。
よくある質問
適性検査で何度も落ちてしまいます。なぜですか?
適性検査で落ちてしまう理由としては、次のようなものが考えられます。
・出題形式に慣れていなかった
・【能力検査】対策が不十分だった
・【能力検査】未解答が多かった
・【性格検査】企業が求める人物像と離れていた
・【性格検査】回答に矛盾が生じていた
それぞれの理由の詳細は「適性検査で落ちる理由」で紹介しています。
適性検査はどんな対策をすればいいですか?
適性検査の対策方法としては、対策本やWebサイト、アプリなどの練習問題といったものがあります。これらを使って対策する際は、次のポイントを把握しておきましょう。
・練習問題を一通り解いて苦手な問題の傾向を知る
・1問あたりにかける時間を決めておく
・練習問題をひたすら解いていく
具体的な手段は「適性検査に落ちないための対策【能力検査】」で紹介しています。
適性検査の性格検査で嘘をつくとばれてしまいますか?
性格検査の際の嘘は、ばれてしまう可能性もあります。
性格検査では、その人の人物像を知るために実施しているので、採用担当者なども確認しているでしょう。
検査内容では、意図的に似た質問を出されたり、表現方法を変えて繰り返し出題されたりします。このとき、正直に回答をしていない場合、答えに一貫性がなく矛盾が生じる可能性があります。
「自分をよく見せたい」「志望企業にあうような回答をしたい」からといって、本来の自分とは違う回答をすると、回答に一貫性がなくなるかもしれません。回答に一貫性がないと、人物像を正しく把握しづらくなり、選考に落ちる原因になってしまうでしょう。
あくまでも、自分が率直に思う回答をすることが大切です。