ダブルスーツとは?シングルスーツとの違いや着こなし方について

2022.12.21

ビジネス

ダブルスーツとは?シングルスーツとの違いや着こなし方について

この記事の所要時間:約7分

近年のクラシカル回帰により復権しつつあるダブルスーツ。

今回は、ダブルスーツの種類や着こなし、シングルスーツとの違いについて解説します。

これからますます人気が高まるであろうダブルスーツについての知識をぜひ深めましょう。

1. ダブルスーツとは

ダブルスーツとは

ダブルスーツは1980年代頃に流行した、フロントボタンが二列ついたスーツです。

長い間シングルスーツが流行していたため、ダブルスーツには古い印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし近年はクラシックな装いが見直されており、その流れでダブルスーツを着る人が増えています。
紳士服店で販売されるダブルスーツの割合も増加中です。

とはいえ、ダブルスーツが復権しているからといってタンスに眠っているダブルスーツをそのまま着用するのはおすすめできません。

スーツの形にも流行があり、昔のダブルスーツと現在販売されているダブルスーツとではそのディテールに差があります。

ダブルスーツを着るのであれば、現在の流行に寄せたお直しをしてから着用するか、お店で新しいものを購入することがおすすめです。

1-1. シングルスーツとの違い

シングルスーツとの違いはいくつかありますが、大きく違うのはボタンの数と配列です。

シングルスーツとの違い

シングルスーツはボタンが一列に配置されており、ダブルスーツはボタンが二列に配置されています。

ボタンの違いだけでも見た人が受ける印象は大きく変わります。
シングルスーツがスマートでスタイリッシュな印象であるのに対して、ダブルスーツは重厚感やフォーマルさを感じさせます。

2. ダブルスーツの種類

ダブルスーツには、ボタンの総数が4つのもの6つのものがあります。

2-1. 4つボタン

4つボタンのダブルスーツは、基本的に下のボタンだけを留めます。

上のボタンは飾りボタンですので、留める必要はありません。

4つボタン
4つボタン

2-2. 6つボタン

6つボタンの場合はいくつかパターンがあります。

オーソドックスなボタンの留め方は、「真ん中のボタンだけを留める」もしくは「真ん中と下のボタンを留める」スタイルです。

最近では、「一番下のボタンだけを留める」着こなしもあります。

一番下のボタンだけを留めるとVゾーンが広くなり力強い印象を与えるとともに、リラックスした雰囲気も作ることができます。

6つボタン
6つボタン

3. ダブルスーツの魅力

ダブルスーツにはシングルスーツにはない独自の魅力があります。

以下では3つの魅力をご紹介します。

3-1. フォーマル感があり重厚な印象を出せる

ダブルスーツの由来は軍服にあります。

また、軍隊のなかでも指揮官などの立場が高い軍人が着用していました。

そのため、ダブルスーツには威厳のある重厚な印象が今も残っています。

ラペルの形や幅、Vゾーンの広さなどが重厚な印象を与える要素となっています。

また、シングルスーツは貴族の執務服や平服として着用されていたものが由来となっています。

3-2. ビジネスシーンでシングルスーツとの差別化になる

近年はクラシカル回帰の流れがあり、ダブルスーツの人気が上がってきています。

ダブルスーツをスマートに着こなせば取引先はもちろん社内からも一目置かれる存在になれるでしょう。

ダブルスーツは襟の形でもシングルスーツと差別化されています。

剣先のような鋭い下襟が特徴の「ピークドラペル」。

ピークドラペル
ピークドラペル

また、ラペル幅が広いものが多いことも特徴です。
反対にシングルスーツはラペル幅が狭いものが主流となっています。

ラペル幅が狭いとモダンな印象に、ラペル幅が広いとクラシカルな印象になります。

ラペル幅が広いダブルスーツはフォーマルな場でよく見られますが、最近のダブルスーツはシルエットがタイトでモダンな印象なものも多く、そうしたダブルスーツではラペル幅も狭く作られている場合があります。

3-3. ジャケパンスタイルとして着られる

ダブルのスーツはジャケット単体でも装飾性が高いです。

ジャケットだけを着てスラックスはもちろん、ジーパン(デニムパンツ)、チノパンなどのカジュアルパンツと合わせるという着こなしも可能です。

4. ダブルジャケットを着こなすときのポイント

シングルジャケットは慣れていてもダブルジャケットの着こなしは慣れていないという方も多いと思います。

ここではダブルジャケット着こなしのポイントを解説します。

4-1. 着丈はヒップトップが隠れるくらい

以前のダブルスーツは着丈が長くダボッとした印象でした。しかし最近は短めの着丈がトレンド。ヒップトップが隠れるぐらいがベストです。

着丈が長いと、フォーマルな印象。短いとカジュアルな印象を与えます。

フォーマル度が高い燕尾服やモーニングコートは太ももの辺りまで着丈があります。
また、フォーマル度が高い正装ほど着丈が長く、着丈が短くなるとカジュアルな印象になります。

ダブルスーツはそれ自体にフォーマルな印象があるため、着丈が短めの最近のトレンドはフォーマルとカジュアルのバランスを考慮したものであるといえるでしょう。

モーニングコート
モーニングコート
着丈が長いのが特徴
着丈が長いのが特徴

4-2. すっきりとしたボトムと合わせる

ダブルジャケットはボタンの数が多く装飾性があります。そのため、ボトムにも装飾性があるものを選ぶとまとまりのない印象を与えてしまいます。

ダブルジャケットと合わせるボトムはすっきりしたシルエットを選ぶとよいでしょう。

4-3. ネクタイは同色系で合わせる

ネクタイは同色系で合わせる

ダブルスーツに慣れていないうちは、スーツと同色系のネクタイを合わせるのが無難でありスタンダードです。

色味の違いによる違和感を与えず、スッキリとした印象になります。
しかし、ダブルスーツが無地のブラックやネイビーの場合、ネクタイも同色系にするととても落ち着いた印象になります。

ネクタイを明るい色にして顔色を明るく見せ、バランスを取ることもおすすめです。
また、ダブルスーツはネクタイが見える面積が少ないのも特徴です。

そのため少し華やかなネクタイをしても違和感なく着こなせるという魅力があります。

5. 着用シーン別の注意点

ここではシーン別にダブルスーツを着用する際の注意点を解説します。

5-1. ビジネスシーン

ビジネスシーン

もともとはフォーマルなシーンで着用されることが多かったダブルスーツですが、最近ではビジネスシーンに取り入れる方も増えてきています。

現代はダブルスーツとシングルスーツに格式の違いはないため、ビジネスシーンでダブルスーツを着ても問題ありません。

しかし、ごく一部の方からはダブルスーツを結婚式などフォーマルな場所で着るものと思っている方が少なくありません。

そのため、キャリアのある方が多く、古い慣習が残っている職場や業界ではダブルスーツは避けたほうが無難でしょう。

ファッションに対する感度が高い会社でダブルスーツを着用すれば、個性的でおしゃれな印象を与えることができるはずです。

周囲の環境や立場に応じて着用するようにしましょう。

5-2. 結婚式(パーティーシーン)

結婚式やパーティーなどでダブルスーツを着る場合は、少し華やかな印象にするとよいでしょう。

結婚式(パーティーシーン)

  • ポケットチーフを使う
  • ツヤのある素材にする

結婚式ではダブルスーツ特有の注意点はありません。

シングルスーツを着るときと同じように身だしなみに気をつければ大丈夫でしょう。

5-3. お葬式(お悔やみ事)

お葬式(お悔やみ事)

お葬式やお悔やみの席でのダブルスーツは無地の生地で、ブラックよりも濃い漆黒を選びましょう。

また、光沢やツヤがない生地を選び、明るい印象を与える服装は避けましょう。

6. まとめ

ダブルスーツには、「クラシカルで重厚な印象を与えることができる」「他の人と差別化できる」「ネクタイのバリエーションが広がる」など多くの魅力があります。

しかし、「ダブルスーツはフォーマルな場で着るもの」というイメージを強く持っている人がまだまだ多いのが実状です。

自身の好みばかりを主張するのではなく周囲の人々が持つ印象に合わせたコーディネートができることもおしゃれな人の条件です。

ダブルスーツを着ても違和感を与えないシーンを理解したうえでダブルスーツのおしゃれを楽しみましょう。

品格と礼節と伝統を重んじるフォーマルスタンダード

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