グループディスカッションとは、複数人がグループになり議論を行うものです。初めてのグループディスカッションを控えている方のなかには、グループディスカッションが具体的にどんなものかわからない方もいるでしょう。
グループディスカッションの対策をするためには、種類や役割、企業側が見るポイントを把握することが大切です。
この記事でわかること
- グループディスカッションとは、複数人で議論をし、制限時間内に結論を出すもの
- 書類選考や面接で判断しにくい能力を見られるケースが多い
- 自分の役割を理解したうえで議論に貢献する意識を持ち発言・行動することが大切
対策を進める前に「まずグループディスカッションについて詳しく知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、複数人のグループでとあるテーマを掲げて議論を行い、制限時間内に結論を出していくものです。
多くの企業では、就活の選考過程のひとつとしてグループディスカッションを行います。
グループディスカッションは、各グループ内で役割分担をしたうえで議論を進めます。最終的には、グループ内で意見をまとめて結論を出し、担当者に発表する流れです。
提示されるテーマはさまざまですが、企業や業界が直面する課題の解決や、新事業の企画、時事問題など、おもに正解のないテーマが取り上げられます。
グループディスカッションは対策が必須です。まずは種類や役割を把握し、企業側が重視するポイントを踏まえたうえで臨みましょう。
グループディスカッションの具体的な対策方法が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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グループディスカッションの種類
グループディスカッションは、おもに以下4つの種類に分類されます。
取り上げられるテーマはさまざまですが、種類ごとの概要を把握しておくことで、議論の進め方をイメージしやすくなります。
ここでは、それぞれの種類の特徴とテーマ例を解説します。
課題解決型
「課題解決型」は、提示された課題に対して、解決策を議論するスタイルです。
課題解決型では、まずテーマの前提となる課題を確認したうえで目標を設定し、現状分析しながら解決に向けて議論を進めます。テーマは「売上を2倍にするには」といった企業ならではの課題のほか、時事問題が取り上げられるケースも多いです。
課題解決型のテーマ例
- 売上を2倍にするには
- 自社商品の認知度を上げるには
- 円安を止めるには
- キャッシュレス決済を普及させるには
ディベート型
「ディベート型」は、対立する2つの意見を主張しながら議論を進めていくスタイルです。
ディベート型は2つの意見がぶつかり合うため、白熱した議論になるケースもあります。自分の意見を強く述べるのではなく、お互いの主張を聞きながら意見をまとめ、どちらを選ぶかを判断します。
ディベート型のテーマ例
- 仕事で大切なのは、やりがいかお金か
- 大学へ行くべきかどうか
- 大企業と中小企業どちらがよいか
- 24時間営業は必要か否か
選択型
「選択型」は、いくつかの選択肢のなかから、答え・優先順位を選ぶために議論をするスタイルです。選択肢がある点ではディベートと似ていますが、選択型は選択肢が2つ以上であることが特徴です。
複数の選択肢があるなかで選ぶときに、グループ内で意見がわかれた場合、多数決ではなく話し合いで決める必要があります。それぞれの主張を聞き入れて議論を重ね、最終的にはすべてのメンバーが納得するひとつの答えを導き出すことが大切です。
選択型のテーマ例
- 売り上げを伸ばすために重要なのは何か
- 無人島に何を持っていくか
- 国語、算数、理科、社会のうち最も重要なものはどれか
- 親、恋人、親友、お金のなかで、優先順位をつけてください
自由討論型
「自由討論型」は、明確な答えや選択肢が定められていない抽象的なテーマをもとに、自由に議論を進めていくスタイルです。
自由討論型は、決まった型がなく自由に議論するため、途中で話が脱線しやすくなります。テーマを見失わないように議論を進め、意見をまとめる力が問われます。
自由討論型のテーマ例
- 働く意味とは
- 学生にとって必要な能力とは
- 1億円あったらどうするか
- 10年後の未来はどうなっているか
グループディスカッションの具体的な対策・練習方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
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グループディスカッションでの評価基準
グループディスカッションで重視するポイントは企業によって異なります。おもに各々がどんな役割を果たし、どれだけ議論に貢献できるのかなど、書類選考や面接ではわかりにくい部分を知るために実施していると考えられます。
具体的には、企業で働くうえで重要になる以下4つの能力を見られている場合が多いです。
グループディスカッションで見られる能力
- 積極性:積極的に発言できているか
- 論理性:わかりやすく説明できているか
- 協調性:周りと円滑にコミュニケーションが取れているか
- 発想力:オリジナルの視点で意見を出せているか
たくさん発言すればよいとはかぎらない
グループディスカッションでは「たくさん発言したほうがいい」と思いがちですが、必ずしも一人が多くの意見を出せばいいとは限りません。
自分が発言することに重きを置きすぎることで、周りのメンバーへの配慮が疎かになってしまう可能性があります。メンバーが発言できない状況にしてしまったり、反対意見を強く言いすぎたりしないように気をつけることも大切です。
グループディスカッションでは「グループとしてひとつの結論を導き出すにはどうしたらいいか」という意識を持ちましょう。
グループディスカッションでの役割分担
グループディスカッションでは役割分担が必須です。担当者からテーマが掲示されたら、まず役割分担をしたうえでディスカッションを進めていきます。
ここではどんな役割があるかを見ていきましょう。
- 司会進行
- タイムキーパー
- 書記
- その他(メンバー)
役割ごとの対策についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
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司会進行
司会進行の役割は、メンバーが発言しやすい状況を作ることです。例えば、発言する人が偏っていると感じたら、まだ発言していない人に話を振るのも役割のひとつです。グループの意見を整理して、結論を導くためのサポートをします。
タイムキーパー
タイムキーパーは、与えられた時間内にやることを管理する役割です。自由に議論する時間、結論を導き出す時間、発表に向けて意見を整理する時間など、時間配分を決めて区切ることが大切です。時間に目を向けるだけでなく、自らもしっかり発言をしながら、全体に時間経過を知らせて進行をサポートします。
書記
書記は、グループ内で出た意見の要点をメモして残す役割です。発言をただ記録するだけではなく、メンバーと内容を共有して、話し合いの方向性を整理します。書くことに集中しすぎることなく、自らもしっかり発言することが大切です。
その他(メンバー)
役割がないメンバーは、活発なグループディスカッションになるよう配慮することが重要です。自分の意見を積極的に伝えることはもちろん、時間を意識したり、出た意見をまとめたりなど、その場にあわせて必要な役割を担います。
役割がないからといって、ずっと話し続けたり、意見を主張しすぎたりせずに、グループ全体でよりよい議論が行えるように心がけましょう。
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グループディスカッションは対策と練習が必須!
グループディスカッションは、流れや役割決めなどの基本的な対策を把握し、練習を重ねることで、どんなテーマにも対応しやすくなります。
友達と練習したり、グループディスカッションのイベントに参加したりして、とにかくディスカッションに慣れることが大切です。学校のキャリア支援センターなどでグループディスカッションの講座が行われているケースもあるので、可能であれば活用していきましょう。
具体的な対策方法や練習方法は、こちらの記事で解説しています。
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よくある質問
Q1.オンラインのグループディスカッションで気をつけるべきことはありますか?
A1. 基本的には対面のグループディスカッションと同様です。画面越しでも伝わるように、大きめなリアクションや、相手に聞こえやすい声のトーンを心がけましょう。参加者の状況をよく見て、話すタイミングに気をつけることが大切です。
Q2.企業が就活の選考でグループディスカッションを行う理由は何ですか?
A2.企業側が選考でグループディスカッションを行う理由はさまざまですが、書類選考や面接ではわからない能力を判断する目的であるケースが多いです。例えば、積極的に発言できるか、周りと円滑にコミュニケーションが取れるかなど、企業で働くうえで重要になる能力が見られることがあります。
Q3.グループディスカッションでは、どの役割を担うのが有利ですか?
A3. 「役割がある=選考に有利になる」というわけではありません。役割や立場をきちんと理解したうえで、適切に振る舞うことが大切です。役割がない場合は、活発なグループディスカッションになるよう配慮し、その場にあわせた必要な行いを心がけましょう。
Q4.グループディスカッションで気をつけるべき行動は何ですか?
A4.グループディスカッションでは、ほかのメンバーに迷惑をかけるようないわゆる「クラッシャー行為」は避けることが重要です。具体的には、以下のような行動があげられます。
避けたほうがよいこと
- 意見を聞くだけでまったく発言しない
- わざと的外れな発言をして、話を中断する
- 反対意見を述べるときに口調が強くなる
グループ全体でよりよい議論をするために、議論に貢献する意識が大切です!