「ご助言」は、日常生活ではあまり使われない表現ですが、ビジネスシーンでは上司や先輩などの目上の人にアドバイスを求める際に用いられます。ただし、誤った使い方をすると失礼にあたる可能性があるため、意味を理解し、適切に使うことが大切です。
また、「ご助言」は別の言葉に言い換えることも可能です。類語の意味や使い方を把握し、相手や状況に応じて適切に使い分けましょう。
この記事でわかること
- 「助言」は相手の役に立つ意見やアドバイスを指す
- 「ご助言」は取引先など社外の人に対しては使わない
- 「ご助言」は「ご教示」や「ご指導」に言い換えられる
「ご助言」の意味
「ご助言」は、「助言」という言葉に尊敬の意を表す接頭語「ご」をつけた敬語表現です。「助言」とは、相手の役に立つ意見やアドバイスを指します。
「ご助言」は、おもに目上の人や敬意を払う相手からアドバイスをいただく際に用いられる表現です。例えば、社内で上司や先輩にアドバイスを求める際、「ご助言いただけますでしょうか」のように使います。
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ビジネスシーンにおける「ご助言」の正しい使い方と例文
職場の上司や先輩に意見やアドバイスを求める際には、「ご助言」を使用します。具体的な例文を見ていきましょう。
例文
- 現在進行中のプロジェクトについて、◯◯部長のご助言をいただけますでしょうか。
- 提案書の内容について、◯◯部長のご助言をいただきたく、少しお時間よろしいでしょうか。
- 業務プロセスの改善策について、先輩のご助言をいただけますと幸いです。
- 本件について、◯◯部長からのご助言を伺えればと思います。

「いただく」「伺う」などの謙譲語と組み合わせると、より丁寧な印象になります。
メールで助言を求める場合
メールで助言を求める際は、「何についての助言を求めているのか」を明確に伝えることが大切です。また、「お忙しいところ恐れ入りますが」「可能であれば」などのクッション言葉を用いることで、丁寧な印象になります。
例文
- 現在担当している◯◯の運用について悩んでおり、部長のご助言をいただけますと幸いです。お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
- 新しいプロジェクトの進め方についてご助言を賜りたく、ご都合のよいお時間に少しお話を伺えればと考えております。お手数をおかけいたしますが、ご検討のほどお願いいたします。
- 業務の効率化についてご助言をいただきたく、可能でしたら簡単にお考えをお聞かせいただけますと幸いです。
「ご助言」を使用するときの注意点
「ご助言」を使用する際の注意点が2つあります。
目上の人に対して「ご助言」を申し出るのは不適切
「ご助言」という言葉は、おもに目上の人や敬意を払うべき相手からアドバイスを受ける際に用いる表現です。そのため、例えば上司や先輩との議論の場で、自分の意見を述べる前に「ご助言してもよろしいですか」と尋ねるのは適切ではありません。この表現には、自分が目上の人に助言をするニュアンスが含まれるため、失礼にあたる可能性があります。
自分が意見を述べる際は、「助言」ではなく、「少しお話ししてもよろしいでしょうか」や「私の考え申し上げてもよろしいでしょうか」のように、許可を求めることがおすすめです。
「ご助言」は基本的に社内で使用する
「ご助言」は、おもに社内で上司や先輩にアドバイスを求める際に使用される敬語表現です。
ただし、取引先など社外の人に対して「ご助言いただけますか」と尋ねることは避けましょう。このような使い方は、「社内に十分な経験や知識を持つ人がいないのでは」といった印象を与える可能性があるためです。
相手が社外の人の場合は、「ご意見を伺えますか」などの表現を用いることが適切です。
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助言を受けたときの感謝の言葉と伝え方
助言を受けた際は、適切な感謝の言葉を用いて、相手への敬意と感謝の気持ちを伝えましょう。
「ご助言ありがとうございました」だけでは形式的に感じられやすく、伝え方によっては失礼にあたる可能性があるため注意が必要です。丁寧な表現を意識し、「どんなアドバイスが何の役に立ったか」を明確に伝えると、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
感謝の言葉の例
- 先日は、業務改善の進め方について貴重なご助言をいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで、より効率的に作業を進められるようになりました。
- 先日は貴重なご意見をいただきありがとうございました。いただいたアドバイスをもとに、プロジェクトの課題を整理し、無事にスケジュール通り進めることができました。
- 資料作成のポイントについてご教示いただき、ありがとうございました。具体的な改善策を取り入れたことで、よりわかりやすい資料に仕上がりました。
- ご指導いただいたプレゼンテーションのコツを実践し、自信を持って発表することができました。ありがとうございました。

あえて「ご助言」を使わずに、「ご教示」「ご指導」などと言い換えることもおすすめです。
「ご助言」の言い換え・類義語
「ご助言」の言い換え・類義語には次のような表現があります。
これらはいずれも、ビジネスシーンにおいて相手に何らかの助けやアドバイスを求める際に使用されます。それぞれの意味や使用例を見ていきましょう。
ご教示(ごきょうじ)
「教示」は、知識や方法を教え示すことを指し、「ご教示」は具体的な手順や情報を教えてもらいたいときに使用されます。例えば、新しいシステムの操作方法や業務の進め方について尋ねる場面に適しています。
使用例
新しいソフトの使い方をご教示いただいてもよろしいでしょうか。
ご指導(ごしどう)
「指導」は、目標達成のために導くことを意味し、「ご指導」は長期的な成長やスキル向上のための助言やトレーニングを求める際に使われます。新人教育やプロジェクトの進行など、継続的なサポートをお願いする場面に適しています。
使用例
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。
ご鞭撻(ごべんたつ)
「鞭撻」は、励まし奮い立たせることを意味し、「ご鞭撻」は激励や応援をお願いする際に使われます。自身の努力や成長に対して、相手からの励ましやサポートを求める際に適しています。
使用例
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
ご助力(ごじょりょく)
「ご助力」は、具体的な協力やサポートをお願いする際に使用される敬語表現です。おもに、プロジェクトの共同作業や問題解決のために相手の協力を求める場面で用いられます。
使用例
このプロジェクトの成功のために、ご助力いただければ幸いです。
ご指南(ごしなん)
「指南」は、特定の技術や方法を教え導くことを意味し、「ご指南」はスキルやノウハウの指導を求める際に使用されます。専門的な知識や技術の習得を目的とした依頼に適しています。
使用例
この分野はまだ経験が浅いため、ご指南いただければ幸いです。
ご高配(ごこうはい)
「高配」は、相手の配慮や気遣いを敬って表現する言葉で、「ご高配」は相手の注意や関心をお願いする際に使われます。ビジネス上の依頼やお願いごとをする際に、相手の配慮を期待する場面で適しています。
使用例
何卒ご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。
よくある質問
「ご助言」とはどういう意味ですか?
「ご助言」とは、「助言」に尊敬の意味を持つ「ご」をつけた敬語表現です。「助言」は、意見やアドバイスを指し、「ご助言」は特に目上の人に対してアドバイスを求める際に使用されます。
具体的な使い方は「ビジネスシーンにおける「ご助言」の正しい使い方と例文」で紹介しています。
「ご助言」と「アドバイス」の違いは何ですか?
「アドバイス」は英語由来の言葉で、一般的に助言や忠告を意味します。一方、「ご助言」は「助言」に尊敬語の「ご」をつけた表現で、特に目上の人に対して敬意を示しながら助言を求める際に使われます。ビジネスシーンでは「ご助言」のほうがより丁寧で、フォーマルな場面に適しています。
「助言がほしい」の言い換えは何ですか?
「助言がほしい」を言い換える表現としては、「ご教示いただけますか」「ご指導をお願いできますか」などがあります。
アドバイスをもらうときの丁寧な言い方は何ですか?
アドバイスを求める際の丁寧な言い方としては、「ご助言いただけますでしょうか」「ご教示いただけますでしょうか」などがあります。特に、具体的な方法を尋ねる場合は「ご教示」、経験や考えを伺いたい場合では「ご助言」が適しています。