就活ノウハウ

冬から就活を始めても間に合う!やっておきたい準備・服装・インターン活用法を解説

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「就活は夏までに始めるもの」「冬から始めるのは遅い」と感じるかもしれませんが、冬から就活を始めても、しっかり行動すれば挽回できる可能性は十分にあります

冬は会社説明会やセミナーなどの就活関連イベントが多く、インターンも実施されているため、うまく活用することで早期選考につながる可能性もあります。自己分析や業界研究などの「就活の基礎」を固めて一歩を踏み出せば、春からの本選考に向けて着実に準備を進められるでしょう。

この記事では、冬から就活を始める際のスケジュール目安や、冬の就活の特徴、服装のポイントなどを詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 冬から就活を始める際は、会社説明会やインターンを活用するのがおすすめ
  • 冬のインターンに参加することで、早期選考や特別ルートの案内を受けられる場合がある
  • 冬の就活の服装は、防寒対策をしつつ清潔感を意識することが大切

監修者からのコメント

監修者
遠藤 美穂子さん

就活が早期化している昨今ですが、大学3年の夏休みまでに就活をスタートできなかった人もいるでしょう。「出遅れてしまった」と落ち込む必要はありません。冬から始める就活はどのような流れなのか、何に気を付けたらよいのか、一緒に見ていきましょう。

卒業前年度(大学3年生)の冬から就活を始めても間に合う?

就活は大学3年生の春や夏から動き始める学生が多いですが、冬からのスタートでも十分に挽回できる可能性があります。

リクルートの研究機関「就活みらい研究所」が実施した「就職プロセス調査(2026年卒)」では、26年卒の大学生の就職内定率は2月1日時点で39.3%となっており、6割以上の学生はまだ内定を得ていない状況です。そのため、冬から就活を始めても「自分だけ出遅れている」ということはありません。

冬からでも、会社説明会やインターンに参加しながら、自己分析や業界研究といった就活の基礎を固めていくことが大切です。冬は学生が本格的に就活へ動き出す時期でもあるため、ここから計画的に準備を進めましょう。

一般的な就活スケジュール

政府が要請する26年卒向けの就活スケジュールでは、エントリー開始(採用広報解禁)は大学3年生の3月1日以降とされています。なお、このスケジュールは経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)が加盟企業に対して周知しているものです。

早期選考と通常選考のスケジュールの違い

一方で、中小企業やベンチャー企業、外資系企業など、経団連に加盟していない企業では、3月よりも早い段階から選考を進める傾向があります

就活支援サービスの株式会社キャリタスが実施した「2026年卒・新卒採用に関する企業調査」でも、卒業前年度(大学3年生の冬)から採用広報や選考を始める企業が年々増えていると報告されています。つまり、冬は「準備期間」ではなく、就活の募集や情報解禁が増えはじめる重要な時期といえるでしょう。

また、就活関連のイベントは通年で行われており、冬でも会社説明会やインターンを実施している企業は多くあります。特にインターンは、実務経験や社員との交流を通じて企業理解を深められるほか、早期選考に直結することもあるので、積極的に参加することをおすすめします。

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早期選考とは、就活の情報解禁である3月1日より前に開始する選考です。早い場合は、3月時点ですでに内定を獲得している学生もいます。さまざまなメリット・デメリットがあるため、タイミングや書類作成・面接練習の準備時間を確保できるかを含め、選考を受けるか検討してみましょう。

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いつから就活を始めるか迷ったときは、就活スケジュールの目安を確認するのがおすすめです。ほかの人はいつ頃スタートしているのか、情報解禁はいつ開始するのかなどを把握し、計画を立て志望企業にエントリーしましょう。

冬から就活を始める場合のスケジュール目安

大学3年生の春や夏から就活を始める学生もいますが、冬から取り組んでも通常選考に間に合う可能性は十分にあります。

冬から就活を始める際は、会社説明会やインターンをうまく活用していくことが大切です。ここでは、冬から始める就活スケジュールの目安と取り組むべき内容を見てきましょう。

時期取り組む内容
11月〜1月・自己分析で強みや価値観を整理する
・業界研究を進めて就活の軸を考える
・志望する企業の候補を決めて企業研究を始める
12月〜2月・インターンや会社説明会に参加し、
 社員との交流や実務体験を通して企業理解を深める
(早期選考につながるケースもある)
2月〜3月・ES(エントリーシート)の作成・提出準備を進める
・SPIなどの適性検査対策に取り組む
・面接練習を始め、本選考への準備を整える

冬の就活の特徴

冬の就活には、ほかの季節とは異なる特徴があります。

応募できる企業数が増える

冬は就活イベントやインターンが増えるため、応募できる企業の選択肢が一気に広がります。夏や秋に十分活動できなかった学生でも、冬から参加できる会社説明会やインターンを通して、業界研究や企業理解を進めることができます。

夏にインターンを行った企業が、冬に追加でインターンや採用活動を実施するケースもあり、新しい出会いにつながりやすい時期といえるでしょう。

本選考直結のインターンが増える

冬のインターンは、その後の選考につながることも多い傾向があります。夏に比べて「採用直結型」としての意味合いが強まり、早期に選考ルートに進める可能性もあるため、興味のある企業のインターンがあれば参加を検討してみましょう。

ほかの学生との差が出やすい

冬は、本格的に準備を始める学生と、年明けから動き出そうとする学生で違いが出やすい時期です。早期選考や推薦枠を通じて内定を得る人も出てきますが、焦る必要はありません。

冬からでも説明会やインターンへ積極的に参加することで、企業理解が深まり、志望理由や自己PRにも具体性を加えやすくなります。冬のインターンへの参加は早期選考につながる可能性もあります。

監修

いつのまにか大学3年の後期も半ばになり、「就活をやらないといけないけれど何からやったらよいのか」と戸惑っている人もいるでしょう。冬のインターンに参加する、自己分析や企業研究を行うといったことを一つずつ積み重ねていけば本選考への準備が整いますので、気づいたときに動き出してみましょう。

冬から就活を始めても間に合う!やっておきたい準備5つ

冬から就活を始める場合に、やっておきたいことが5つあります。

自己分析をして就活の軸を定める

冬から就活を始めると、焦りから「とりあえず応募してみよう」と考えるかもしれません。しかし、自己分析をせずに動き始めると、自分に合った企業を見つけるのが難しくなる場合があります

応募する前に、自己分析を通して自分の強みや価値観を整理し、「どんな仕事にやりがいを感じるか」「どんな環境なら成長できるか」を明確にすることが大切です。

就活の軸が定まれば、企業選びや志望理由に一貫性が生まれ、選考でも自分の考えを伝えやすくなるでしょう。

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自己分析を行うことで、自分に合う業界・職種・企業が見つけやすくなります。それだけではなく、ESや面接で頻出する志望動機や自己PRなどで、独自性・具体性のあるエピソードを考えられるでしょう。就活が本格化する前に、自己分析を進めていきましょう。

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就活の軸の決め方|見つからないときの考え方や業界別・職種別の例を紹介

就活の軸とは、企業や業界を選ぶうえで譲れない条件を指します。就活の軸を決めることで、自分なりの思いを中心に企業を選び、選考に臨むことができます。今はまだ決められていない方も、自己分析や他己分析などをすることで見つけられるでしょう。

冬のインターンに参加する

冬もインターンが実施されているため、志望する企業のインターンに参加するのもおすすめです。企業によっては、冬のインターン参加者を対象に早期選考や特別ルートを案内するケースもあるため、志望度の高い企業があれば積極的に応募してみましょう。

インターンに参加することで企業理解が深まり、ESや面接で伝える志望理由に具体性を持たせやすくなります。また、インターン選考での面接や、ほかの学生とのグループディスカッションの経験は、本選考に向けた練習にもつながります。

冬のインターンについて、詳しくは「冬の就活ではインターンを活用しよう」で紹介しています。

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インターンシップとは?プログラムの探し方・募集開催期間・参加するメリットを解説

インターンシップとは職業体験を通じて、実力を確かめる・発揮する場所です。今あるスキルを確かめながら伸ばせる機会になるため、時間を確保できる方は積極的に参加しましょう。選考が実施されるインターンシップでは、書類作成や面接の練習も必要です。

気になる企業の説明会やセミナーに参加する

冬は会社説明会やセミナーなどの就活イベントが数多く行われます。オンライン開催のイベントもあるため、自宅にいながら効率よく情報を集めることも可能です。

説明会に参加することで、採用ページだけではわからない社風や働き方を知ることができ、複数の企業を比較検討するのに役立ちます。実際に働く社員の話を聞いたり、質問したりすることで、自分がその企業で働く姿をイメージしやすくなるため、志望動機の作成にも役立つでしょう。

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会社説明会とは、企業が自社を知ってもらうために開催する説明会のことです。会社説明会は、Webサイトなどでは理解できない、独自の情報や先輩社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。気になる業界、企業の会社説明会に参加して、より多くの情報を集めていきましょう。

企業研究をして志望理由や自己PRを固める

志望動機や自己PRを固めるためには、企業研究が必須です。公式サイトや就職四季報、OB・OG訪問などを活用し、企業のビジョンや事業内容、働き方を深掘りしてみましょう。そのうえで「なぜこの企業を志望するのか」を自分の経験や強みと結びつけて整理するのがポイントです。

自己PRも漠然とした内容ではなく、具体的なエピソードをもとに語れるよう準備しておくと、自分の強みをより伝えやすくなります。

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書類選考・適性検査・面接の対策を始める

冬は本選考直前期でもあるため、書類選考・適性検査・面接に向けた準備も始めておきましょう

ESでは、自己分析や企業研究で整理した内容をもとに、自分の強みや志望理由を簡潔にまとめます。SPIやWebテストなどの筆記試験は出題範囲が広いため、毎日短時間でも継続的に取り組むのが効果的です。

面接対策では、想定される質問への回答を考えたり、模擬面接を行ったりして伝え方を練習しておくと、本番でも落ち着いて話しやすくなります。

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冬の就活ではインターンを活用しよう

冬も多くの企業がインターンを開催しています。夏に参加できなかった学生でも、冬のインターンに参加して巻き返すことは可能です。

ここでは、冬のインターンに参加するメリットや選び方を紹介します。

冬のインターンに参加するメリット

冬のインターンでは、参加者を対象に早期選考が案内されたり、書類選考や一次面接を免除する特別ルートが用意されていたりすることがあります。出遅れたと感じていても、こういったチャンスを得られる可能性は十分にあります。

また、社員との交流を通じて社風を体感できるのもインターンならではのメリットです。インターンを通して企業理解を深められれば、志望動機を自分の言葉で語りやすくなり、自己PRも具体的なエピソードと結びつけて伝えられるようになるでしょう。

参加するインターンの選び方

冬はインターン募集が行われる時期でもありますが、やみくもに応募するのではなく、目的を意識して選ぶことが大切です

インターンを選ぶポイント

  1. 志望業界・職種を絞る
  2. プログラム内容を確認する
  3. 選考直結かどうか確認する
  4.  日程や開催形式を確認する

まずは、興味のある業界や職種のプログラムをピックアップして比較してみましょう。

インターンには「職種体験型」「座談会型」などさまざまなプログラムがあり、内容によって得られる学びが異なります。自分が体験したい内容かどうかを確認することもポイントです。

冬は本選考と直結するインターンも実施されるため、採用ルートがあるかどうかも確認しておきましょう。

また、インターンは対面だけでなくオンラインで参加できるものもあります。自分の予定と照らしあわせて、無理なく参加できるプログラムを選びましょう。

人事

「とりあえず参加する」ではなく、就活の軸やキャリアイメージを意識して選ぶことで、冬のインターンをより有意義に活用できます。

冬の就活における服装のポイント

冬の就活でもほかの季節と同様に、企業からの案内に沿った服装を選びます。気温が低い季節は、防寒をしつつ清潔感を意識することが大切です。

分厚いインナーは服装のラインが崩れることがあるため、保温性のある薄手のインナーを選ぶのがおすすめです。寒いからといってインナーを何枚も着込むと、汗をかいてしまうこともあります。体温を調整しやすいように、カーディガンやベストなど着脱しやすい防寒着を用意しておくと安心です。

防寒対策がしにくいスーツの場合の寒さ対策を紹介します。

冬の就活における服装のポイント

【スーツ】

  • インナーで調整して防寒対策をする
  • インナーが透けて見えないか、シャツの袖からインナーが出ないかを確認する
  • ベストやカーディガンなどがあれば、着脱して体温調節ができる

【コート】

  • ブラック・ネイビー・ベージュなど落ち着いた色がおすすめ
  • 説明会や面接の会場ではコートを脱いで腕にかける

【小物類】

  • マフラーや手袋は無地で落ち着いた色を選ぶ
  • 会場に入る前に外しておく

【靴下・ストッキング】

  • 無地のシンプルなものを選ぶ
  • 厚手の靴下を選ぶと防寒にもなる
  • 雪や雨に備えて、予備を用意しておくと安心
  • タイツはカジュアル感が出やすく、着用シーンや企業の雰囲気を選ぶ
人事

ストッキングやタイツは必須ではありません。素足を避けるために、靴下やフットカバーの着用を検討してみましょう。

アウターや小物類は、着用する服装にあわせた色味やデザインのものを選ぶなど、コーディネートの統一感を意識することも大切です。防寒対策として身につけていた場合、会場に入る前に脱いでおきましょう。

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よくある質問

冬から就活をする場合、何から始めればいい?

まずは自己分析と企業研究から取り組みましょう。就活の軸を定めてから企業選びを進めると、どの企業を志望するのか、そのためにどんな準備をすればよいかが明確になります。そのうえで、冬のインターンや会社説明会に参加すれば、志望動機や自己PRをより具体的な内容にできるでしょう。

就活の出遅れはいつからですか?

一般的には大学3年の夏や秋から動き出す学生が多いため、冬から始めると「出遅れた」と感じるかもしれません。しかし、26卒の学生の2月時点の内定率は約4割とされており、大学3年の冬に内定を得ていない学生は少なくありません。冬からでも十分に間に合う可能性があるので、焦らず計画的に進めていきましょう。

冬の就活でコートやダウンを着てもいいですか?

スーツを着用する場合、ブラックやネイビーなど落ち着いた色のチェスターコートやトレンチコートがおすすめです。ダウンコートであればフードやファーがついていないものが望ましいでしょう。面接や説明会の会場に入る前にはコートを脱いでおきましょう。

冬の面接や説明会の服装は?

面接や説明会の服装は季節によって大きく変わるものではありません。季節を問わず、企業から指定された服装を選びます。コートやマフラー、手袋などの防寒具を使用しても問題ありませんが、会場に入る前に外しておきましょう。

監修者情報

監修者

監修者:遠藤 美穂子さん

新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。
現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。

資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

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