BtoB、BtoCとは、企業の取引形態を表すビジネス用語です。BtoB企業とBtoC企業では、ビジネスの顧客となる対象やマーケティング・営業の手法などに違いがあります。
この記事では、BtoBとBtoCの意味や違い、BtoB企業やBtoC企業で働くメリットや向いている人も紹介します。BtoB、BtoC以外の混同しやすい言葉の意味も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- BtoBは企業間取引、BtoCは企業が消費者に商品やサービスを提供する取引のこと
- BtoCやBtoBは、扱う商材や取引規模、営業・マーケティングが異なる
- 自分に合った方向性を見つけるためには、自己分析で自分の適性を知ることが大切
監修者からのコメント

業界や企業を研究していると、「自社の商品が店舗に並んでいるとやりがいを感じる」「企業同士のスケールの大きな仕事がしたい」などの気持ちになるのではないでしょうか。企業と個人のどちらをお客さまとしたいかを考えながら企業研究を行い、ビジネスモデルを理解していきましょう。
目次[表示]
BtoBとBtoCとは?意味と定義を理解しよう
BtoBとは企業間取引、BtoCとは企業が消費者に製品やサービスを提供する取引を指します。toの後の「B(Business)」は企業、「C(Consumer)」は個人の消費者を意味します。

「BtoB」は「B2B」、「BtoC」は「B2C」とも表記されることもあります。
BtoBとBtoCは、企業のビジネスモデルを理解するうえで基本となる考え方です。ここでは、それぞれの特徴や違いをわかりやすく紹介します。
BtoBとは:企業間取引
「BtoB(ビートゥービー)」とは、Business to Businessの略で、企業間取引のことです。具体的には、ある企業がほかの企業に対して商品やサービスを提供する取引形態を指します。
▼BtoBの例
業種 | 取引相手 | 提供する製品・ サービス |
---|---|---|
IT企業 | 業務の効率化や プロセス改善をしたい企業 | 勤怠管理・営業支援などの 業務用クラウドシステム |
製造業(部品メーカー) | 自動車メーカー・ 家電メーカーなどの 製造企業 | 完成品に使用する外装部品・ 電子部品など |
広告代理店・法人向けの コンサルティング会社 | サービスや商品を 販売する企業 | 広告戦略立案・ 販売促進支援・ 経営コンサルティング |
BtoB企業は、完成品を構成する部品や原材料を供給したり、業務効率化や売上支援といった取引先のビジネスを支えたりすることが企業活動の目的です。そのため、営業や提案活動では、論理的な説明や信頼関係を築くプロセスが重視されます。
BtoCとは:企業から消費者への取引
BtoC(ビートゥーシー)は、Business to Consumer/Customerの略で、企業が消費者に商品やサービスを提供する取引形態を指します。
BtoCでは、一般消費者全体を指す「Consumer」が使われますが、文脈によっては「Customer(カスタマー)」という言葉も使われることがあります。
ConsumerとCustomerの違い
・Consumer(コンシューマー):商品やサービスを消費する人々の総体を指す
・Customer(カスタマー):自社の商品やサービスを購入・利用する特定の顧客を指す
BtoC企業における顧客は一般の個人や家庭であり、おもに消費者に向けた広告や販売活動が行われます。例えば、小売業の店舗やネットショップで消費者向けに商品を販売する場合などが、BtoCの取引にあたります。
▼BtoCの例
業種 | 提供する商品・ サービス |
---|---|
アパレル・雑貨の 小売店 | 洋服 アクセサリー インテリア雑貨など |
飲食チェーン・カフェ | 食事 飲み物 くつろげる空間など |
サブスクリプション型 サービス | 定額で使える動画配信サービス スマートフォンアプリの学習ツールなど |
BtoCは顧客が個人であるため、「わかりやすさ」「トレンド感」「使いやすさ」など、消費者目線に立った工夫が求められます。販売する商品やサービスそのものだけでなく、広告やSNSでのアプローチ方法、購入後の体験までを含めて「どうすれば選んでもらえるか」を考える点がBtoCビジネスの特徴です。
BtoBとBtoCの違い
BtoBとBtoCでは、対象の顧客や販売する商材、営業やマーケティング方法などに違いがあります。
BtoB | BtoC | |
---|---|---|
顧客 | 企業 | 消費者 (個人や家庭) |
商材 | 完成品のほか、 原材料やパーツ、ツールなど | 完成品 |
取引規模 | 大規模な取引(企業間取引) | 小規模な取引 (個人との取引) |
営業 | ・個別の提案や交渉 ・長期的なビジネスパートナーシップ | ・大量販売、消費者への一斉販売 ・まれに個別の取引 |
マーケティング | ・専門的な情報や効果を強調 ・顧客ニーズに合わせたカスタマイズ | ・消費者に向けた広告や販売活動 ・ブランドイメージの構築 ・消費者の感情やトレンドに訴求 |
購買単価 | 高い | 低い |
意思決定までの 時間 | 長い | 短い |
購買までの プロセス | ・社内検討・承認を経て購入 ・意思決定者が多く、 購買までに時間がかかる | ・消費者がその場で判断し購入 ・広告やSNS投稿、 店舗での体験が購買に直結する |
企業や業界によって個別の要素や特徴が異なる場合がありますが、一般的な違いをカテゴリ別で解説します。
商材
BtoB企業では、ほかの企業や組織向けに製品やサービスを提供しています。例えば、ITソフトウェアや業務用機器、コンサルティングサービスなどが該当し、最終製品のための原材料供給やビジネスプロセスや業務の効率化、利益最大化などに関連するものが多いです。
一方でBtoC企業が扱う商材は、個人消費者向けの商品やサービスです。例えば、生活用品などの一般消費財や衣料品、家電製品、エンターテインメントサービスなどがあります。個人の生活やライフスタイルに密接に関わるものが多い点が特徴です。
営業手法
BtoB企業の営業では、長期的なビジネスパートナーシップや関係構築が重要です。営業担当者は、企業間の契約や提案に対して交渉や調整を行います。顧客のニーズを理解し、課題や問題を効果的に解決する方法を提供することが求められます。
BtoC企業の営業手法は、個別の取引や大量販売が一般的です。個人消費者に対して、商品やサービスの魅力や利点を強調することが重要です。店舗への来店客に対面で対応したり、オンライン店舗で販売する際に電話やメールでサポートを行ったりします。
マーケティング
BtoB企業のマーケティングは、専門的な情報や実績を強調し、顧客のビジネスニーズに合わせて提案をカスタマイズすることが重要です。購買の意思決定においては、製品の信頼性や安定した品質が重視される傾向があります。
BtoC企業のマーケティングは、消費者の感情やトレンドに訴求し、ブランドイメージを構築することが重要です。広告やSNS、セールスプロモーションなどを使用し、個人の心理や好みに訴えかけ、感情やエンターテインメント要素の影響を受けて購入されることが多いです。
購買までのプロセス
BtoBの場合、商品やサービスの導入前に社内での検討や承認が必要です。上司や経営層、関係部門など複数の関係者が意思決定に関わるため、契約締結までに時間がかかります。営業でも一度で契約に至ることは少なく、信頼関係を築きながら、論理的な提案や資料提供を重ねていく必要があります。
BtoCの場合は、消費者がその場で「いいな」と感じればすぐに購入につながることも多く見られます。広告やSNSの投稿、店舗での接客や体験がそのまま購買行動を促すため、「今ほしい」と思わせる仕掛けが成果に直結します。
企業が利益を得る仕組み
BtoB企業では、1件あたりの取引金額が大きく、数百万円〜数千万円にのぼることもあります。年間契約などを通じて、安定的かつ継続的な収益を確保するビジネスモデルが主流です。扱う商材によって取引社数は異なりますが、企業同士の取引は担当者が代わっても続くのが理想的であり、1社1社との関係を深めることが安定した売上・収益の実現につながります。
一方、BtoC企業は、比較的安価な商品やサービスをより多くの人に販売し、売上を確保するスタイルです。新規顧客を獲得するだけでなくリピーターを増やしていくことも重要で、ユーザー数の拡大がそのまま利益につながります。
BtoB企業で働くメリット
BtoB企業は取引相手が企業であることから、BtoCとは異なるやりがいや成長機会が多くあります。ここでは、BtoB企業で働くことで得られる代表的なメリットを3つご紹介します。
大規模な取引・ビジネスに携われる
BtoBビジネスは、企業同士の取引であるため、BtoCと比べて一件あたりの取引規模が大きくなることが多いです。
大量の商品供給や数百万円〜数千万円規模の契約を担当することもあり、自分が関わった仕事が取引先企業の業績や業界全体の動向に影響を与えることもあります。
大きな責任が伴いますが、だからこそ「自分の仕事が産業や経済に貢献している」という実感を得やすく、ビジネスのスケール感を味わいながら働けるのが特徴です。成果が数字や業績として明確に表れるため、やりがいや成長の実感を得られる環境だといえるでしょう。
一社ごとに深く向き合い、提案の幅を広げられる
BtoB企業の営業や企画業務では、取引先企業との長期的な信頼関係の構築が重要です。単に製品やサービスを販売するだけでなく、顧客企業の課題を深くヒアリングし、解決策を提案しながら伴走していくスタイルが主流となります。
例えば、IT企業の営業担当者は取引先との窓口として商談から契約、導入後の運用サポートまで一貫して担当することもあり、表面的な商品説明にとどまらない提案活動を行えます。顧客企業と真摯に向き合いながら、自らの提案力や課題解決力を磨ける点は、BtoBならではの魅力です。
専門性を高め、ビジネススキルを磨ける環境がある
BtoB企業では、特定の業界や顧客ニーズに特化した製品・サービスを取り扱うことが多いため、仕事を通じて自然と専門性が身につく環境にいるといえます。業界知識や製品に関する理解が深まることで、より質の高い提案ができるようになるでしょう。
また、入社後にはトレーニングや研修プログラムが充実している企業も多く、段階的にスキルアップしていけるのも特徴です。

複雑で高度な課題を扱う機会も多いため、若いうちから実践的なビジネススキルが身につけられます。
BtoB企業で働くデメリット
BtoB企業では、営業は受注までに時間がかかることが多く、すぐには成果を実感しにくい側面があります。契約金額が大きいため、提案から契約まで数カ月以上かかることもあり、すぐに反応が返ってくる仕事がしたい方にはもどかしさを感じる場面があるでしょう。
また、BtoBのサービスや製品は一般に知られていないものも多く、自分の仕事が社会でどう役立っているかが見えにくいことがあります。「自分の成果が表に出るのがうれしい」「多くの人に直接喜ばれたい」という方には物足りなさを感じるかもしれません。
BtoC企業で働くメリット
BtoC企業で働くメリットは、次の3点です。
消費者の直接的な影響力を感じられる
BtoC企業では、自分が関わった商品やサービスがそのまま消費者の手に届きます。そのため、ユーザーの声や反応を直接感じやすい環境で働けるのが特徴です。
SNSでの口コミやレビュー、店舗での売れ行き、イベントでの盛り上がりなど、成果が目に見える形で返ってくるため、「自分の提案や企画が誰かの生活を豊かにしている」「自社のサービスが誰かの役に立っている」と実感しやすいでしょう。

ダイレクトな反応が日々のモチベーションとなり、自らの成長にもつながっていきますよ。
身近な商品やサービスに関わることで、自然と愛着が持てる
BtoC企業の多くは、食品や日用品、アパレル、家電、エンタメなど、私たちが学生時代から親しんできた商品やブランドを扱っています。「昔から好きだったブランドに携わりたい」「自分の生活に役立ってきた製品に貢献したい」といった思いが、働くモチベーションに直結しやすい環境です。
身近な商品に携わることで自然と愛着が生まれ、「よりよいものを届けたい」という責任感やこだわりが芽生えやすくなります。自分が好きな商品やサービスに関わることで、仕事への熱意や楽しさを持ち続けられるでしょう。
変化の早い市場でスピード感と挑戦を楽しめる
BtoC企業では、市場の需要や消費者のなかでのトレンドの変化に迅速に対応することが求められます。これは、日々移り変わるニーズを理解した企画提案の経験を積む機会になります。
例えば、SNSの話題や季節に合わせたキャンペーン企画、新商品の開発などに素早く取り組むことが多く、自らアイデアを形にする機会も豊富です。スピーディな意思決定とイノベーションの経験を通じて、自分のリサーチ力や創造性が鍛えられるでしょう。

「スピード感を持って新しい挑戦をしたい」「自分のアイデアをすぐに形にしたい」という方にとっては、BtoC企業はやりがいを感じやすいフィールドでしょう。
BtoC企業で働くデメリット
BtoC企業は、消費者と近い距離で仕事ができる点が魅力ですが、その分スピード感や変化への対応力が求められる環境でもあります。トレンドや季節によって売れ筋の商品が変わるため、常に市場の動きを把握しながら新しいアイデアを出し続ける必要があります。
また、BtoC企業では消費者の反応がダイレクトに届くため、うれしい声だけでなく、クレームや批判の声にも向き合う場面が出てきます。SNSや口コミサイトが普及しているからこそ、一つの対応が瞬く間に多くの人へ共有されることもあり、企業のブランドイメージを守るための丁寧な対応が欠かせません。お客様一人ひとりと誠実に向き合いながら、冷静に状況を判断し、柔軟に対応できるスキルが求められます。
働くならBtoBとBtoC、どっちが自分に向いている?
ここでは、BtoB企業・BtoC企業に向いている人の特徴を具体的に解説します。
BtoB企業に向いている人の特徴
BtoB企業に向いている人の特徴は、次のとおりです。
ビジネス全体を俯瞰して考えるのが好き
BtoBの仕事では、単に商品やサービスを提供するだけでなく、取引先企業のビジネス全体を理解し、その成長や課題解決にどう貢献できるかを考える視点が求められます。
例えば、製造業の企業に新しい部品を提案する際には、コスト削減だけでなく生産効率や品質向上といった多面的な観点から提案を行うことが重要です。仕組みづくりやビジネス全体を考えるのが好きな方にとって、BtoBの仕事はやりがいにつながるでしょう。
分析・論理的思考が得意
BtoBの営業や提案では、感覚的に訴えるよりも論理的な説明や実績データに基づいた説得力が重視されます。効果を数値で示したり、課題の根本を把握して改善策を提案したりと、筋道の通った分析・思考が必要です。
「問題を発見して解決することが好き」「数字やロジックで話すのが得意」という方は、BtoBで力を発揮しやすいでしょう。
専門性を高めてプロとして成長したい
BtoB企業では、特定の業界や分野に深く関わることが多く、専門知識やスキルを継続的に磨いていく環境が整っています。例えば、企業向けのITサービスを扱う場合、システムの基本理解に加え、セキュリティ・業務フロー・業界特有の課題まで幅広い知識が求められます。
「一つの分野を極めたい」「お客様に信頼されるプロフェッショナルとして成長したい」という方は、BtoBで活躍しやすいでしょう。
BtoC企業に向いている人の特徴
BtoC企業に向いている人の特徴は、次のとおりです。
消費者目線で物事を考えるのが得意
BtoC企業では、商品やサービスを「個人消費者にどう届けるか」を常に意識することが求められます。例えば食品メーカーの場合、「どんなパッケージが手に取りやすいか」「どんなネーミングなら親しみを持ってもらえるか」など、消費者の視点から商品や施策を考える必要があります。
普段から身近な商品や広告を観察して「自分だったらこうする」と考えるのが好きな方にとって、BtoC企業はその感性を活かせる環境です。
スピード感のある仕事やトレンド変化が好き
BtoC企業が相手にする市場は、トレンドや消費者ニーズの変化が激しく、それに応じた柔軟な対応力が求められます。新商品の投入、SNS施策、広告の効果検証など、スピード感を持って対応する機会が豊富です。
「常に新しいことに挑戦したい」「結果がすぐに見える環境で働きたい」と感じる方は、BtoC企業が向いているでしょう。
ユーザーの反応をすぐに感じたい
BtoCの魅力は、自分の仕事の成果がダイレクトに返ってくる点です。SNSでの評判や店舗での反応など、消費者のリアルな声を日々感じながら働けます。
「自分の手がけたものが売れているのを見るとうれしい」「ありがとうの声を聞くとモチベーションが上がる」という方にとって、BtoCはやりがいを感じやすいフィールドです。

BtoBかBtoCかを選ぶときは、「向き不向き」だけでなく「好きか」「苦手か」という観点でも考えてみることをおすすめします。また、BtoBといっても製造業とコンサルティング業はビジネスモデルが違いますから、業界研究・企業研究を丁寧に行い、自分が働く姿を想像してみてください。
BtoB・BtoCと混同しやすいビジネスモデル
企業には、BtoBやBtoC以外にもビジネス形態を表すさまざまな用語があります。
- CtoC(Consumer to Consumer)
- DtoC(Direct to Consumer)
- BtoG(Business to Government)
- BtoE(Business to Employee)
- BtoBtoC(Business to Business to Consumer)

それぞれの意味や特徴を理解することで、ビジネスモデルの違いがより明確になりますよ。
CtoC(Consumer to Consumer):消費者同士が取引する
CtoCとは、「Consumer to Consumer」の略で、消費者同士が商品やサービスを直接やり取りする取引ビジネスモデルを指します。代表的な例としては、フリマアプリや宿泊予約サイトなどが挙げられます。これらのサービスは、スマートフォン一つで個人同士が簡単に売買や取引を行えるのが特徴です。
なお、CtoCプラットフォームを運営する企業自体はBtoC型ですが、実際の取引はユーザー同士のCtoCとして行われます。
DtoC(Direct to Consumer):企業が消費者に直接サービスを届ける
DtoCとは、「Direct to Consumer」の略で、企業が中間業者を介さずに、自社商品を直接消費者に販売するビジネスモデルを指します。例えば、アパレルブランドが実店舗を持たずオンライン販売に特化したり、メーカーが代理店を介さずに自社サイトで商品を届けたりする場合がDtoCに該当します。中間流通を省くことで、ブランドイメージの統一や顧客ニーズに即したサービス提供が可能になります。

近年は、自社ECサイトやSNSを活用し、メーカーやブランドが消費者とダイレクトにつながることが増えています。
BtoG(Business to Government):企業が政府や公共機関にサービスを提供する
BtoGは、「Business to Government」の略で、企業が官公庁や地方自治体、公共機関に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルです。一般消費者ではなく、国・自治体・教育機関・公共施設などが顧客となる点が特徴です。
具体的には、行政向けの予約システムやチャットツールの開発、施設管理や地域課題解決のためのさまざまな業務などが含まれます。公共性が高く、社会インフラを支える重要な役割を担うビジネスモデルです。
BtoE(Business to Employee):企業が従業員に向けたサービスを提供する
BtoEとは、「Business to Employee」の略で、企業が従業員に向けた商品やサービスを提供するビジネスモデルです。自社の社員に限らず、他社の社員を対象にすることもあります。
例えば、自社の社員が利用する福利厚生制度としての社員食堂の提供や、他社オフィスにお菓子を設置・販売するサービスがBtoEに該当します。従業員の満足度向上や働きやすさをサポートすることが目的であり、企業の人材定着やエンゲージメント向上にもつながるビジネスモデルです。
BtoBtoC(Business to Business to Consumer):企業が他企業を通じて消費者にサービスを提供する
BtoBtoCは、「Business to Business to Consumer」の略で、企業が他企業を介して、最終的に一般消費者に商品やサービスを提供するビジネスモデルを指します。メーカーが小売店に商品を卸し、その小売店が消費者に販売する流通構造が典型例です。
また、企業がECモールに出店して商品を販売する形式もBtoBtoCに該当します。このモデルでは、企業向けの提案スキルと消費者目線の商品設計・マーケティング力の両立が求められるため、BtoBとBtoC両方の視点を持つことが重要になります。
-
-
自己分析のやり方7選|簡単にできる診断ツールや注意点を解説【就活】
自己分析とは、過去を振り返って自分を理解し言語化することです。この記事では、自己分析の方法7選や注意点、行き詰まったときの対処法などを解説します。無料で利用できる自己分析ツール5選も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
BtoBやBtoCの就職先の探し方
ここでは、BtoB・BtoCそれぞれの就職先を探す際に活用したい方法を紹介します。
キャリア支援センターを活用する
学校のキャリア支援センターや就職支援機関では、企業情報や就職イベントの案内だけでなく、進路に関する個別相談やアドバイスも受けられます。「自分に合う働き方をどう選べばよいか悩んでいる」という場合も、キャリアアドバイザーに相談することで客観的な視点からアドバイスがもらえます。

自分だけでの判断が難しいときは、第三者の意見を取り入れることで新たな選択肢が見えてくることもありますよ。
就職情報サイトを活用する
就職情報サイトでは、企業ごとの業種・職種に加え、BtoBかBtoCかといった取引形態や顧客層などもチェックできます。気になる企業を検索・比較できるだけでなく、説明会の予約やES(エントリーシート)の管理なども一括で行えるため、効率的に情報収集できます。
また、各企業ページには企業の強みや働き方の特徴なども掲載されており、自分がどんな職場で働きたいかをイメージしながら候補を絞り込めます。
-
-
業界研究のやり方|今すぐ始められるポイントや効率的な情報収集方法を紹介
業界研究とは、業界の種類や特徴を調べて理解することです。この記事では、業界研究のやり方や調べる内容、情報を得る方法などを詳しく解説しています。志望業界が決まっていない学生向けのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
-
-
企業研究のやり方5ステップ!ノート・シートの作成方法や就活への活かし方を解説
就活における企業研究は、企業の詳細な情報を収集し分析するプロセスです。この記事では、企業研究のやり方を5ステップで解説します。情報収集の方法や企業研究で得た情報を就活で活かすポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
就職四季報・業界地図を使って企業を調べる
『就職四季報』や『業界地図』などの書籍は、BtoBとBtoCの違いを体系的に学ぶのに適しています。業界ごとの売上規模、主要企業、取引先との関係性が図解されているため、「この業界はBtoB色が強い」「この企業はBtoCも展開している」といった業界構造を理解できます。
知っている企業名だけで企業選びを進めるのではなく、業界全体を俯瞰しながら自分に合ったフィールドを見つけたい方におすすめの方法です。
説明会やイベント・インターンに参加する
合同説明会や会社説明会、業界イベントに参加することで、企業や業界の特徴を直接把握できます。BtoBとBtoCの仕事内容の違いを、実際に働いている社員の声からリアルに感じ取れるのがメリットです。
興味のある企業が見つかった場合は、インターンシップに参加してみましょう。インターンシップを通して実際の業務を経験することで、自分に合っているかどうかを具体的にイメージできるようになります。

BtoBとBtoCのどちらに向いているか悩んでいる方は、体験を通して理解を深めるのがおすすめです。
-
-
合同説明会の探し方と参加するメリット|服装と持ち物・有意義な参加方法を紹介
合同説明会には、就活のモチベーションを高める、知らない業界・企業に対する理解を深められるなどさまざまなメリットがあります。一度に幅広い企業について知れるチャンスであるため、都合が合う方は積極的に参加してみましょう。
続きを見る
-
-
会社説明会とは?当日の流れや基本マナー、質問のポイントを解説
会社説明会とは、企業が自社を知ってもらうために開催する説明会のことです。会社説明会は、Webサイトなどでは理解できない、独自の情報や先輩社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。気になる業界、企業の会社説明会に参加して、より多くの情報を集めていきましょう。
続きを見る
-
-
インターンシップとは?プログラムの探し方・募集開催期間・参加するメリットを解説
インターンシップとは職業体験を通じて、実力を確かめる・発揮する場所です。今あるスキルを確かめながら伸ばせる機会になるため、時間を確保できる方は積極的に参加しましょう。選考が実施されるインターンシップでは、書類作成や面接の練習も必要です。
続きを見る
よくある質問
BtoBとBtoCの違いは何ですか?
BtoBは企業間取引を指し、企業向けに製品やサービスを提供します。一方のBtoCは、企業が個人の消費者に商品やサービスを提供する取引形態です。顧客層・営業手法・単価などが異なります。
詳しくは「BtoBとBtoCとは?意味と定義を理解しよう」をご覧ください。
BtoBとBtoCそれぞれの市場規模はどれくらいですか?
経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」 によると、BtoB ECは465.2兆円、BtoC EC24.8兆円です。※EC市場のみのデータです。
BtoBとBtoCの営業の違いは何ですか?
BtoBの営業では、企業に対して個別での提案・交渉を行います。長期的な関係構築や提案型営業が中心で、取引単価が高いのが特徴です。一方のBtoCの営業は、大量販売・消費者への一斉販売が一般的で、スピード感や商品訴求力が重視されます。
BtoBとBtoCのビジネスを両方行う企業はありますか?
BtoBとBtoCのビジネスを両方行う企業はあります。製品を企業向けに卸しながら、個人にも自社ECサイトで販売する企業などもあります。
監修者情報

監修者:遠藤 美穂子さん
新卒で東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行、営業店・本部にて法人営業に携わるほか、新人研修講師、採用面接官も経験。
現在はキャリアコンサルタントとして大学での就活支援、キャリア系講義、社会人向けのビジネスマナーやキャリア開発研修などを行っている。
資格:国家資格キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士