人と関わる仕事一覧！職種別に向いている人・やりがい・仕事選びのコツを解説

「人と関わる仕事がしたい」と思っていても、具体的にどんな職種があるのか、何を基準に選べばいいのか迷っていませんか？

本記事では、接客・営業・医療・教育・観光などの人と関わる仕事の職種に紹介し、それぞれの向いている人・やりがい・厳しさも解説。さらに、上手な仕事選びのポイントも紹介します。

人と関わる仕事とはどんな仕事？

人と関わる仕事は、業務のなかで他者とのコミュニケーションや協力が欠かせません。顧客対応や社内外の人とのチーム連携など、対人スキルや共感力が活かされるシーンが多くあります。人と関わる仕事＝接客業や営業職を思い浮かべるかもしれませんが、実際には教育・医療・福祉・公務員など、幅広い分野に存在しています。

人と関わる仕事は、関わる相手によって次の2種類に分けられます。

• BtoC（Business to Consumer）：個人のお客様と接する仕事（例：販売員、カウンセラー、飲食店スタッフなど）
• BtoB（Business to Business）：企業や団体を相手にする仕事（例：法人営業、コンサルタントなど）

自分に合った仕事を見つけるためには、「誰に」「どんな価値を提供したいか」を考えることがポイントです。ここからは、人と関わる仕事を「サービスを提供する仕事」「人を助ける・支援する仕事」「人に教える仕事」の3分類に分けて紹介します。

こちらもチェック

BtoB・BtoCとは？違いや向き不向き、就職先の探し方までわかりやすく解説

BtoBとBtoCは、「誰を顧客に価値を届けるか」を示すビジネス用語です。本記事ではBtoBとBtoCの概要や違い、BtoBのBtoC以外の混同しやすい言葉の意味を紹介します。BtoB企業・BtoC企業のメリットや向いている人の特徴も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

続きを見る

サービスを提供する仕事

サービスを提供する仕事とは、目の前のお客様に直接価値を届ける仕事です。例えば、飲食店のスタッフや販売員、ホテルのフロント、美容師などが該当します。お客様の反応をその場で感じられるため、やりがいや達成感を得やすいのが特徴です。

また、企業に対してサービスを提供するBtoBの職種も多数存在します。例えば、法人営業やITコンサルタント、広告代理店の営業・制作担当などが挙げられます。これらは相手の課題に対して専門性をもって応える仕事です。

サービスを提供する仕事では、相手のニーズを把握し適切な言葉や態度で対応する力に加え、気配りや思いやりを持って接するホスピタリティ・共感力が求められます。

人を助ける・支援する仕事

困っている人を支えたり、生活をサポートしたりする仕事です。感謝の言葉を直接もらえることが多く、人の役に立てている実感が湧きやすいでしょう。人の人生や健康などと深く関わるため、共感力や傾聴力、冷静な判断力などが必要とされる仕事が多いです。

人に教える仕事

教育的な役割を担い、相手の成長を支える仕事です。知識をわかりやすく伝える力に加えて、相手の理解度や変化に気づける観察力も大切です。

教育系に限らず、企業での新人研修やスキル指導を行う研修講師なども含まれ、キャリア支援や人材育成に興味がある方にも向いています。

人と関わる仕事に向いている人の特徴

「人と話すのが好き」「接客にやりがいを感じる」といった理由から、「人と関わる仕事に向いているかも」と感じる学生は多いかもしれません。しかし、実際の現場ではそれだけではなく、もっと多面的なスキルや資質が求められます。

ここでは、人と関わる仕事に向いている人の特徴を紹介します。

相手の立場になって考えられる

人と関わる仕事では、自分が話すこと以上に「相手の気持ちをくみ取る力」が重視されます。特にクレーム対応や介護、カウンセリングなどでは、相手の立場になって考え気持ちに寄り添える姿勢がポイントです。

次のような特徴を持つ方は、対人支援の仕事でも活躍しやすいでしょう。

• 相手の表情や言葉の裏を自然に読み取れる
• 落ち込んでいる人を見たとき、放っておけない
• 人から相談されることが多い

聞き上手である

「話す力」以上に、「聞く力」が役立つ職種は多くあります。営業や接客、医療、教育などでは、相手の話をしっかりと聞くことが信頼関係構築の第一歩になります。

次のように聞く姿勢がある方は、コミュニケーション重視の仕事に向いています。

• 相手の話をさえぎらず、最後まで聞ける
• 話の要点を整理して理解できる
• 友人などから「話しやすい」といわれることが多い

ポジティブな雰囲気をつくれる

常にお客様やチームと関わる仕事では、自分の感情を安定させ、ポジティブな雰囲気をつくることも大切です。ポジティブな雰囲気をつくれる方の特徴は、次のとおりです。

• イライラや不満を顔に出さない
• 落ち込んでも立ち直りが早い
• 困難な状況でも前向きに対応できる

人前で感情的になることが少ない、周囲を明るくする存在であると感じる方は、人と関わる職種で力を発揮できるでしょう。

柔軟に対応できる

接客や営業、医療、介護などの仕事では、想定外のトラブルや状況の変化が時折起こります。そうしたなかでも、慌てずに冷静に対応できる柔軟性は大きな強みです。

次のような対応ができる方は、柔軟性が高いと考えられます。

• 急な予定変更にも冷静に対処できる
• 突然のトラブルにも動じない
• 一度決めたことに固執せず、状況に応じて判断できる

変化の多い環境でも自分らしく働ける方は、現場で信頼されやすい傾向にあります。

人と関わる仕事一覧【向いている人・やりがい】

ここでは、人と関わる仕事のなかでも代表的な職種を紹介します。

カテゴリ	職種	仕事内容
接客・販売系	アパレル店員	お客様への商品提案・コーディネート
	飲食店スタッフ	注文受付・配膳・レジなど店舗運営全般
	ホテル・旅館の フロントスタッフ	チェックイン・アウト対応、観光案内
教育・福祉系	保育士・幼稚園教諭	子どもの成長支援・生活サポート
	介護士	高齢者や障がい者の生活支援
	塾講師・学校教師	教科指導・進路支援
営業・コンサル系	法人営業・個人営業	製品やサービスの提案・販売
	人材コンサルタント キャリアアドバイザー	採用・キャリア支援
医療・公共サービス系	看護師・医療事務	医療ケア・受付・事務対応
	公務員	住民対応・行政手続き
	カウンセラー・相談員	相談対応・心の支援
観光・レジャー系	旅行代理店スタッフ	旅行プラン提案・手配
	テーマパークスタッフ	アトラクション・接客・案内
クリエイティブ・企画系	広告担当・Webディレクター	企画・進行管理・クライアント対応
	商品企画・開発	新商品企画・開発・連携

接客・販売系

接客・販売系は、お客様と直接関わる機会が多く、感謝の言葉をもらえることが多い分野です。会話力や臨機応変な対応力が活かされます。

アパレル店員

アパレル店員は、来店したお客様に対して、商品の提案や試着の案内、コーディネートのアドバイスなどを行います。トレンドやブランド知識も求められるため、ファッションの情報を調べたり、新しいアイテムを買ったりすることが好きな方には特に向いている仕事です。

飲食店スタッフ

飲食店スタッフは、注文受付や配膳、片付け、レジ業務など幅広く対応し、店舗の円滑な運営を支える仕事を行います。忙しいなかでもチームで協力し合う現場力が求められます。

ホテル・旅館のフロントスタッフ

ホテル・旅館のフロントスタッフは、チェックイン・アウト対応や予約管理、観光案内など、おもてなしの中心を担う業務を行います。日本に訪れた外国人観光客と関わる機会も多く、英語力を活かせる職種のひとつです。

こちらもチェック

【新卒必見】英語を活かせる仕事一覧｜業界・職種別に解説

英語を活かせる仕事はさまざまで、業種や職種によって求められる英語力は異なります。この記事では、英語を活かせる仕事の種類や業務内容、必要とされるTOEICスコアの目安、英語を活かせる仕事の探し方などを紹介します。

続きを見る

教育・福祉系

教育・福祉系は、子どもや高齢者、障がいのある方などと密に関わりながら信頼関係を築く仕事です。「人の成長や生活を支えたい」という気持ちがやりがいにつながります。

保育士・幼稚園教諭

保育士・幼稚園教諭は、乳幼児や未就学児の成長を支える教育・福祉の専門職です。子どもと遊ぶだけでなく、子どもの年齢や発達段階にあわせた生活支援・教育活動を通じて、心身の成長を促す重要な役割を担います。

介護士

介護士は、高齢者や障がいのある方の日常生活を支える専門職です。具体的には、食事・入浴・排泄・移動といった身体介助に加えて、掃除や洗濯などの生活援助、さらに日々の会話やレクリエーションも実施を通じて利用者の心のケアにも携わります。

塾講師・学校教師

塾講師や学校教師は、子どもや学生に学びを通じて成長を促す教育のプロです。知識を教えるだけではなく、生徒一人ひとりの理解度や性格、悩みに寄り添いながら、学力面・精神面の両方を支える役割を担います。特に義務教育や高校・大学受験など大きな節目に関わる場面が多く、将来の進路や人生観に影響を与える存在でもあります。

営業・コンサルティング系

営業やコンサルティング職は、企業や個人の課題やニーズを把握し、自社の製品・サービスを通じて解決策を提案する仕事です。商品を「売る」だけではなく、信頼関係の構築、課題の深掘り、課題解決までを一貫してサポートするプロフェッショナルとしての姿勢が求められます。

法人営業・個人営業担当者

法人営業は、企業を相手に自社の商品・サービスを提案・販売する仕事です。個人営業は、個人の顧客に向けて住宅・保険・自動車・金融商品などを提案します。どちらも顧客のニーズを的確に捉え、信頼関係を築きながら課題を解決していく力が求められます。

人材コンサルタント・キャリアアドバイザー

人材コンサルタントやキャリアアドバイザーは、企業と求職者の双方と向き合い、「人材の適切なマッチング」を支援する仕事です。

法人側に対しては、「どんな人材をいつまでに採用したいのか」「どんなスキルや経験を重視するのか」といった情報をヒアリングし、自社の登録人材や求人広告を活用して適切人材を提案します。求職者側に対しては、これまでの経験や希望条件、将来のキャリアビジョンを一緒に整理し、求人紹介や面接対策、入社後のフォローまでトータルで支援します。

医療・公共サービス系

医療や公共サービスの仕事は、社会の安全・健康・生活を支える縁の下の力持ちとして、多くの人と関わる重要な役割を担います。患者や住民、相談者など、立場や背景が異なる人たちと接するため、思いやりや正確な対応力、信頼を築く姿勢が必要不可欠です。

看護師・医療事務スタッフ

看護師は、医師の指示のもとで患者の健康管理や処置、服薬管理、生活支援などを行う専門職です。医療事務スタッフは、受付対応・カルテ管理・会計・保険請求など、医療現場の運営を事務面から支えます。

公務員（市役所・役所など）

市区町村や都道府県などの自治体で働く公務員は、地域住民の生活に密接に関わる行政サービスの最前線に立ちます。窓口対応や書類受付、各種申請の処理、地域イベントの運営など、業務は多岐にわたります。

カウンセラー・相談員

カウンセラーや相談員は、悩みを抱える人に寄り添い、問題の整理や心のサポート、具体的な解決策の提案を行う支援職です。対象は学生や企業で働く人、地域住民、被災者、犯罪被害者などさまざまで、一人ひとりの心情や背景に深く向き合う力が必要です。

観光・レジャー系

観光・レジャー系の仕事は、旅や非日常の体験を通じて人に喜び・思い出・感動を提供する職種です。相手にあわせたサービス提供が重要であり、対面接客のなかでもホスピタリティの高さが特に求められる分野です。

旅行代理店スタッフ

旅行代理店スタッフは、お客様の要望にあわせて旅行プランを提案・手配し、理想の旅を形にする仕事です。カウンター業務のほか、電話・メールでの問い合わせ対応、航空券やホテル、ツアーの予約、トラブル対応など、業務範囲は多岐にわたります。

テーマパークスタッフ

テーマパークスタッフは、アトラクションの運営、案内業務、物販・飲食の接客、園内の安全管理などを通して、来園者に非日常の体験を提供する仕事です。現場で演出・接客・安全管理を同時にこなします。

クリエイティブ・企画系

クリエイティブ・企画系は、一見「モノづくり」のイメージが強い分野ですが、実際はクライアントやチームとの密なコミュニケーションが欠かせません。企画提案やヒアリングを通じて人と関わる機会が多い仕事です。

広告担当者・Webディレクター

広告やWeb制作の現場で、クライアントの要望をヒアリングし、適切なクリエイティブ（広告・Webサイト・動画など）を実現するための橋渡し役を担う仕事です。

広告担当者は、販促戦略やメディア出稿の提案・運用を行うことが多く、「どうすれば商品やサービスをより多くの人に届けられるか」を考える発想力と分析力が求められます。Webディレクターはデザイナー・エンジニア・ライターなど多くの職種と関わり、納期・品質・費用を意識しながらプロジェクトを進行管理します。

商品企画・開発担当者

商品企画・開発担当者は、消費者ニーズや市場の声をもとに、新しい商品やサービスを生み出す仕事です。マーケティング調査から企画書作成、試作品の検討、製造部門との調整、営業や販促との連携まで、社内外の多くの人と協力してアイデアを形にするのが役目です。

人と関わる仕事の選び方のポイント

「人と関わる仕事がしたい」と思って就職活動を始めたものの、実際に調べてみると選択肢が多くて迷ってしまうという声も多いようです。ここでは、自分にあった人と関わる仕事を見つけるための4つの視点をご紹介します。

「どう人と関わりたいか」を明確にする

一口に「人と関わる」といっても、関わり方はさまざまです。「楽しませたい」「支えたい」「教えたい」など、関わりの目的やスタイルによって向いている仕事は異なります。

まずは、自分がどんな関わり方にやりがいを感じるのかを振り返ってみましょう。

自分の性格・得意な対人スキルを把握する

人と関わる仕事では、聞く力・観察力・共感力・空気を読む力など、さまざまな対人スキルが活かされています。自己分析を通じて、「自分はどんなコミュニケーションが得意なのか」「どんな場面で人から頼られやすいか」を見つめ直してみましょう。

こちらもチェック

今すぐできる自己分析のやり方8選｜無料診断ツールや強みが見つからない理由も紹介

自己分析を行うことで、自分に合う業界・職種・企業が見つけやすくなります。それだけではなく、ESや面接で頻出する志望動機や自己PRなどで、独自性・具体性のあるエピソードを考えられるでしょう。就活が本格化する前に、自己分析を進めていきましょう。

続きを見る

やりがいだけでなく、負担や厳しさも理解する

人と関わる仕事は、感謝されたり、信頼されたりといったやりがいの大きい仕事です。しかし一方で、お客様や利用者から厳しい言葉を受けたり、急な予定変更やトラブル対応が発生したりと、精神的な負担がかかる場面が少なくありません。

「人と関わる仕事は好きだけど、実際に働いてみたら自分には合わなかった……」と後悔しないよう、職種ごとの厳しさにも目を向けておきましょう。

こちらもチェック

業界研究のやり方｜今すぐ始められるポイントや効率的な情報収集方法を紹介

業界研究とは、業界の種類や特徴を調べて理解することです。この記事では、業界研究のやり方や調べる内容、情報を得る方法などを詳しく解説しています。志望業界が決まっていない学生向けのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

続きを見る

こちらもチェック

企業研究のやり方5ステップ！ノート・シートの作成方法や就活への活かし方を解説

就活における企業研究は、企業の詳細な情報を収集し分析するプロセスです。この記事では、企業研究のやり方を5ステップで解説します。情報収集の方法や企業研究で得た情報を就活で活かすポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

続きを見る

関わり方を軸に職種を広げてみる

「職種名」から探し始めると、どうしても視野が狭くなりがちです。例えば「人に教えたい」なら、塾講師、教育研修、人材育成など多様な選択肢があります。人との関わり方の視点で選択肢を広げておくことが、職種選びの第一歩になるでしょう。

こちらもチェック

職種研究のやり方4ステップ｜知っておきたい職種一覧も紹介

就活で応募する企業を見つける第一段階として、自己分析や業界研究と合わせて行っておきたい作業に「職種研究」があります。 この記事では、効果的な職種研究のやり方を4ステップでわかりやすく解説します。就活前 ...

続きを見る

こちらもチェック

就活の軸の決め方｜見つからないときの考え方や業界別・職種別の例を紹介

就活の軸とは、企業や業界を選ぶうえで譲れない条件を指します。就活の軸を決めることで、自分なりの思いを中心に企業を選び、選考に臨むことができます。今はまだ決められていない方も、自己分析や他己分析などをすることで見つけられるでしょう。

続きを見る

よくある質問

人と関わる仕事には何がありますか？

接客・販売、営業、教育、医療、介護、カウンセラー、観光、ホテルなどがあります。顧客やチームと直接コミュニケーションを取りながら、価値を提供する仕事です。

人を助ける仕事には何がありますか？

介護士、看護師、社会福祉士、公務員（相談窓口）、カウンセラー、人材コンサルタントなどがあります。困っている人を支え、課題解決をサポートする仕事です。

土日休みで、人と関わる仕事には何がありますか？

法人営業、公務員、学校教師、企業内カウンセラーなどがあります。BtoB営業や行政・教育系の職種は、平日勤務・土日休みの働き方が多い傾向です。

外国人と関わる仕事には何がありますか？

ホテルスタッフ、観光案内所、空港職員、貿易事務、英語講師、国際営業、留学カウンセラーなどがあります。語学力を活かして国際的に活躍できる職種です。