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「存じます」の意味と使い方を例文つきで解説!正しい敬語を使いこなそう

存じます_意味_アイキャッチ

ビジネスシーンや就活の場では、相手に対して敬意を示す際に「存じます」という表現が使われることがあります。さまざまシーンで使えるので、意味や使い方を正しく理解しておくことがおすすめです。

ただし、「存じます」は使い過ぎると不自然な印象を与える恐れがあるので、注意が必要です。類義語や言い換え方も把握して、適切に使えるようにしておきましょう。

この記事でわかること

  • 「存じます」は一般的には上司や目上の人に対して使う言葉
  • 自分の意見や知識、要望を伝えるときなどに使用される
  • 「心得ております」「所存です」などと言い換えられる場合がある

ビジネスシーンで頻出の「存じます」の意味は?

「存じます」はビジネスシーンにおいて頻繁に使用される言葉で、会話やメール、ビジネス文書などで使用されます。正しい意味を理解したうえで、スマートに使えるようにしておきましょう。

 「存じます」は「思う」「知る」の謙譲語

「存じます」は「思う」「知る」の謙譲語である「存じる」に丁寧語の「ます」を合わせた言葉であり、目上の人に対して「自分の考え」や「お願いしたいこと」を伝える際に使われる表現です。

相手に対して敬意を示したい場面や、丁寧さを求められる場面でよく使われます。通常は目上の人に対して使う言葉であり、同僚や部下に対して使うことは一般的ではありません。

「存じます」の使い方と例文【シーン別】

「存じます」はさまざまなシーンで使える便利な表現です。ここでは、「存じます」の使い方と例文を以下のシーン別で紹介します。

自分の考えや意見を伝えるとき

相手に対してへりくだって自分の考えや意見を伝えるときに使用されます。「〜だと考えます」と同じ意味で、「存じます」を使うことで目上の人に対してややかしこまった印象を与えられます。

例文

  • おっしゃるとおりかと存じます。
  • Bのほうがよろしいかと存じます。
  • 今回のお話には貴重な学びがあったと存じます。
  • 各部署との連携をさらに強化すべきだと存じます。

自分の知識や認識を伝えるとき

自分がすでに知っていることについて述べる際にも使用できます。「知る」の対象が「人」の場合は、「存じ上げます」を使います。

人事

「存じ上げます」の使い方の詳細は「「存じます」と混同しやすい表現」で詳しく解説しています

例文

  • ご多忙のことと存じますが、ご確認いただけると幸いです。
  • 御社の経営理念は◯◯だと存じております。
  • 新しいプロジェクトについては存じませんでした。

要望や依頼を伝えるとき

相手に要望や依頼をするときに、へりくだってお願いするシーンでも使用することができます。

依頼するときに「〜してください」を使うと強制しているような印象を与えてしまうケースがありますが、「存じます」を使うことで、控えめで丁寧な印象を与えられます。

例文

  • 今回の提案についてご意見をお聞かせいただきたく存じます。
  • 今週中にご返信いただきたく存じます。
  • 日程調整をお願い申し上げたく存じます。
  • ご不明点があれば、お気軽にお問い合わせいただきたく存じます。

お礼をするとき

相手にお礼や感謝の気持ちを伝えるときにも使用できます。「大変ありがたいです」「光栄です」などの言葉は、お礼や感謝の表現として一般的ですが、「存じます」を追加することで、より丁寧な印象を与えることができます。

例文

  • ご協力いただき、大変ありがたく存じます。
  • そう言っていただけて光栄に存じます。

謝罪をするとき

自分に非・誤りがあったことを謙虚に受け止め、相手に対して謝罪の意を伝えたいときにも「存じます」を使用できます。

例えば、「申し訳ございません」といった謝罪の言葉を述べたあと、具体的にどう改善していくかを伝える際に「存じます」を使うことができます。

例文

  • 大変申し訳ございません。今後このようなミスが起こらないよう、スケジュール管理を徹底していきたいと存じます。
  • ご指摘いただいた点について、早急に対応させていただきたく存じます。
  • ご迷惑をおかけしてしまい、心から申し訳なく存じております。
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「存じます」と混同しやすい表現

「存じます」と似た言葉で「存じ上げます」「所存です」「ご存じ」がありますが、これらは意味が異なるため、使い分けが必要です。

それぞれの意味と使い方の例文を見ていきましょう。

存じ上げます

「存じ上げます」も「知っています」の意味で使われる言葉ですが、知っているものの対象によって「存じます」との使い分けが必要です。

  • 対象が「人」や「人の名前」の場合:「存じ上げます」を使用
  • 「知る」の対象が「人」以外(モノやコト)の場合:「存じます」を使用

例えば、「社長のおっしゃるとおりかと存じます」の場合、「知る」の対象は、「人(社長)」ではなく、「社長が言っていたこと(話の内容)」です。そのため、「存じます」を使用するということです。

一方で、対象が「人」や「人の名前」の場合は、謙譲の意味を強め、敬意を示すために「存じ上げます」を使用します。

例文

  • ◯◯様の功績は存じております(コトが対象)
  • 社長のお名前は存じ上げております。(人が対象)

所存です

「所存です」は、自分の意見や意向を伝える際に、敬意を表し、かつ控えめな表現で伝えるために使用します。

特に、ビジネスや公的な場でのコミュニケーションで使われる言葉で、上司や顧客など、敬意を必要とする相手に対して使うことが一般的です。

人事

考えや意見を伝える場合の「存じます」の言い換えとして使えます

例文

  • お客様と信頼関係を築くため、誠意を持って対応させていただく所存です。
  • 近日中に日程調整し、ご連絡差し上げる所存です。

ご存じ

「ご存じ」も「存じます」と似ていますが、「ご存じ」は尊敬語、「存じます」は謙譲語という違いがあります。

「ご存じ」は、おもに目上の人が知っていることを尋ねる際に使用し、「存じます」は、自分が主語になる際に使用します。

人事

目上の人が主語になるときは尊敬語、自分が主語になるときは謙譲語を使用します

例文

  • 弊社の新しいプロジェクトについてはご存じでしたか?
  • ご存じのとおり、当社は品質にこだわり、お客様から高い評価をいただいております。
  • ご存じかもしれませんが、来月の説明会はオンラインで行われることが決まりました。

「存じます」は使い過ぎに注意!

「存じます」はさまざまなシーンで使用できるため、つい使い過ぎてしまう場合があります。使いすぎると不自然な印象を与えたり、へりくだりすぎているような印象を与えたりする場合があるので注意が必要です。

ビジネスや就活のシーンでも、全てに「存じます」を使うのではなく、場面を選びながら使い分けることが大切です。

例えば、上司への日常的な報告をする際など、「存じます」よりも「です」「おります」のほうが適しているシーンもあります。

例文

△:プロジェクトの進捗については順調に進んでいると存じます。

◯:プロジェクトの進捗は順調に進んでおります。

人事

「存じます」は丁寧な表現ですが、日常的に使いすぎると違和感を与えてしまう可能性があるので注意しましょう

「存じます」の類義語・言い換えを使おう

前述したように、「存じます」は使い過ぎてしまうと不自然な印象を与えてしまう可能性があります。繰り返し使うと冗長な印象にもなるので、別の表現方法も知っておくことが大切です。

ここでは、「存じます」と同じようなシーンで使える別の表現を紹介します。

承知しています・承知しております

「存じます」と同じように「知っている」の意味を持つ言葉として「承知しています・承知しております」があります。

人事

「承知しています・承知しております」は、相手の話や情報を「理解した」ということをより強く示す表現です

相手からの情報に対して理解を示す際に「承知しています・承知しております」と言い換えてみましょう。

例文

  • 面接時間が変更になった旨は承知しております。
  • 新しい方針についてはすでに承知しています。
  • ご指摘の問題点について承知しております。

心得ております

「心得ております」は「存じます」と同じ謙譲語ですが、単に知っているだけでなく、「理解する」「事情を知って引き受ける」という意味を表します。

事情を理解し行動することを強調するシーンでは「心得ております」に言い換えることもひとつです。

例文

  • 御社の仕事内容については、心得ております。
  • ご指摘の件、心得ております。

ございます

「ございます」は、「です」「ます」の丁寧な表現にあたります。「存じます」のようにへりくだる意味合いはありませんが、丁寧な印象を与えられます。

例えば、「光栄に存じます」を「光栄でございます」のように言い換えることが可能です。

例文

  • そう言っていただけて光栄でございます。
  • 進捗については次回のミーティングで報告させていただく予定でございます。

所存です

「所存です」とは自分の意図や意見、考えを相手に対して控えめに伝えるために敬意を込めた表現です。特に、ビジネスや公的な場でのコミュニケーションで、相手に対する敬意を示すために使用されます。

より丁寧にする際には「所存でございます」を使用します。

例文

  • 書類は◯日に提出させていただく所存です。
  • ◯◯の業務に尽力する所存でございます。
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よくある質問

「存じます」の意味は何ですか?

「存じます」は、「思う」「知る」の謙譲語である「存じる」に、丁寧語の語尾の「ます」を合わせた言葉です。目上の人に対して自分の考えや知識、お願いしたいことを伝える際に使われます。

「存じます」と「存じ上げます」の違いは何ですか?

「存じます」と「存じ上げます」は、「知る」の対象が「人」かどうかで使い分けます。対象が「人」の場合は、より敬意を表す意味で「存じ上げます」を使用します。

「存じます」と「思います」はどう使い分ければいいですか?

「存じます」は、「思います」の謙譲語であり、目上の人に対して自分の考えや知識をへりくだって伝える際に使用されます。そのため、ビジネスシーンや面接など改まった場面で、目上の人や上司と話すときに使用することが一般的です。

「いただきたく存じます」の意味は何ですか?

「していただきたく存じます」「させていただきたく存じます」の表現は、相手に対して丁寧にお願いする際の言い回しです。日常語に言い換えると、「ほしいと思う」「させてほしい」という意味合いになります。

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