就活における面接対策では、適切な受け答えだけでなく、立ち振る舞いや言葉遣いなどの基本的なマナーも重要です。面接で使うマナーは、ビジネスシーンでさまざまな人とコミュニケーションをとる際にも役立つので、この機会に押さえておきましょう。
この記事では、面接当日の流れに沿ったマナーや服装・身だしなみ、言葉遣いのポイントを詳しく解説します。
マナーをしっかりと頭に入れておくことで、当日の行動に迷わず自信を持って面接に臨めるでしょう!
この記事でわかること
- 面接当日はオフィスに入る前からマナーに気を配る
- 面接では適切な敬語を使い、間違った敬語や二重敬語にならないよう注意する
- オンライン面接の場合も対面面接と同様に服装や身だしなみにも気を配る
面接のマナーが重要な理由
社会に出ると、さまざまな世代やバックグラウンドを持つ社員や顧客とのコミュニケーションをとることが日常になります。相手とのコミュニケーションや信頼関係を構築する際に役立つのが「マナー」です。
行動や言葉遣い、挨拶、身だしなみなどにより、印象は大きく変わることがあります。
株式会社マンダムが上場企業の新卒採用担当者を対象に行った「就活生の身だしなみと態度に関する調査」によると、9割以上の採用担当者が「身だしなみから受ける印象は選考に影響する」と回答しています。
この結果から、面接時の身だしなみが第一印象に大きく影響することがわかります。
また、採用面接において学生に求める重要な要素に関する質問では、「礼儀(78.9%)」と「清潔感(74.0%)」が同等に重要とされています。
礼儀(態度、言葉遣い)や清潔感で意識すべきポイントは、面接におけるマナーを学ぶことで明確になります。
この機会に面接時の基本マナーを確認し、具体的な準備を進めていきましょう!
面接当日の流れ順にわかる!対面面接の基本マナー
面接当日はおもに以下の流れで行われます。
ここでは、面接時に気をつけたいマナーを当日の流れに沿って解説します。
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1. 訪問・受付
面接は訪問・受付から始まります。会場となるオフィスの建物に入るときから、社員の目に留まるかもしれない意識を持つことが大切です。スマートフォンや携帯電話などの音の出る電子機器は、面接中に鳴らないように、オフィスの建物に入る前に電源を切っておきましょう。
コートやマフラー、手袋などの防寒具は、屋外で付着したホコリなどを持ち込まないためにも、建物に入る前に脱ぎましょう。脱いだコートは、丁寧にたたんで腕にかけておくことでスマートな印象を与えます。
また、面接に向かう前には、髪の乱れがないか、スーツにホコリやシワがないかも確認しておきましょう。
受付は10分前に済ませておく
ビジネスシーンでは時間厳守が重要です。面接会場には余裕をもって到着することが大切ですが、受付は10分前に済ませるようにしましょう。
担当者が面接の予定時間まで別の業務に取り組んでいることが多く、あまりに早い到着・受付はかえって迷惑をかけてしまう可能性があるからです。
遅刻を防ぐためには、事前に交通手段と所要時間を確認し、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。交通機関の遅延や迷ってしまった場合に備えて、通常よりも早めに家を出るようにしましょう。
早く到着し過ぎた場合は、オフィスの入口を確認した後、近くを散策して入社後をイメージするのもいいですね!
受付で学校名、氏名を名乗る
受付は、担当者が直接対応する場合と、電話やインターホンを通じての対応が必要な場合があります。担当者がいない場合は、指示に従って電話やインターホンを使用しましょう。
どちらの場合も、学校名、氏名、面接を受けに来た旨を聞き取りやすいように丁寧に伝えます。
受付での対応例
「お忙しいところ失礼します。本日、〇時から面接のお約束をさせていただいております、〇〇大学の〇〇〇〇と申します」
受付で要件を伝える際は、「すみません」ではなく、「お忙しいところ失礼します」や「恐れ入りますが」と声をかけると丁寧な印象になります。
もし、建物に入ってから面接会場へ行く途中に人とすれ違う際は、「おはようございます」「こんにちは」などの挨拶と会釈をするようにしましょう。
2. 待機
面接会場に到着後、多くの場合は受付後すぐに面接が始まるわけではなく、待合室や面接会場の近くにある待機場所に案内されます。
待機場所には、面接を受けるほかの学生や、先輩社員が同席しているケースもあるので、静かに過ごすことが重要です。スマートフォンを触ったり、不必要な雑談をしたりすることは避けましょう。
3. 入室
入室のパターンはおもに以下の3つがあります。
それぞれのケースに備えて、対応を押さえておきましょう。
面接室に面接官がすでにいる場合
面接室に面接官がすでにいる場合は、以下の流れで入室します。
名前を呼ばれてすぐに入室するのではなく、3回ノックし、「どうぞ」といわれたら「失礼いたします」と一礼してから入室します。ドアが開いている場合はノックの必要はありません。面接室に入ったら、ドアノブをしっかり持ち、静かにドアを閉めましょう。
集団面接では、前後の人とアイコンタクトを取りながら、ドアを支えるように連携し、最後に入った人がドアを閉めます。着席の指示があるまで、椅子の横で待機し、「どうぞお座りください」といわれたら着席します。
入室後に面接官が入ってくる場合
案内係に面接会場へ案内された場合は、指示に従って座って待ちます。座る場所を指定されなかった場合は、入り口から最も近い場所(下座)に座りましょう。
面接官が来た際には立ち上がって挨拶をして、「どうぞお座りください」といわれたら着席します。
面接官と入室する場合
面接官や担当者が待機場所に来て、一緒に面接会場へ移動する場合もあります。
面接官に案内されて入室する際には「失礼いたします」といって一礼してから入室し、「どうぞお座りください」などといわれたら着席します。
4. 面接中
面接中は、以下の3つのポイントを意識しましょう。
【座り方】浅く腰をかけ、背筋を伸ばして座る
面接中は座り方にも気を配ることが大切です。浅めに腰かけて背筋を伸ばし、手は軽く両ひざに乗せましょう。ただし、座り方が浅すぎると不自然な印象になる可能性があるので、事前に鏡で自然な座り方を確認しておくことがおすすめです。
面接中は、書類の提出を求められることもあります。そのため、バッグは自分が座る椅子の脇に取り出しやすいように置きましょう。コートを持参している場合は、たたんでバッグの上に置くことで、きちんとした印象を保つことができます。
【名刺の受け取り方】名刺を出されたら両手で受け取る
面接官や採用担当者から名刺を受け取る際は、立ち上がって相手の前に歩み寄り、両手で丁寧に受け取りってから「ありがとうございます」と一礼します。名刺だけを見るのではなく、相手の目を見て受け取ることがポイントです。
名刺を受け取ったら、名前や役職を確認し、自分から見てテーブルの左側に置きます。置く場所がない場合は、バッグやポケットに丁寧にしまいましょう。
複数の面接官から名刺を受け取る場合、座席順に並べて置くことで、それぞれの顔と名前を把握しやすくなります。
なお、名刺の交換は、通常ビジネスシーンにおいて自分の所属や役職を伝えるために行います。面接では、学生が個人として受けるため、学生側が名刺を準備する必要はありません。
就活中は名刺をもらう機会が増えるので名刺入れを用意しておくのもいいかもしれません!
【会話中】会話のキャッチボールを意識する
面接では自分から話し始めるのではなく、面接官からの質問や話が始まるのを待ちましょう。
面接官が話し終える前に重ねて話し始めたり、相手に質問された内容とは関係ないことを話したりせず、まずは聞く姿勢を心がけることが大切です。
質問意図がわからなかった場合には、「もう一度質問をお伺いできますか」などと聞き返しても問題ありません。
【話し方】話す内容だけでなく話し方まで気を配る
面接中は、話す内容だけでなく話し方に気を配ることが大切です。具体的には以下の点を意識しましょう。
面接で気をつける話し方
- 敬語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを心がける
- 発言するときは相手が話し終えるまで待つ
- 話の内容に適した声のトーン・表情に気を配る
- 面接官の目を見て話す
- ゆっくり大きな声で、はっきりと話す
面接では、緊張により声が小さくなったり、早口になったりしてしまうかもしれません。日頃の面接練習や模擬面接などでも話し方に気を配ることで、本番でもスムーズに話しやすくなるでしょう。
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5. 退室
退室時、面接官は室内に残ることが多いですが、場合によっては面接官と一緒に退出することもあります。それぞれのケース別の対応と注意するポイントを見ていきましょう。
室内に面接官が残る場合
室内に面接官が残る場合、以下の流れで退室します。
面接が終了したら、椅子の横に立ち、「本日はお忙しいなか、ありがとうございました」とお礼を述べてから一礼します。ドアの前まで移動し、「失礼します」と再度一礼をしてから、ドアを開けて退室します。ドアを閉める際には、ドアノブを持って静かに閉めましょう。
面接官と一緒に退室する場合
面接官と一緒に退室する場合、面接終了後に立ち上がり、「本日はお忙しいなか、ありがとうございました」とお礼を述べてから一礼します。
面接官の指示に従って出口まで移動し、別れ際には再度お礼を伝えて一礼します。エレベーターで見送られる場合は、ドアが閉まるまでお辞儀を続けましょう。
退室後、建物を出るまで気を抜かない
面接会場を出ると緊張がとけて気が抜けてしまいがちですが、企業の建物内にいることを意識してみてください。
面接官や社内の人も周囲にいるため、すぐにスマートフォンを確認するなどの行動は控えましょう。建物を出た後も近隣での飲食などは、企業の関係者が周囲にいる可能性を考慮して控えておくと安心です。
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面接のマナー【身だしなみ・服装】
面接は、相手に失礼のない身だしなみで臨むことが大切です。ここでは、面接当日に向けた身だしなみ・服装に関するマナーを見ていきましょう。
服装
面接時の服装は、企業から指示があった場合はそれに従い、そのうえで清潔感やTPOを意識することが重要です。
TPOとは
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった言葉。時と場所によって服装や言動をわきまえること
スーツと私服、それぞれの服装のポイントを見ていきましょう。
面接の案内でスーツの着用が指定されている場合は、ブラック、ネイビー、グレーなどの落ち着いた色味で、無地のシンプルなデザインがおすすめです。服装に関する指定がない場合も、スーツを着用するとシーンに馴染むケースが多いです。
シワやホコリ、汚れのないよう、前日までに状態をチェックし、必要に応じてクリーニングなどのメンテナンスを行いましょう。
ネクタイは、ネイビ、ブルー、エンジ、グレーなどの落ち着いた色がスーツに合いやすく、就活のシーンに馴染みます。幅は一番太い部分が7〜8cm程度のものが結びやすくおすすめです。柄物の場合は、ストライプ、チェック、ドットなどの控えめな柄がコーディネートしやすいでしょう。
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私服の場合
「服装自由」の場合は一つ前の項目で紹介したようなスーツで問題ありませんが、「私服」が指定されている場合は「ビジネスカジュアル」がおすすめです。
ビジネスカジュアルとは、ビジネスの場にふさわしくスーツよりも少しカジュアルな服装を指します。
企業の雰囲気を考慮したうえで、襟つきのシャツやジャケットなど、TPOに合うものを選びましょう。露出が多い服装は、ビジネスシーンには不向きとされています。
面接の前日にシワや汚れなどの状態をチェックし、必要に応じてクリーニングやアイロンがけを行いましょう。
ビジネスカジュアルや服装自由・私服を指定された場合について、以下の記事で詳しく解説しています。
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シューズ
シューズは服装に合わせ、ビジネスシーンに適したシンプルなデザインのものを選ぶとコーディネートしやすいでしょう。ブラックやダークブラウンなどの落ち着いたカラーがおすすめです。就活中だけでなく入社後に履くことも想定し、履き心地や歩きやすさも重視することが大切です。
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コート
就活の場に適したコートとしては、ビジネスシーンで活用できるトレンチコート、ステンカラーコート、チェスターコートがあります。色はフォーマルな印象を与えるブラック、ネイビー、グレー、ベージュがおすすめです。
コートは、屋外で付着したホコリなどを建物内に持ち込まないためにも、建物に入る前に脱ぎ、面接後は建物の外に出てから着用しましょう。
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バッグ
スーツスタイルの場合は、ビジネスバッグが適しています。ブラックやダークブラウンなどの落ち着いた色でシンプルなデザインのビジネスバッグは、さまざまな服装にもマッチします。
バックパックやトートバッグは、ややカジュアルな印象を与えるため、全体のコーディネートのバランスに合わせて慎重に選びましょう。
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髪型
面接時の髪型においては清潔感が重要です。寝癖やフケがそのままになっていないように、事前にしっかり整えておきましょう。
髪が長い場合は、ゴムやピンですっきりと整えましょう。面接中に邪魔にならないだけでなく、表情が見えやすく、すっきりした印象になります。
明るい髪色は企業の服装規定などに合わないケースもあります。業界や企業の雰囲気に合わせて、地毛に近い色に染める、あるいはリタッチをするなどの対策をしておきましょう。
メイク
メイクをする場合は、自然で清潔感のある色味を心がけましょう。
面接時のメイクのポイント
ベースメイク:自分の肌に近い自然な色
アイブロウ:自分の眉や髪色に合う自然な色
アイメイク:ベージュ・ブラウンなどの落ち着いた色
リップ・チーク:ピンク・オレンジ系で、血色がよく見える色
メイクに対する認識は個人差がありますが、就活や面接の場では業界・企業の特徴を踏まえ、相手から見て違和感を与えないメイクを心がけることが大切です。
過度に太いアイラインを入れたり、粒の大きなラメを含む派手なアイシャドウ・ハイライトを入れたりするなど、派手な印象を与えるメイクはビジネスシーンにマッチしない可能性が高いため避けましょう。
面接のマナー【言葉遣い】
面接では、正しい言葉遣いを使うことが重要です。ここれでは、謙譲語、尊敬語、面接に適切な敬語を例文と合わせて紹介します。
面接でよく使う謙譲語
謙譲語は、自分の動作をへりくだって表現し、相手への敬意を示して接する言葉遣いです。例文を見ながら押さえていきましょう。
謙譲語の一例 | 例文 |
---|---|
会う→お会いする | ◯:御社の◯◯社長にはお会いしたことがあります。 ✖️:御社の◯◯社長には会ったことがあります。 |
言う→申し上げる | ◯:先ほど申し上げましたとおり ✖️:先ほど言ったように |
もらう→いただく | ◯:貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。 ✖️:貴重なお時間をもらい、ありがとうございます。 |
行く→参る | ◯:明日の◯時に、御社に参ります。 ✖️:明日の◯時に、御社に行きます。 |
がんばる→努力する | ◯:御社にとってふさわしい人物になるべく努力いたします。 ✖️:御社にとってふさわしい人物になるべくがんばります。 |
知る→存じ上げる | ◯:そのニュースについては存じ上げません。 ✖️:そのニュースについては知りません。 |
見る→拝見する | ◯:資料を拝見しました。 ✖️:資料を見ました。 |
わかる→かしこまる | ◯:はい、かしこまりました。 ✖️:はい、わかりました。 |
聞く→伺う | ◯:キャリアパスについて伺ってもよろしいでしょうか。 ✖️:キャリアパスについて聞いてもよろしいでしょうか。 |
面接でよく使う尊敬語
尊敬語とは、相手の動作を表現するときに使い、相手に敬意を示す言葉です。謙譲語を混ざらないように注意しましょう。
尊敬語の一例 | 例文 |
---|---|
教える→ご指導・ご教示 | ◯:ご指導いただきありがとうございます。 ✖️:教えていただきありがとうございます。 |
思う→お考えになる | ◯:そのようにお考えになるのは ✖️:そのように思われるのは |
言う→おっしゃる | ◯:◯◯様がおっしゃるように ✖️:◯◯様が言うように |
する→なさる | ◯:海外事業進出をなさっている ✖️:海外事業進出をしている |
見る→ご覧になる | ◯:エントリーシートをご覧ください。 ✖️:エントリーシートを見てください。 |
面接で使いがちな間違った敬語
面接では、無意識にビジネスシーンに適さない敬語を使っていたり、「二重敬語」になっていたりすることがあります。二重敬語は敬語を重複させて使う表現であり、一般的なビジネスシーンでは不適切とされています。
以下の例文で、面接で誤りやすい敬語の例を確認してみましょう。
不適切な敬語の一例 | 例文 |
---|---|
あとで→のちほど | ◯:のちほどご連絡します。 ✖️:あとで連絡します。 |
ちょっと→少々 | ◯:少々お待ちください。 ✖️:ちょっとお待ちください。 |
すみません→恐れ入ります | ◯:恐れ入りますが、もう一度お願いいたします。 ✖️:すみませんが、もう一度お願いいたします。 |
させていただきます→いたします | ◯:確認いたしました。 ✖️:確認させていただきました。 |
大丈夫です→問題ございません | ◯:9月10日の11時からで問題ございません。 ✖️:9月10日の11時からで大丈夫です。 |
【二重敬語】 おっしゃられる→おっしゃる | ◯:おっしゃることに共感いたしました。 ✖️:おっしゃられることに共感しました。 |
【二重敬語】 社長様→社長 | ◯:社長にご連絡をいただきました。 ✖️:社長様にご連絡をいただきました。 |
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就活で頻出!正しい敬語一覧|間違いやすい言葉遣いを確認しよう
就活では、企業説明会や面接、メールのやりとりなど、敬語を使う機会が多くあります。ビジネスマナーのひとつとして、正しい敬語を使うことが重要です。この記事では、就活で頻出する尊敬語や謙譲語の正しい使い方、間違いやすい使い方などを解説します。
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御社と貴社の違いは?面接や履歴書、メールでの正しい使い方を解説
面接など言葉にするときは「御社」、履歴書やメールで文章にするときは「貴社」です。言い間違えをしやすい言葉ですが、一般常識のひとつであるため、できるだけ正しい使い方ができるよう意識しましょう。
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オンライン面接のマナー
昨今では、面接がオンラインで行われることもあります。オンライン面接においては、対面面接と同様の基本的なマナーに気を配るだけでなく、通信環境や背景など、オンラインならではの配慮も必要です。
面接前にやっておきたい準備
オンライン面接の前に、以下の準備をしておきましょう。
面接前に準備すること
- 使用するデバイスを充電しておく
- Wi-Fi環境に問題がないか確認する
- 白い背景を用意する
- スマートフォンやパソコンの通知を切っておく
- 服装や身だしなみに注意する
面接時に使用するパソコンなどを電源につなぎ、充電ができているか確認しておきましょう。外部のマイクやスピーカーなど、ほかの機器も使用する場合は、そちらも充電しておきます。
Wi-Fi環境が整っていないと、音声が途切れて重要な点が聞き取れない可能性があります。
部屋のなかで通信環境が良好なポイントを探し、必要があれば有線LANを用意しておくと安心です!
面接時は白いシンプルな背景の場所で行うことが望ましいです。家具やポスターなど、面接に関係ないものが背景に映り込まないよう、不要なものは片づけたり、白色の布を被せたりして対処しておきましょう。
また、オンライン面接では、対面面接と同様に服装や身だしなみにも注意が必要です。清潔感のある適切な服装を選び、髪の毛が顔にかかっていないか確認し、表情がはっきりと映るようにしましょう。
身だしなみについて、詳しくは「面接のマナー【身だしなみ・服装】」で解説しています。
時刻の3分前にはオンライン会議室に入室する
面接の開始時刻の3分前には、オンライン会議室に入室して待機しましょう。接続不良などのトラブルが発生する場合もあるので、早めに行動して準備を整えておくと安心です。
画面に接続されたら、挨拶をして「本日を面接を受けさせていただく〇〇です。本日はよろしくお願いいたします」と簡単に自己紹介をします。
面接中はスピード・声のトーン・目線に気をつける
オンライン面接では、対面より声が聞き取りづらいことがあるため、ゆっくりとはっきりとした話し方を心がけましょう。これにより、相手に内容がしっかりと伝わり、必要以上に聞き直されることを防げます。
オンラインでは表情が暗く見えることがあるので、普段よりも少し明るい表情を意識することも大切です。パソコンを使用する場合、画面やキーボードばかりを見ていると、うつむいているように見えるため、カメラ目線を意識してみましょう。
退室時は面接官が接続を切るまで待つ
面接が終了した後、オンラインの接続を切る際は、面接官が先に接続を切るのを待ちます。
もし面接官が退室しない場合は、「それでは失礼いたします」と一言伝えてから退室しましょう。
面接や就活のお悩みは「ユニキャリ」をチェック
「ユニキャリ」は、青山商事株式会社が運営する就活応援メディアです。就活をするうえでの参考情報やアドバイスを提供し、企業を選びをサポートをします。
ユニキャリの公式LINEでは、面接や就活に関するお悩みに関する4つの質問に答えるだけで、あなたにあった情報が届きます。
よくある質問
面接で座る位置は決まっていますか?
座る位置は企業によって異なるので、面接官や担当者の案内に従いましょう。
ビジネスシーンでは、入り口に近い席が一般的に下座、ドアから遠くなるほど上座となります。ソファ席の場合は、長いソファが上座、一人がけソファが下座です。
椅子とソファの組み合わせの場合、下座の位置が異なることがあるので、状況に応じて対応しましょう。
面接中に質問内容を聞き返してもいいですか?
面接中に質問内容を聞き返しても問題ありません。
質問が聞き取れなかった場合、無理に答えると質問の意図と異なる回答となる恐れがあります。「恐れ入りますが、もう一度質問をお願いできますか」と正直に伝えましょう。
面接でのノックは何回ですか?
面接室に入室する際は、ゆっくりと3回ノックしましょう。2回のノックは一般的に空室確認の意味合いが強いため、面接の場では3回ノックが適切です。
面接で必要な持ち物は何ですか?
面接で必須の持ち物は以下のとおりです。
- A4サイズの書類が入るバッグ
- 携帯電話
- 指定された提出書類
- 筆記用具、メモ帳
- クリアファイル
- 腕時計
- 現金、交通系ICカード
- ハンカチ、ティッシュ
- その他、指定されたもの
スマートフォンで時間を確認するのではなく、面接中や会場内では腕時計を使用することが望ましいです。そのほか、面接であると便利な持ち物についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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【新卒】面接で必要な持ち物・あると安心な持ち物を解説【就活】
面接で必要な持ち物のチェックリストや、それぞれの持ち物が必要になる理由、持ち物以外で知りたい面接準備などを紹介します。面接を直前に控えている方は、ぜひ今回の記事を役立ててみてください。
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面接後はお礼メールを必ず送ったほうがいいですか?
お礼メールは必須ではありませんが、感謝の気持ちを伝え、志望度を示すために有効です。送る場合は、当日中あるいは翌日までのタイミングであれば、面接官の印象にも残りやすくなるでしょう。
お礼メールの書き方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
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【就活】メールの基本マナーとすぐ書ける例文集【新卒】
面接や会社説明会のお礼や辞退、質問など、就活において企業にメールを送るタイミングは多数あります。メールはただ送ればよいわけではなく、誤字脱字がないこと、簡潔な内容にすることなどコツが必要です。
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対面面接では、マスクを着用したままで問題ないですか?
2024年1月現在、面接においてマスクの着用は必須ではありません。表情の伝わりやすさや声の聞き取りやすさを考慮し、特に理由がなければマスクは付けないことをおすすめします。
ただし、状況が変わることもあるので、国や自治体、学校や応募先企業の最新情報に耳を傾けることも大切です。